座頭市果し状のレビュー・感想・評価
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銃はずるいよ
勝新、歌上手いでスタート。名優志村喬が厚みを添える。Wヒロインにラ...
作品のトーンが暗い分、渋い座頭市
BS12にて鑑賞
自分が観た前2作に対し、コメディパートを省いた分、作品のトーンが総じて暗いが、これはこれで渋い。
悪役が、徒党を組んだり、ちょっとした権力を手に入れたりすることで、イキがって暴力的な振る舞いで周りを抑えつけようとするチンピラ感がよく表現されており、座頭市の正義感がより際立っている。
毎回、座頭市作品の画面づくりには、とてもこだわりを感じるが、今作も例外ではない。
CGなどありえない時代に、曇天で稲光が光る野を一人歩く座頭市のシーンの完璧な美しさに息を飲んだ。
また、全体的にモノクロに近いダークトーンの中、わずかに差し色として赤や青を配した殺陣のシーンの緊迫感。
制作陣のこだわりとプライドが伝わってきた。
医者役の志村喬が、やはりいい味を出している。
血の気が引き、弱った座頭市の表情も見どころ。
エンディングのほろ苦さもよかった。
古き良き日本
座頭市 果たし状
安定の座頭市だった。面白い。期待を裏切らない。
勝新太郎が道を歩いているところから始まり、村に着き、ヤクザと色々あって、最後は勝新太郎が悪い奴をぶった切って終わる(笑)。
今回は若干の西部劇テイストが入っています。そして勝新太郎が歌います。「どこでぇぇぇぇ果てようぉぉうとぉぉぉぉ。誰がぁぁぁ泣ぁぁぁぁくぅぅぅぅ。知らぬぅぅぅ他国のぉぉぉぉ蝉がぁぁぁぁ鳴くぅぅぅぅ」
座頭市の魅力は、そのダメダメオーラからのギャップ萌えに尽きる。
勝新太郎の風貌たるや、髭面の坊主頭にボロボロの布切れを着た、腹のつき出た小太り猫背の中年のおっさん。杖を突きながらのヨタヨタ歩きで、今にもずっこけそう。虫も殺さない優しい性格だ。
本性は最強の殺人マシン。その洗練された殺陣は美しく力強い。虫を殺すときのような涼しい顔で、ただひたすらに斬る斬るkill!
ギャップ萌えだ。
山。河。山林。真夏の青空の下。聞こえるのは蝉の音。背の高い草が生茂る草原の中を突っ切る一本道。
一本道を汗だくの勝新太郎が歩いているというだけで、ご飯が100杯は食えます。
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