「市と偽市」座頭市逆手斬り 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
市と偽市
シリーズ11作目。1965年の作品。
冒頭、いきなり折檻を受ける市。もぐり賭博に関わった罪で御用となり、鞭打ち。
その牢屋内で、老やくざと知り合った市。殺人の濡れ衣を着せられ、無実を証明出来る親分を訪ねるよう頼まれるのだが…。
人の命より自分の命。
可哀想だけど、これまでの経験・直感から関わると面倒な事になる。
しかし結局お助けする事に。
いざ相手方を訪ねて分かった事が。老やくざに罪を着せたのはその親分であった。
市は親分らを懲らしめ、老やくざの無実を証明出来るのか…?
正直、メインとなるストーリーや人物描写は弱い。親分はステレオタイプ、用心棒も印象に残らず。
でも、ユニークに場をさらうのが、今回の旅の相棒。…いや、迷惑者?
とある賭博場で知り合った男、百太郎。
市の賭博の強さ、居合の強さを知って、勝手にひょいひょい付いてくる。
かなりウザく、お調子者。
さらに極め付けは、いったん別れたと思ったら、座頭市を名乗ってやりたい放題!
これにはさすがの市もお怒りモード。
藤山寛美が勝新と絶妙な掛け合い。
実はこの男、老やくざと意外な関係が。
と言っても藤山寛美の為に設けられた、作品面白可笑しく彩るような役。絶対に物語展開上必要不可欠な存在でも…。
序盤、音だけで射ぬいた的当て。
偽市の泊まる宿場に乗り込んで、続いて乗り込んできた刺客どもを暗闇の中、斬る!
荘厳クライマックスの大立ち回り!圧巻!
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