座頭市千両首のレビュー・感想・評価
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国定忠治
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いきなり真っ暗な舞台劇のごとく始まる今作の撮影は宮川一夫。そして回想シーンの飯岡と笹川の喧嘩はまるで戦国時代の合戦の雰囲気が漂う。墓参りが済んだ後では村人の祭りに参加して、踊ったり太鼓を叩いたりと、ひょうきんな面を撮ることも忘れない。音楽も伊福部から斎藤一郎へと代わり、かなり雰囲気が違ってるのだ。
村人の守り神となってる国定忠治(島田正吾)だったが、子分が単独でやったことだと自分の命を市に預ける。市は忠治を赤城山から降りるように説得し、そこへ同じ渡世の紋次に襲われ、ほとんどの子分を失ってしまう。千両強奪の真実は、その紋次と用心棒・仙場十四郎(城健三朗)が忠治を陥れるために謀ったことだった。しかも黒幕は上納金を受け取るはずの代官だ。見せしめのために庄屋たち4人が斬首されると聞き、村人たちにも詰られる。“めくら”と言われても何ともないが、“ドめくら”と言われると腹を立ててしまう座頭市。
悪代官が登場するなど、勧善懲悪のような展開。しかし、農民一揆のような雰囲気と国定忠治に対する座頭市の義理人情。そして、最後には再び兄弟対決が見られる(前回とは役柄が違うが)。しかも城健三朗は鞭の使い手。あっさり決着はついてしまうが、その短い戦いもなかなかのものだ。
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