新・座頭市物語のレビュー・感想・評価
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故郷の笠間
幼なじみの為吉(舟木洋一)と再会し、すっかり喜んだ市は三味線片手に歌を披露する。その旅籠では巷で噂の水戸天狗党の落武者が人々から銭を強奪するのだ。翌朝にはそれも解決するが、さらに鬼怒川の湯治場にて座頭市には前作での関宿の勘兵衛の弟と名乗る追手が来る。その諍いの仲裁に入ったのが座頭市の師匠である伴野弥十郎(河津)だ。
今回は市がプロポーズされる展開。師匠の妹・弥生(坪内)が兄の推す武士との婚儀を覆して市と生涯を共にしたいと告白するのだ。その条件としてヤクザの道からきっぱりと足を洗うことを誓わされ、決闘を願ってた勘兵衛の弟・島吉もそれを聞いて仇を討つことを諦めるという男気のある奴だった。市はそういう男に弱い。サイコロの目で市が負けたら腕を切り落とすというのに、半の目を丁の目に変えたくらいだ。しかし、その島吉を伴野があっさりと斬り倒した。市は困惑・・・
そして、天狗党の連中に揉み賃を取り戻そうとするも斬り合いとなり、そこへ天狗党に300両を渡そうと画策した伴野が現れ、終には師弟対決となった。もちろん、悪の道に落ちようとしていた師匠の負け。弥生も諦め、市は去って行った。
市の乳母であるお茂ばあさん(武智豊子)の演技が良かった。つんぼとめくらというやりとりが非常に面白い。まぁ、かなり放送禁止の差別語連発であるが・・・
残念なのは坪内の演技。若い頃だけど、こんなに下手だったとは(笑)
師、登場
シリーズ3作目。1963年の作品。
この作品からカラーに。
久し振りに故郷の笠間に足を向けた市。
幼馴染みとの再会もあれば、渡世人の宿命も。かつて斬ったやくざの親分の仇を取ろうと、その弟や子分が命を狙ってくる。
そこを仲裁したのが…
市に居合を叩き込んだ師が登場。
演じるは名優・河津清三郎で、何だか役の風貌も市に似ている。
再会を祝して一杯誘われ、師の懐かしい道場へ。そこでもまた懐かしい人と再会する。
師の妹の弥生。
演じるは坪内ミキ子。和美人だが、ちょっと演技が拙いかな…。
師は妹にいい縁談をさせようとしている。…となると、察しが付く。市と弥生が互いに想いを抱く。それを知って師は大激怒。
また、人格者と思っていた師だが、思わぬ筋と繋がり、汚い金を掴もうとする。
話的にはよくあるパターン。でもちょっととっ散らかった印象を受けた。
“映画”として、ラストは名優二人が対峙する最大の見せ場。
しかし市にとって、また斬らなくていい人を斬ってしまう…。
「市はこんな人間なんです…」
想いを寄せる人を振り切り、故郷を捨て、市は見えぬ旅を続けるしかないのだ…。
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