劇場公開日 1962年4月18日

「戦う事で確かめ合う男の友情に泣ける」座頭市物語 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5戦う事で確かめ合う男の友情に泣ける

2021年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

単純

興奮

時代劇研究家?評論家?兎に角、春日太一氏が
以前に熱く解説しておられた本作。
興味があったのですが映画は映画館派なので
各社配信に未加入のため「午前10寺の映画祭」にて鑑賞。

クズ同士の田舎やくざの悪だくみをしり目に
いいねえ〜〜〜!!
男同士の友情に胸熱〜〜〜〜!!

江戸にほど近い関東のとある宿場町を仕切る
ヤクザ同士の抗争に心ならずも巻き込まれた
座頭市と、悲運の剣豪、平手造酒(ひらて・みき)の
剣豪同士の心のふれあいの物語。

男は自分を知る者のためにこそ命を掛ける、
限りある命だからつまらぬ事で失いたくは無い。
いつかは果てる命なら自分の納得の行く死に方がしたい。
その思いを果たすためにあえて対決に向かう
座頭市と平手造酒。

しびれますね〜〜
ぜひご覧くださいませ。

で、月に8本程映画館で映画を観る中途半端な映画好きとしては

時代劇に馴染みの無い方への解説ですが
座頭とは、盲目だけど三味線や琵琶、または
あんまや針などの技能に優れ、剃髪している人々の総称で
座頭市とは、目の見えない市(いち)さんって事です。
目が見えないから周囲から何かと差別されたり侮られたり
そんな辛酸を経験してきて、身を守るために
居合斬りの達人となったって訳です。

居合切りっていうのは、解り易い例だと
「ルパン三世」の石川五右衛門の切り方ね。
チャンバラの様に刀を抜いて相対するのではなく
刀は鞘に入れたまま、または半分抜いてタイミングを計り
相手の一瞬のスキをついてあっという間の早業で
急所を切ったり衝いたりして相手を倒す殺法です。

普段は盲人として地味に暮らしているけれど
ヤクザや子悪党が舐めた事を仕掛けてくると
バシッと反撃する。
「舐めてた相手が殺人マシーンだった!」の元祖ですね。

現役で一番人気のあった頃の座頭市はよく知らないけど
改めて一作目を観るとやっぱよく出来た作品だと
強く感じます。
まだ若かりし頃、豪快伝説を帯びる前の
割とフレッシュな勝新太郎と
流石の目力でただ者でない空気感と
悲運な気配を併せ持つ天知茂(あまち しげる)
昭和の名優は見所一杯です。

「午前10寺の映画祭」ならではのラインナップ。
ぜひ劇場で〜〜。

星のナターシャnova