「笹川親分」座頭市物語 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
笹川親分
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壺ふりをやらせてもらって、サイコロが壺の外に出る。みんな丁に張り、市の一人負け。もう一度振って、みな半に張る。今度は「おっと袖からサイコロが落ちた」と言って壺を開けると丁だった。今後も同じようなシーンがあるかも。 目明きの蓼吉に腰をもませる座頭市。こんなシーンがあったのかぁ。
ストーリーの伏線として、おたね(万里)の兄・蓼吉(南道郎)が宮大工の娘・咲を孕ませて、咲が沼に身を投げたという悲恋。でも中途半端・・・
やがて笹川の用心棒となった平手が血を吐いて倒れたと聞いて、飯岡は殺された子分の弔い合戦を仕掛ける。平手のいない分、鉄砲で市を倒すと聞いた平手は病床から這い出して喧嘩に参加するのだ。労咳(結核)を患っていた平手。何人も斬ったあとで血を吐く姿は痛々しい。そして座頭市と平手との対決。「つまらねぇ奴に斬られるよりはお前さんに斬られたかった」という最期の言葉が印象に残る。
やくざの道に一旦入ってしまったら、簡単に抜けられるもんじゃない。喧嘩に勝って祝い酒をふるまってる飯岡の親分には、「お前さんのために死んでいった奴がいるんだぞ」「ヤクザは世間の嫌われ者。どうしてお天道様を拝めるんだい」などと、ヤクザ業の哀しさをも表現する。そして市の旅に連れて行ってもらおうと待つおたねの表情もいい。
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