殺人狂時代のレビュー・感想・評価
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なんだコレは!奇妙奇天烈さがとても素晴らしい岡本喜八監督作
1967年製作/99分/日本、配給:東宝、劇場公開日:1967年2月4日。
主演の仲代達也の演技も含めて、これまで見たことがないほど、コミカルにおもいっきり弾けていて、メチャ面白く感じた。公開時に観客はあまり入らなかった様だが、時代の先を行き過ぎた!?
岡本喜八監督って、凄い。彼の監督作を全て漁りたいと思わされた。
仲代達也は、分厚い眼鏡かけたマザコンで冴えない大学講師ながら、殺し屋を簡単に始末する精悍さも見せ、そのギャップは漫画的ながら、かなりカッコ良いキャラクターに見えた。彼を騙して命を狙って返り討ちにあった団玲子も、なかなかのはまり役に思えた。
そして、殺し屋組織のボスを怪演した天本英世も強烈な印象で、佐藤勝による音楽も相当に挑戦的。うーん、当時の評価は知らんが、奇妙奇天烈な隠れた傑作映画じゃん。
監督岡本喜八、原作都筑道夫、脚本小川英 、山崎忠昭 、岡本喜八、撮影西垣六郎、照明西川鶴三、美術阿久根巌、録音渡会伸、編集黒岩義民、音楽佐藤勝。
出演
仲代達矢、団令子、砂塚秀夫、天本英世、江原達怡、二瓶正也。
ラーメン大好き仲代さん
都筑道夫の「なめくじに聞いてみろ」の映画化らしいが、残念ながら未読。だいぶ前に一度見ているが、天本英世が出ていたことくらいしか覚えていなかった。天本英世と言えば、「ウルトラQ」の最終話「あけてくれ!」で失踪した無気味なSF作家を演じていたのが印象深い。今回久々に見たら、「ウルトラQ」の一平くん=西條康彦、「ウルトラマン」のイデ隊員=二瓶正也、「ウルトラセブン」のソガ隊員=阿知波信介も出演していた(チョイ役ですが)。
ま、名作とか傑作とか言うのではなく、珍品のたぐいですね。物語の設定が破綻しているし、どう見てもスラップスティックの作劇。仲代達矢の登場シーンはほとんどオバQの小池さんだ。彼は既に「人間の條件」や「切腹」に出た後だし、岡本喜八は同じ年に「日本のいちばん長い日」を撮っている。いずれにしても振り幅が大きいなぁと。殺し屋連中はたいがい間抜けだし、主人公らは銃撃されても、爆弾が落ちてもまるで死なない。最後に取ってつけたように天本英世と決闘するが、主人公を殺そうと思えばいつでもその機会はあったはずだ。
精神病院の内装がかなり気持ち悪い。タイトルもさることながら、放送禁止用語頻出。
あなたも私も殺人狂!?
Amazonプライム・ビデオで鑑賞。
カルト的人気を誇る名作! 東宝上層部の意向で一度はお蔵入りになるも、紆余曲折を経てひっそりと公開された本作。その後リバイバルなどで人気を獲得し、今や岡本喜八監督の奇作として知名度もある…。待望の初鑑賞でした!
東宝上層部が公開に尻込みしたのも頷ける…。かなりトリッキーな作品でした。これまで観て来た岡本喜八監督作品からは想像も出来ないほどの奇作ぶりでした(笑)
ストーリーと世界観はかなりブッ飛んでいましたが、戦中派を自称する監督ならではな、戦争への怒りは込められていました。そこはブレない…。さすがでした。
“大日本人口調節審議会”の首領溝呂木が語る殺人哲学―人類が本能的に望んでいるものが大量殺戮であるが故に、この世から戦争は無くならないのだ…。なるほど! それはつまり、誰もが殺人狂になってしまう可能性を持っていると云うことですよね??? ―私も。それにあなたも。…
「ジョン・ウィック」シリーズでも個性的な殺し屋たちが登場しましたが、本作でもそれに負けず劣らず、否それ以上のインパクトを持った殺し屋たちが次々に桔梗の命を狙って来る!
標的の桔梗でさえ、得体の知れない男! 水虫持ちでド近眼の冴えない中年男かと思いきや、殺し屋の魔の手を“偶然”と云う神がかったスキルで回避。かと思えば、変装を兼ねて見違えるような男ぶりになってからはド近眼を忘れて、キレキレのアクションを披露! これはまさに溝呂木の殺人哲学を証明するかの如くな覚醒! いったい何者だよあんた!(笑)
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