「原作漫画にも触れてほしい」櫻の園(1990) otoufu19さんの映画レビュー(感想・評価)
原作漫画にも触れてほしい
BSで放映されたので久々に観ました。
美しく仕上がった作品ですが、言いたかないものの男性の妄想のなかでパッケージングされた仕上がりなのも否めないです。
過去に観た際とその点では印象も感想も変わりません。
原作漫画の設定を借りた全くの別物ではあります。
設定の部分を撫でながら、自分たち(映画制作側の男性たち)の理想を塗りこめた部分は全く否定できない。
良いセリフは原作にあるものをそのまま借りて来た部分だったりします。
映画だけでなく、原作漫画にも当たってほしいように思います。
しかしながらこの映画に魅力がないわけでなく、久々に観ることによってそれなりのノスタルジーに近い何かも加わって来ますので、そうした味わいを覚えもしました。
極めて舞台劇を意識したような撮り方。カメラも脚本も。
同監督の「12人の優しい日本人」などはそもそも舞台演劇作品を映画化したものでしたが、こちらは漫画原作ではあるものの。
演劇部の舞台が行われる日の数時間を、時間と状況の移り変わりと共になぞって展開していくような。
映画内での制服のデザインは可愛い(原作とは全く異なるデザインです)し、現在ではこれを明らかに真似た現実の制服すら出現していると思います。
また、つみきみほが当時も好きだったのですが(この映画以前から)、今観てもこの映画のなかでも魅力的。
監督が数年後に撮った、この作品内の学園設定を借りたスピンオフのような「櫻の園」も観るべきか、改めて少し迷ったり。評価が極めて良くないという印象なので。観る前から配役などにもまあまあ疑問がありますし。
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