御用牙のレビュー・感想・評価
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このイチモツが目に入らぬか!
座頭市シリーズ、悪名シリーズ、兵隊やくざシリーズ…。
勝新太郎の数ある人気シリーズの中でもたった3本の非常に短命。
しかし、色んな意味でのサービス精神や強烈インパクトは負けちゃいねぇ。
同名時代劇漫画を基にした1972年のシリーズ第1作。
板見半蔵。
北町奉行所の隠密廻りで同心。
有無をも言わせぬ正義感の持ち主。
悪は許さぬ。悪を懲らしめる為なら暴力も厭わぬ。
腕力もあり、メリケン嵌めたパンチは石や人の鼻や顔も潰す。
上役が悪行や不正に関与していても見逃さない。啖呵を切って抗う。
保身や弱者を守らぬ奉行所の宣誓書への血判も拒む。
黒幕がどんな上役であってもその弱味を握り、徹底的に脅してまで追及。
クリーンな正義のヒーローには非ず。
悪や不正にはそれ相応の手段を。ダークヒーローと言った方がいい。
あだ名はその鋭いキレ味から“かみそり半蔵”。
腕力や頭や執拗さもさることながら、その名の所以は“あっちの方”の意味もある。
半蔵の最大の武器。それは、自慢の男根。
これを使い、ターゲットの情婦など女たちを責め上げ、秘密や情報を聞き出す。
“正義”ならぬ“性技”。
この拷問シーンは団鬼六のSM世界。
ポルノ映画のような直接的な絡み描写は無いにせよ、淫靡な雰囲気はしっかり。
風呂上がり、その男根を鍛え上げる珍場面。
よく一般公開出来たもんだ。
暴力捜査に女を虐げる。(でも女たちは最後には半蔵の精力にぞっこん)
今ならコンプライアンス的に完全アウト。
そんな時代の風潮も楽しむべき逸品。
話はありきたり。危険な人斬り(THEヒールな田村高廣)と関わる上役(THE狡猾な西村晃)の悪行、さらには立ち入る事の出来ない大奥にまで立ち向かう破天荒ヒーローの活躍。
エロスとバイオレンス。
突っ込まずにいられない笑いと紙一重の真面目さとのギリギリライン。
悪行や不正、権力にも屈しない痛快さ。
大衆が求める娯楽がたっぷり。三隅研次監督の職人手腕。
朝丘雪路、渥美マリの艶技。
豪快なキャラが勝新にぴたりとハマった。
勝新娯楽作の中でも、異色の面白さは際立つ。
この世に悪が蔓延る限り、俺のイチモツが黙っちゃいねぇ!
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