劇場公開日 1986年2月1日

コミック雑誌なんかいらない!のレビュー・感想・評価

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2.5手ぬるいマスコミ批判

2023年6月14日
iPhoneアプリから投稿

内田裕也やビートたけしの演技は面白いものの脚本といい演出といい問題意識といい稚拙な部分が目立った作品だった。

とは言いつつも序盤のロス疑惑のインタビューあたりまでは本当に良かった。インタビュー対象に論理的にも倫理的にも完全敗北を喫しているにも関わらず「一言だけお願いします」と機械のように繰り返し続けるキナメリには当時のマスコミの狂いぶりが見事な形で刻印されていたと思う。「恐縮です」と口では言いつつも微塵も恐縮していない慇懃無礼ぶりも面白い。

しかしマスメディアの暴走を最前線で担っていたキナメリが最終的にマスメディアの標的にされるという展開はあまりにもありきたりだ。しかも唐突に「俺は報道倫理に目覚めたんだ!」と改心させるのではさすがに具合が悪いと思ったのか、日本航空123便墜落事故や豊田商事事件といった誰もが厳粛とならざるを得ない事件を通じて彼を少しずつ倫理の側にズラしていくというセコい戦法を取る。

「細部を誤魔化しながら大局でドラマチックな物語を提供する」みたいなやり方こそがマスコミの最も非難すべき側面であるはずなのに、それをマスコミ批判映画の本作が率先してやってしまっているという皮肉。ミイラ捕りがミイラになるとはまさにこのことだ。

ここは下手に冒険せず、キナメリを最後まで狂人として描き切ったほうがよかったんじゃないか。それこそ御巣鷹山山中に転がる焼け焦げた無数の死体に向かって「一言お願いします」とか、悪徳商社の会長を殺しに来たビートたけしから刃物を奪って「動機は何ですか?」とか。アパート前で待ち構えるマスコミの前に血塗れのキナメリが出てきて全員が押し黙る、みたいなオチのほうがよっぽど倫理的だと思う。

劇中で幾度か挿入される無人の球場でのやりとりにもいまいち視覚的インパクトがない。しつこいスローモーション演出も退屈だった。特にラストカットの緩慢ぶりには辟易した。等速で流して最後にマイクを投擲する瞬間だけスローにするのではダメだったんだろうか。

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因果

狂気さが物足りない

2021年7月20日
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鑑賞方法:映画館

抑えた内田裕也がウリなのかわからないのですが、もっと破天荒にはじけてほしかった気がする。一番感心したのは、若いころ、こんなカッコ良かったってところ。

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mojimizu

3.5マスゴミとジャーナリズム

2020年6月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

怖い

興奮

内田裕也のキャラや存在感より、カメオ的に出演する豪華脇役陣が凄まじく、ラストはビートたけしの怪演で全てを掻っ攫う!!

芸能界を含めた日本の社会情勢に怒りと鬱憤が溜まったかの如く、それらを揶揄するかのようにブチかます内田裕也のマジメには描かないコミカルさに棘がある。

ロス疑惑の三浦和義に突撃したり、山口組と一和会にまで突入する根性?には唖然とさせられ、四代目になる竹中正久らしき人物も画面に映り??

ドキュメンタリーの皮を被ったモキュメンタリー的な姿からの、脱がせたら一種のパロディ映画かと思いきや、ノンフィクションな腹の中!??

公開当時は五〜六歳の自分、二十歳前半にTV局のカメアシ業務を、仙台の刑務所?拘置場?から出所した三浦和義を取材車で追ったことがある、ちょっとしたカーチェイス宛らの気分を味わった。

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万年 東一

3.0虚実混交

2019年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

子供の頃から印象に残っているのは、モスキート同様。
裕也ほどママチャリの漕ぎっぷりがハマっている男もいない。

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奥河内多忙丸

4.0内田裕也による

2019年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

内田裕也が突撃芸能レポーターに扮し、虚実をない交ぜにした構成が異様な迫力を生んでいる。
歯に衣着せぬ、というかとても失礼なインタビューでテレビのワイドショーで人気を博し、ほぼ芸能人並みの人気を誇っていた。
三浦和義氏のロス疑惑では本人が登場、神田正輝と松田聖子の結婚報道では事務所やテレビ局から圧力がかかり、深夜の番組へ。
ホストの取材では郷ひろみが登場、性風俗の体当たり取材をこなす。
そして日航ジャンボ機墜落事故、豊田商事のあの事件へとつながる。
ビートたけしにはビックリ。

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いやよセブン

4.0恐縮です。

2019年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 梨本勝本人も同業者として出演しているし、ロス疑惑の三浦和義本人も使ってた。そんな芸能レポーターから夜の番組の性風俗突撃レポートまでやらされる。山本晋也に負けないくらいにやれとはっぱをかけられる。ホストクラブに片岡鶴太郎やら郷ひろみなんかがいたりするのが面白い。

 本物を撮ったりするドキュメントを織り交ぜ、徐々に本当の社会問題を取り上げたくなったりするキナメリ。隣のじいさん(殿山泰司)が金の先物取引に2千万払った事実、たまたまキナメリを買った主婦から金の証書を見せられ、独自に取材するようになる。

 日航ジャンボ機墜落事件のシーンは胸が痛むし、豊田商事をモチーフにした刺殺事件はビートたけしの怪演が見られる。1985年にどんな事件が起きていたのかを思い出すためのドキュメンタリーとしても面白いし、途中にダレてくるが、終盤のキナメリの心変わりと自分が取材を受ける立場になったラストなど、見どころは多い。

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kossy

4.0恐縮です。 I can't speak fu○kin' Japanese

2018年5月25日
PCから投稿

とあるジャーナリストのフェイクドキュメンタリー。芸能リポーターだったが深夜番組にとばされたり、夜のお仕事の体験(潜入?)取材をしたりなど淡々と話は進む。1986年だからドライブインシアター全盛の頃なのか情報屋からネタを仕入れる場面でてくる。
とにかく主演がかっこいい。ジャーナリズムの異常性を描いた作品。

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collectible

4.0たけし笑

2017年5月3日
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笑える

最高!!たけしやばすぎです!!
前衛的で面白くてテーマ性も最高です。こんな映画、また日本で作られないかなー

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JM