「5人のアウトロー」GONIN 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
5人のアウトロー
石井隆監督1995年の作品。
邦画アクションに於いても未だに鮮烈に残る傑作。
借金まみれのディスコのオーナー、万代。
男相手のコールボーイ、三屋。
元刑事、氷頭。
リストラされたサラリーマン、荻原。
パンチドランカーの元ボクサー、ジミー。
社会から弾き出された5人の男が出会って、万代のディスコを取り仕切る暴力団・大越組の大金を強奪する計画を企てる。
見事成功するが、仲間の一人から足が付き、雇われた二人組の殺し屋に追い詰められ…。
スタイリッシュ!クール!バイオレンス!
鬼才の才気が冴えまくるスリリングな世界。
佐藤浩市、本木雅弘、根津甚八、竹中直人、椎名桔平…豪華な面々。
本木は個性的、竹中はかなりアブナイ、根津が渋くカッコいい。
大越組組長の永島敏行、殺し屋役のビートたけしまで、贅沢。
男たちが皆、この作品/世界に合っている。
5人のやった事は無論犯罪。
故にその末路は予想付く。
悲しく、愚か。
何が彼らを狂わせたのか。バブル崩壊というあの頃の社会か。
それしか道は無かったのか。
男たちは時に、馬鹿な道を行き、自ら命を散らす。
男たちは時に、そんな男(アウトロー)たちに、憧れ惚れる。
50年~60年代は黒沢時代劇、70年~80年代は深作バイオレンス、90年代はこの『GONIN』、近年は『るろうに剣心』やその他。
邦画アクションだって捨てたもんじゃない!
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