「ゴジラの最大のライバルであると共に、映画を娯楽性豊かに盛り上げてくれるキングギドラ」ゴジラVSキングギドラ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラの最大のライバルであると共に、映画を娯楽性豊かに盛り上げてくれるキングギドラ
シリーズ18作目。
本作からゴジラの対戦相手は、過去の人気怪獣が務める事になった。
まず登場は、キングギドラ。
過去4度ゴジラと激闘を繰り広げた、ゴジラ最大のライバルだ。
宇宙怪獣としてのイメージがあるキングギドラだが、本作では未来人の時間操作によって誕生した新キングギドラ。
だからなのか、少々ゴジラに劣勢気味だが、その巨大さは初代以上。
最後はサイボーグ改造され、メカキングギドラとなって登場、インパクトを残す。
ストーリーは、現代日本に未来人が現れ、彼らの提案で過去に戻り、ゴジラを歴史から抹消しようとする。
実はそれは未来人の策略で、ゴジラを消してキングギドラを出現させ、現代日本を破壊しようとする。
何だか凄い話である。
細かく言うと辻褄が合わない点もあるのだが(ゴジラを消したのに、何故皆ゴジラを覚えているんだ?)、内容的には盛り沢山で楽しめる。
近未来SFに戦争映画に『ターミネーター』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をミックス。『ジュラシック・パーク』も先取り)
そして、ゴジラ誕生秘話も描かれる。
最も、ゴジラ誕生秘話は謎のままの方が良かったという意見も確かだが、これはこれで一つの仮説。
中川安奈演じるエミーはシリーズ初のアクション・ヒロイン。ラスト、自らメカキングギドラに乗り込み、ゴジラと戦う。
ゴジラと因縁を持つ新堂会長に扮する土屋嘉男の存在は感慨深い。
また、音楽を伊福部昭が16年振りに担当。
ダイナミックな音楽で映画を最高に盛り上げてくれる。
エンディングの“ゴジラは死なず”と付けられたゴジラのテーマ曲は、同曲の中でも屈指の神曲!
昭和シリーズで一番娯楽性豊かなのは『三大怪獣 地球最大の決戦』。
平成VSシリーズでは間違いなく本作。
奇しくも、どちらもキングギドラ。
やはりキングギドラは、ゴジラの最大のライバルに相応しい。