「唸れ!世紀の怪獣タッグマッチ!!」地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
唸れ!世紀の怪獣タッグマッチ!!
ゴジラシリーズ第12作。
「東宝チャンピオンまつり」で公開。
DVDで4回目の鑑賞。
本格的に低予算感が姿を見せ始めました。
民衆の避難シーンや都市破壊シーンなどで、ライブ・フィルムの流用が多く見受けられました…(泣) 本作以降、同じ場所が破壊され、同じ人々が避難するんやなぁ…(笑)
まだ都市破壊の新撮シーンはあるものの、全体のつくりの粗を誤魔化すためなのか、不自然なアップ・ショットが多いように感じました。戦闘シーンもしかり…。
それはさておき、地球侵略を企むM宇宙ハンター星雲人が送り込んで来たガイガンとキングギドラと、ゴジラとアンギラスが戦う怪獣タッグマッチ戦が見どころです。というか、それ以外の注目ポイントを見つけられませんでした(泣)
魅力たっぷりの新怪獣ガイガン…めちゃくちゃカッコいい! 武器は胴体の回転カッターや両腕の鋭い鎌でございます。そのために、戦闘シーンでは前作に引き続き流血の描写が多く見受けられました。出血大サービス!(笑)
ゴジラは「怪獣総進撃」以来のスーツを流用しているため、痛みが激しく、おが屑(!)を使って補修しているものの、くたびれた印象が否めませんでした。二の腕の辺りに、剥がれた表皮がヒラヒラしていて、めちゃくちゃ悲しくなりました。過剰な流血描写が感情に拍車を掛けました…。「これ以上痛めつけんといてよ!」と思いました(笑)
もうひとつ、悲しい出来事と云えば―。第1作よりゴジラのスーツアクターを勤めて来た“ミスター・ゴジラ”中島春雄氏の最後の演技となりました。今日のゴジラ像をつくり上げたのは中島氏ですし、とても偉大な方だなと改めて感じました。
ゴジラとアンギラスが、マンガの吹き出しで会話するシーンがあまりにも有名ですなぁ…。初めて観たときはコミカルだなと思いましたが、今観ると、めちゃくちゃシュールで如何ともしがたい感情が沸いて来ました(笑)
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ドラマ部分では、「ウルトラセブン」のアンヌ隊員役で特撮ファンの心を掴んだひし見ゆり子がヒロインとして出演していました。その美貌が放つ魅力で作品に華を添えてくれました。“永遠の特撮ヒロイン”の面目躍如ですなぁ…。
本作の侵略宇宙人・M宇宙ハンター星雲人の正体は、高度に進化したゴキブリでした。高度に進化し、コンピュータや機械に頼っているはずなのに、ゴジラタワーとその周辺の警備が手薄なこと手薄なこと(笑) 監視カメラくらい設置しませんか?
それでも、その正体がゴキブリと云うのは、見逃せない点だなと改めて思いました。彼らの星の文明が辿った滅亡への道のりにしても、今の地球人類の身につまされるものだし、我々が滅びた後に生き残るのは、案外ゴキブリのような生命力の逞しい虫たちなのかもしれませんなぁ…。教訓教訓。
【余談】
鳴き声で怪獣を判別する防衛司令www
※追記(2020/11/25)
怪獣タッグマッチが本作の見どころだと前述しましたが、タイトルは「ゴジラ対ガイガン」なのに、ゴジラとガイガンが直接戦っているシーンが少ないように思いました。アンギラスにガイガンの相手は荷が重すぎるやろ(笑) ゴジラはもっぱらキングギドラと戦っていた印象。脚本検討段階では「キングギドラの大逆襲!」や「キングギドラ対ゴジラ 地球防衛命令」だったそうなので、あくまでもメイン敵怪獣はキングギドラであり、その名残りなのかもしれませんなぁ…。
※鑑賞記録
2020/11/25:Amazonプライム・ビデオ(5回目)
ひし美ゆり子のブログをずーっと読んだ記憶があります。
自らばーばと呼んでいたりして、当時の面影はありませんが、たまにウルトラセブンを見たくなります・・・12話を除いて録画してあります・・・