「疑問を持ったら負け。」怪獣島の決戦 ゴジラの息子 lylycoさんの映画レビュー(感想・評価)
疑問を持ったら負け。
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あの卵はどこから湧いて出たのかとか、放射能どころか気温の急激な変化くらいで怪獣化するってどういうことだとか、そういうことは考えちゃいけない。謎の研究員たちが気候を制御する実験で色々とやらかしてることについても深く考えない努力が必要だ。
要約すれば、実験のせいで事態がややこしくなって手に負えなくなった人間たちが、実験の成果を利用して島全体を凍結し、すべてなかったことにして逃げ帰るという大変にお粗末なお話である。そこに人間の身勝手さや自然破壊がどうとかいったメッセージがあるようにも見えない。
それなら怪獣娯楽作品としてどうかというと、これも微妙というしかない。怪獣島とか決戦とかいうけれど、ゴジラ親子以外に出てくるのはデカイ蜘蛛とデカイ蟷螂だけだし決戦らしい決戦もない。蜘蛛の糸攻撃はモスラの幼虫の再演だし、蜘蛛も蟷螂も格闘戦に耐える相手ではない。
ただただゴジラの息子を見てほっこりする。キモカワイイってのはこういうことかと得心する。雪に覆われて白くなっていくラストシーンに切なくなったり、死ぬわけじゃないとわかってホッとしたりもする。第1作とは何の関わりもない巨大生物親子の挿話。これはそういう映画だ。
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