ゴジラ(1954)のレビュー・感想・評価
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First GODZILLA
11月14日(木)NHKBSで「ゴジラ(1954)」を。
久しぶりに「ゴジラ」第1作を観る。
「ゴジラ-1.0」を観た時にゴジラの出番が少ないと感じたが、第1作も出番は意外と少なかった。最初に姿を現すのは22分くらいで全身は映らない。
それ以降も小出しに登場するが全身は中々映らない。白黒映画なのと1954年の特撮ものだからアラがみえてしまうため夜のシーンが多い。
「ゴジラ-1.0/C」を観た時にゴジラはやっぱりモノクロだな、と思ってしまうのもこの映画が頭にあったからだろう。
東京に上陸したゴジラの通った後は焼け野が原となり、多くの人々が傷つき、戦時中と同様の風景になっていた。
ゴジラを攻撃するのが設立されたばかりの自衛隊で、ジェット戦闘機はF86Fセイバーだった。最初の東京湾にいるゴジラへの攻撃が港の陸上からの機銃掃射だったのには笑ったが。
芹沢博士の開発したオキシジェン・デストロイヤーの威力は凄まじく、ゴジラは肉も骨も海の藻屑と消える。これを兵器として使う訳には行かないと自ら命を絶つ芹沢博士。
(あれ、ゴジラシリーズで残ったゴジラの骨からメカゴジラ作る話があったよね?骨なんか残って無いじゃん)
人類を破滅に導くゴジラが登場したのは水爆実験のせいだと明確に断じて、ラストでは志村喬に「このまま水爆実験が続けば別のゴジラが現れるだろう」と言わせている。
水爆実験反対、オキシジェン・デストロイヤーのような科学装置も兵器としての利用には明確に反対するメッセージを打ち出している。おい、オッペンハイマー!
余談:NHK-BSって公開中の作品を放映するのは何故?今回、東京では日比谷で「ゴジラ(1954)」を上映中だ。2019年にも完全版が公開中の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト」を放映している。映画館イジメ?
私の「ゴジラ」録画ビデオをクローネンバーグの息子は観たのかな?(「ゴジラ-1.0」レビュー参照してください)
原水爆の恐怖と科学の罪に迫る意欲作だった! 何度観ても発見がある。今回は芹沢博士の孤高の科学者の矜持に涙。
ゴジラシアター2度目の初代ゴジラは、4K上映!
やはり、TOHOシネマズ日比谷のプレミアムシアターの大スクリーンが映えます!
河内桃子のアップが美しい!
ベストカットは、銀座のデパート屋上の鳥かごの鳥たち越しに、ゴジラが吠えるシーンです。
戦後の影、昭和の日常、原水爆実験批判、太古の巨大生物のロマン、火の海の東京、病院を埋め尽くす被災者たち…
−1.0に欠けていたものが全てある!
オーソドックスに映画を作っていたら、当然必要な要素が全てある。
正統派監督が真剣に作った傑作です!
何度観ても発見がある。
今回は芹沢博士の孤高の科学者の矜持に涙。
原水爆の恐怖と科学の罪に迫る意欲作だった!
反戦反核のメッセージ
毎年、8月終戦記念日あたりになると、戦争映画やら戦時ドキュメンタリーを見るのですが、気分転換にと思って見たのがこの、「ゴジラ」。いやいや、これは反戦反核の強烈なメッセージを持った映画で、びっくりしました。まさにタイムリーな鑑賞でした。
ゴジラの映画は数あれど、いくつかは見たこともあるかもしれませんが、このファーストゴジラは多分、初めてだったかもしれません。(番組の予告とかでチラッと見たとかはあるかもですが)
戦後10年経たないうちに作った映画。戦後まもない時代の流れで登場したゴジラの存在は恐怖をあおります。あえて言うことでもありませんが、子供向けのただの怪獣映画ではないことは間違いありません。世界で唯一核の被害に遭った日本だからこそ、こんな映画が生み出されたのでしょう。
芹沢博士が発明したオキシジェン・デストロイヤー。これを世の中に出してはいけない、しかし、ゴジラを倒すためには必要なんだ・・・と葛藤する科学者としての立場は、大げさではないでしょう。あのアインシュタインだって、原爆開発に加担してしまった結果、「原爆で罪もない人たちを傷つけてしまった。許してほしい」と、湯川秀樹の手を握って涙したらしいです。
原点にして最高傑作
あたくし、初代ウルトラマン放映開始の年に生を授かり
特撮の造形にハマりまり、ゴジラといえばメカゴジラ以降という認識でした。
ウルトラシリーズなどのテレビ番組の製作リズムだと電線まで作り込む時間はありませんが、当時の東京に走ってたトロリーバスの架線と一般の電線、山手線の架線まで細かく作り分けまで拘り「白黒作品だから」「ゴジラに破壊されるから」
という妥協は一片も見られない製作スタッフの気迫を感じました。
また、50m級の巨大生物がどのような動きなのかをお手本がない中見事に演じ切った中島春雄氏のゴジラの動きにも気迫が伝わりました。
定期的に何度も観直したい名作中の名作です。
時代を感じる
良くも悪くも時代を感じる。
戦後、核実験などの背景を感じる。その一方、やはり古い作品なので設定とかが雑なのも確か。でも、これをリメイクしても何かが違うものが出来てしまうんだろうなぁ。シンも、戦後と言う背景のマイナスも違うし。
一番凄いのはゴジラがチャンと死ぬって事かなぁ。この後のゴジラ、強いのは良いけど、不死身はチョッと・・・。
戦後10年でこの完成度
ネタバレあり。
スカパー。
1954年ゴジラ。
全く飽きない映画でしたわ。
白黒だけどきちんと伝わるんだ。
昔の日本人の考え方はこんなだったのね。とか思いながらみてた。
映画の内容的にもすごくいいと思います。
これを見てから、これから公開されるシンゴジラかなり期待度高まるねw
一番の衝撃は塔にいたアナウンサーの最後(>_<)
色褪せないものってありますねほんと。
16.7.18
やはり初代は怖い、そして凄い!帝都炎上も破壊も別格のワールドスケール。
★独自採点(100):言わずと知れた初代ゴジラ!当時としては異例の制作費(『7人の侍』に次ぐ)をかけ誕生した。昭和ゴジラで唯一ゴジラ単体のみ出演の作品。市街地ミニチュアセットスケール1/ 25(国会議事堂シーンはゴジラの大きさを強調するため1/33)
通称:初ゴジ(身長50m)・登場(ゴジラ以外)怪獣:無し・防衛:防衛隊/海上保安庁(冒頭賛助クレジット)・97分(内特撮シーン及び対戦時間約40分)・上陸地(1回目大戸島・2回目品川埠頭=海中に現れその後陸地・3回目芝浦=海中から上陸)・破壊地(品川、新橋・有楽町、銀座和光・松坂屋、永田町国会議事堂、平河町、勝鬨橋等)・特撮爆破炎上破壊規模S(帝都炎上の炎がリアルすぎるほど凄い)
戦後間もない都心を破壊し尽くす様は当時本物と間違えられたのも頷ける、有名な和光ビルや銀座の松坂屋はゴジラに破壊された事に腹を立て以後長らく出禁となったのは有名だ。当時はゴジラという存在がいない中、役者陣は架空の怪獣を想定しながらの演技で見事としか言いようが無い、タイトルロゴの「ゴジラ」・ゴジラの咆哮・伊福部昭のゴジラのテーマもだが「ゴジラ」というネーミングも凄い(元ネタは東宝演劇部にゴリラとクジラを合わせたようなおっさんがいて、そのあだ名がグジラだったというから笑える、英語表記でGodzillaにはGODの意味も)、原型の明確なデザインは明らかでは無いが美術・造形班渡辺明中心に利光貞三が造形、ティラノサウルスのイメージから動物では無い怪獣のスタイルとして背びれをつけ、体表は原作者(香山滋)などの意見も取り入れ、利光が梅干しの種からヒントを得た(特技監督助手浅井正勝曰く、阿部和助は参考程度、利光が当時好きだったコーヒーウイスキーから閃いたキノコ雲の様なイメージとの説も)ワニ肌を進化させゴツゴツした皮膚にキノコ雲を想起させるモコモコした頭部にしたようだが、フォルムを決めるまで相当苦労したらしい。実際の製作は試行錯誤の上、出来上がった着ぐるみの重量が半端なくて重くて上下をぶった切って撮影したとか逸話は限りない、実は正確な色も謎のまま明確なカラー写真は存在しなくて、鎌倉カーニバルの宣伝で出向いたゴジラが唯一のカラー写真とされてる(海外ではポスターカラーからグリーンモンスターと呼ばれている)。
最初はゴジラはあまり姿を表さず足跡・音で想像させるなどの演出の盛り上げもさることながら、とにかく設定がすごい!ゴジラの身長50mは服部時計店の時計塔を壊すことを前提に(=首都東京の中止地銀座のランドマークとして選ばれた)、その対比から計算された身長(2024年2月4日フジテレビ番組「知らないうちに激変」では「ゴジラの身長は人間が見て恐怖感を感じる大きさ、建物から建物からぬっと出てくる大きさ」と言ってる。因みに有名な和光ビルとの対比、和光ビルは1932年竣工、地上から時計塔まで高さ39.39m屋上までの高さ:30.30m、時計塔の高さ:9.09m当時最も高い建物は東急会館=後の東急百貨店東横店西館43mはモスラで破壊されている、またゴジラ−1.0の身長は50.1mになっているが本当は50mにするところCGを作ったら10cm高くなっていたので+0.1になったそうだ)モノクロフィルムなのでゴジラが出てくるのは基本夜のシーンで時計塔の時間が11時だとすると何時にどこを通過するのでその時間の街の灯り想定した火入れしたとか、有名な鉄塔を放射熱戦で溶かすシーンはブリキ・銅・蝋を組み合わせ溶け方のバランスを考えた制作、銀座の電車に交通博物館のリアル模型を使っての撮影、ミニチュアセットの作り込みもCGやVFXでは無いリアルな特撮だった(特に合成シーンのリアルさは当時画期的、またビル単体での破壊シーンのミニチュアは破片が落ちる重量感を出すために3mをゆうに超える大きさの物を作った)いうところはもう神がかった作りとしか言いようが無い。
この当時はまだ大セットを組めるスタジオが完成していなかった中、オープンセットだからこその火炎の迫力は初代ならでは、その後の昭和ゴジラで超えるものは無い。ちなみに東宝の大プール(「ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐」のために建設以降の東宝作品でも使われた)もまだ完成してないので艦船の映像は実船(=海上自衛隊に貸与された米フリゲート艦、爆雷シーンは旧海軍の対潜訓練の映像と言われている)、ゴジラの芝浦上陸は小プール。照明も最初からモノクロのコントラストを意識したトップからのライティングが映える。ちなみにゴジラ上陸時の機関銃は本物らしい(当時はまだモデルガンが無かった)
と言うことはあのシーンに出ているのは当時結成されて間もない自衛隊員が撃っていると言うことになる、実際空砲用のアタッチメントが取り付けられている。また、芝浦上陸を待ち受ける大砲もまた本物の映像(空砲)を使用したとのことで模型では表現できない砲身の輝きが凄みを増している。
今見ても文句なく面白いしリアルすぎて怖い。ゴジラ-1.0を見た後に観ると各所にオマージュを感じられると共にVFXのあのシーンを特撮のリアル映像で撮影した凄さを改めて実感する。そして、ゴジラと対峙する自衛隊はこの作品が出来た年に正式に結成された、自衛隊が撮影に協力した始めての映画である(広報活動として防衛庁が映画に全面協力したのは「ゴジラVSビオランテ」が公開日としては初・1990年公開東映「ベストガイ」に次いで2作目平成ガメラシリーズより先)。
余談だが、この初代ゴジラはオキシジェンデストロイヤーで唯一消滅している、その後の昭和ゴジラは全て2代目(子供から大きくなったのを三代目とする意見もあるが基本的には全て二代目)、着ぐるみ(スーツ)としては何度も作り変えられたが顔は全て異なっている。兎にも角にもこのゴジラがいなければその後のゴジラはいなかった訳で問答無用にNO.1だ。
以下、個人的なゴジラランキング↓(全作品5回以上見た上で、今後他のゴジラシリーズもレビュー予定、ランキングは変わるかもしれません)
1『ゴジラ(1954)』
2『ゴジラ-1.0』
2『シン・ゴジラ』
4『ゴジラVSデストロイア』
5『ゴジラVSビオランテ』
6『ゴジラVSキングギドラ』
7『ゴジラVSスペースゴジラ』
8『ゴジラVSメカゴジラ』
9『ゴジラモスラキングギドラ大怪獣総攻撃』
10『ゴジラ2000ミレニアム』
11『三大怪獣地球最大の決戦』
12『モスラ対ゴジラ』
13『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ東京SOS』
14『怪獣大戦争』
14『ゴジラ×メカゴジラ』
14『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
17『キングコング対ゴジラ』
18『ゴジラ対ヘドラ』
19『ゴジラVSモスラ』
20『ゴジラ(1984)』
21『ゴジラFINAL WARS』
22『怪獣総進撃』
23『ゴジラ×メガギラスG消滅作戦』
24『GODZILLA ゴジラ(2014)』
25『ゴジラの息子』
26『ゴジラ対メカゴジラ』
27『ゴジラの逆襲』
28『ゴジラvsコング』
29『ゴジラ対ガイガン』
30『メカゴジラの逆襲』
31『ゴジラ・エビラ・モスラ南海の大決闘』
32『GODZILLA (1998)』
33『GODZILLA 星を喰う者』
34『GODZILLA 決戦機動増殖都市』
35『GODZILLA 怪獣惑星』
36『ゴジラ対メガロ』
37『ゴジラミニラガバラオール怪獣大進撃』
70年前・・・ここから伝説は始まった。
昨日「ゴジラ-0.1/C」を見たら、無性にこの作品が見たくなりました。
ありのままの姿を、白黒で残さざるをえなかった時代の作品 。やっぱりリアル感が全然違う。
精巧なミニチュアが、チープに見えないこともないが、そこに実際にあるものとして、やはり存在感がヒシヒシと伝わってくる。
東京の大火災の中で、浮かび上がるゴジラのシルエットがヤバイ。まさに恐怖の象徴 。
白黒画面がドキュメンタリーフィルムのように真実味を突きつけてくる。
口から吐き出す放射能にしても、今時のゴジラみたいな派手さはない。着ぐるみ感がハンパないのも時代だから仕方ない。
とにかく、当時の最高技術を費やして出来た作品として、重みを感じます 。
やっぱり大人が見ても十分に見ごたえのある一本です。
今でも使用される音楽も、ホンッと素晴らしい。まさに、ゴジラと言えばこれ。
最後に、菅井きんさん若い!オバさんになってからのイメージしかなかったので、ビックリしました。
【ネタバレ含む】
当時のことは解らないけど、「ゴジラ」ってどんな宣伝したんだろう?
大戸島で、あの姿が出た時は、ホンッと驚いただろうね。見たこともない未知の生物が登場したわけだから。
そして、恐怖のドン底に堕ちていくわけだけど、やはりゴジラが最期を迎えないとこの怖さは拭えないわけで。
結局、未知の生物を倒すには、未知の科学ということで、オキシジェン・デストロイヤーを出すしかなかった。ゴジラシリーズの中で明確に最期が映し出されるのはこの作品だけじゃないかな。
その最期を見せておきながら、この一匹だけとは思えないと言って、恐怖を煽るラスト。
やっぱり「ゴジラ」は、大人の鑑賞に耐えうる恐怖に震える一本です。
第一作
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ゴジラが登場して東京を目茶苦茶にする。
そんな時、ある科学者が水中の酸素を全部飛ばすという発明をする。
そして何故かその水は生物を溶かすという設定w
それを使うといずれ戦争に使われると拒否した科学者だったが、
最後は説得され使用するも、配合などの書類は全部焼き自らも自殺。
こうしてゴジラは溶かされた。
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へえ、ゴジラって全部同じ人(?)と思ってたけどちゃうんやな。
今回のゴジラは溶かされたんで、第二作以降は別の個体ってことなのね?
じゃ、科学者は完全に無駄死にだったってこと?(場)
白黒映画やし、ハリボテみたいな感じなんかと思っていたら、
白黒で分かりにくいのが良い方に働いたのもあって、
そんなに違和感なく見ることが出来た。
ゴジラが出て来たのは水爆実験を人間がやるからで、
しかも科学者が発明を戦争に使われないよう自殺するなど、
平和的なメッセージの強い映画やってんな。
大ヒットで当時国民の10人に1人が見たのだとか。
宝田明は全然分からんかったが、菅井きんはすぐ分かったw
兵器開発を通して描かれる人間の弱さ
◯記念すべきゴジラ第一作
◯兵器開発を通して描かれる人間の弱さ
水爆実験を繰り返した結果、ゴジラを
生み出してしまい悲惨な状態に
陥るも、その状況を打開するために
更なる兵器に頼るしかないという
人間の弱さをテーマにした作品。
芹沢博士は身を挺して研究を封印し、
それに抗おうとする。
◯見応えある破壊シーン
円谷英二が特技監督を務めているため、
当時の最新技術が詰め込まれている。
ゴジラの破壊の迫力が伝わってくる。
これだけでも見る価値有り。
◯人間ドラマに行きすぎない
ラブロマンス等のエモ要素は控えめで
特撮要素の邪魔にならないような
バランスになっている。
◯モノクロが映えるホラー要素
ゴジラが海から上がってくるシーン等、
モノクロがいい雰囲気を出すシーンが
多数あり。不気味な音楽も相まって
ホラーとしても見れる。
◯戦後当時の街並み・服装・文化
セリフなどにもまだ戦争の影響が
感じられる中で、当時の街並みや
服装など歴史的資料として面白い。
◯初代ゴジラ
不気味な顔と焼け爛れたような表皮が
特徴的な。霧状の白熱光を放つ。
まさに異形の生物。
◯芹沢博士
兵器開発で葛藤し、再利用されないよう
ゴジラと運命を共にする。
◯オキシジェンデストロイヤー
水中の酸素を破壊して白骨化させる
ゴジラをも葬り去る超兵器。
△昭和の技術
シーンのカットがぶつ切りになっている
箇所が複数ある。そもそも戦後の
モノクロ映画なので現代の映画に
慣れすぎている人は気になるかも。
傑作であり、唯一の"反"怪獣作品!
20前後?ぐらいの若輩時に見た今作「ゴジラ」の記憶と、オヤジ世代になって再視聴した印象は全く違っていた。
それは映画としても傑作であるが、唯一の "反" 怪獣映画 であることを認識したから・・。
ゴジラそのものをもっとリアルに描いた作品は他にもあると思うが、そのゴジラに対する "人々の反応" を一番リアルに描いたのは本作と思う。
ゴジラの特徴の一つである熱線の放射。
ほとんどのゴジラ作品でその熱線は、建物や戦車・飛行機等に向けられている。
が、この第1作のワンシーンは明らかに逃げ遅れた人々に向けられ、炎で包んでしまう・・。
体が燃えるようなリアルな描写はないが、残忍なシーンだ・・。
ゴジラが町を侵攻して行くなか、母親と3人の子が逃げ遅れて壁際にへたり込んでいる。、
恐ろしい怪物の姿を子に見せぬよう、子の顔を自分の体にうずめる様に抱きかかえながら、なす術もなく座り込んでいる・・。
そして子供に恐怖与えないために、諭す様に言う言葉は・・。
「もうすぐ、お父ちゃんの所へ行くのよ・・。」
夫に先立たれたのか、この母親はそれまで必死に子を育てたきたはず、それが "ゴジラという災い" を前に、風前の灯火と化している。
こんな無慈悲に感じる切ないシーンが、怪獣映画にあっていいのだろうか・・。
そのゴジラの容赦ない破壊に、博士と同居していた青年は涙ながらにつぶやく・・。 「畜生~・・。 畜生~・・・。」
我が町が ”ゴジラという災難" で消滅していくのが悔しくてたまらないのである・・。
ゴジラが暴れた翌朝、町はまるで空襲にあったかのようにガレキと化していた。 (おそらく東京空襲など実際に戦争を体験した当時の人にとっては、見るに堪えがたいシーンだったかもしれない。)
そして町の病院は負傷者でごった返し、通路まで包帯を巻かれ横たわった人があふれている・・。
そのシーンはもう怪獣映画の領域をはるかにこえて、
戦争映画かニュース映像のようなリアルな描写だ・。
そして一人の母親が無言の顔に布をかぶせられ、担架で運ばれていく・・。「お母ちゃ~ん」と女の子が泣き叫ぶ・・。。
思わず目が潤んでしまった・・・。
戦争映画にもアクションシーンを売り物にした、"戦争アクション"というジャンルと、その悲惨な戦闘シーンとともに、こんな事は二度とあってはならないという、メッセージを含む、"反戦映画"という対立するジャンルがある。
そう、この第1作目の「ゴジラ」は "反" 怪獣映画である。
空想映画ながら、こんな悲惨な事はあってなならぬというメッセージが伝わる・・。
それをさらに如実に表すシーンが後半に・・。
学校や会社などで、亡くなった人への追悼と、平和が訪れますようにとの希望を込めて、"鎮魂歌" のようなものが、集団で歌われているシーンまで描写さえているのである・・。
おそらく当時には怪獣映画などというジャンルはなく、
現代で言えば ディザスタームービー(大惨事・災害などのパニック映画)として、観衆は驚きと恐怖を持って、この作品を見たと思う。
だから世界的に大ヒットした。
当時子供が見ても、ただ楽しいと感じる様な"怪獣映画" であったなら、これほどの評価はされなかっただろう。
「七人の侍」等でおなじみの名優、
志村喬さんをはじめ俳優陣のシリアスな演技も素晴らしい。 今で言うアイドル顔の出演者などは一人もいないところが緊張感を増し、よりリアルなものに仕上げている。
シナリオ、音楽、各シーンの描写力、俳優陣の演技、全て素晴らしい。
他のゴジラ作品を見ても 今作を未見の方は、是非ご視聴を♪
オキシジェンデストロイヤーなる毒ガスを使用する等もってのほかだ。
まだ、防衛庁が発足したばかりの頃なので、協賛は海上保安庁のようだ。従って、未確認生物に発砲する瞬間になんのためらいもない。GHQが1952年にサンフランシスコ講和条約によって廃止されたばかりなので、まだ、自衛隊に専守防衛の権限などないはずだ。従って、そのフラストレーションをゴジラにぶつけて、発砲しまくっているように見える。だから、オキシジェンデストロイヤーなる毒ガスを使用する等もってのほかだ。
水爆、放射能に対する警鐘はうなずけるが、やはり、台本がチープ過ぎる。
『○○獣の後始末』なる映画があったが、ゴジラの遺体は東京湾に放置されていることになり、しかもオキシジェンデストロイヤーに際して出来た副産物で、この一帯は死の海になるはずである。つまり『○○病』になる病が発生すると思うが。『綺麗な水が毒ではない』は間違いなのだ。海上保安庁が協賛するような映画なのだから、もう少し考えてもらいたい。怖い話だ。
これがゴジラだったんだ!
私は平成生まれで、ゴジラといえば子供の頃に親と見に行く定番映画だった。大怪獣バトルものの特撮映画というイメージで、内容はほとんど覚えていないけど、なんだかカッコ良いくらいの思い出だった。
初代のゴジラは名作だという話を前々から聞いていたので、ついに観てみた。そこには私の知るゴジラはいなかった。現実的な恐怖で人々や街を蹂躙する未知の怪物だった。
本作のテーマは兵器(主に水爆)に対する否定に感じられた。その一方で科学の発展に常につきまとう問題としてどう向き合うかを問われているようにも感じられた。
こんな作品が戦後9年くらいに放映されていたのには驚きしかない。逆にこれは人間が本気で復興すればなんとかなるという希望にもなった。
怪獣王よ、永遠なれ
ゴジラ・シリーズ第1作。
DVDで鑑賞。
原作(ゴジラ‐東京篇)は既読。
初めて観た時の衝撃は今でも忘れられない。大怪獣ゴジラの恐怖。芹沢博士の苦悩。戦争忌避と核廃絶への祈り。作品全体に漂う悲しみと怒りに、幼い私は圧倒されたのだった。
水爆実験と戦争への果てしない怒りから生まれた怪獣であるゴジラは、その存在自体が大きなテーマ性を持っていて、現代にも強く問い掛け続けているように思う。
自らの過ちが生み出したものに手酷いしっぺ返しを喰らう。科学技術の発展を否定するわけでは決してないが、それが孕むリスクについては常に考えるべきであろう。
芹沢博士のように、偶然であれ、自らつくり出したものが齎す結果を理解し、責任を取ることの出来る強い覚悟を持つことがいちばん大切ではないかと感じた。
「ゴジラは、今なお我々の上に覆い被さっている水爆そのものではありませんか」。現代の諸問題に置き換えてみても、示唆に富んでいて、強いメッセージが内包されているセリフだ。
時代が移り変わっても色褪せることの無いテーマを扱う本作は、未来永劫語り継がれ、そして愛されて欲しい。しかし、色褪せないと云うのも、とてつもない問題のような気もする。
[追記(2019/06/02)]
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」鑑賞後の興奮冷めやらぬ中、もう一度このタイミングで本作を観なければならないと云う心境に駆られた。本作から65年の間連綿と語り続けられて来たメッセージ(人類の愚かさ、自然への敬意、文明への批判)は同作でも継承されていて嬉しく思った。
その先駆となった本作の魅力はやはり色褪せること無く、胸に響いて来た。ゴジラが内包する様様な要素は、人類が生きていく上で向き合っていかなければならない問題ばかりである。そんな深みのあるキャラクターだからこそ、今尚世界中で愛されるアイコンとなり得ているのかもしれない。
[追記(2022/03/18)]
宝田明さんがお亡くなりになられた。
宝田さんを偲び、本作を鑑賞した。
心よりご冥福をお祈り致します。
[以降の鑑賞記録]
2001~2013:DVDで幾度も鑑賞
2014/06/07:TOHOシネマズ伊丹(60周年記念デジタルリマスター版)
2017/11/03:TOHOシネマズ新宿(60周年記念デジタルリマスター版)
2019/01/18:Blu-ray
2019/06/02:Blu-ray
2019/10/05:Amazon Prime Video
2019/11/04:Blu-ray
2020/05/02:WOWOWシネマ(60周年記念デジタルリマスター版)
2020/12/13:Blu-ray
2021/06/13:Blu-ray
2021/09/12:Netflix
2021/12/12:ゴジラ寄席(60周年記念デジタルリマスター版)
2022/01/01:日本映画専門チャンネル(4Kリマスター)
2022/03/18:Blu-ray
2023/10/25:Ultra HD Blu-ray(4Kリマスター)
2024/11/02:Ultra HD Blu-ray(4Kリマスター)
2024/11/10:TOHOシネマズ梅田(TC PREMIUM THEATER,4K)
※修正(2024/11/02)
思い上がりの始まり
白黒だし、古い映画だから仕方ないが音声が悪いのが気になりましたし、その上たいして面白くなくつまらなかったです。
日本の怪獣映画より欧米の怪獣(モンスター・パニック)映画の方が面白い所以ですか。当時はどっちも大したことないけど、70~90年代で逆転されます。
見所は最初の題名(と鳴き声が被るところ)とゴジラが暴れる所だけですか。予算がないから姿を中盤まで見せないのは冗長で退屈です。作り話とはいえゴジラが悪役であり後の作品みたいに人間の味方にならないのも重要です。町を壊し、大勢の被害を出した憎むべき悪役にそこまで同情するのはおかしいでしょう。
男女(尾形秀人と山根恵美子、芹沢大助)の三角関係で科学者の男・芹沢大助が自殺するだけだし、ゴジラという怪獣がいなくても話が成立しますよね。
大戸島他でゴジラの被害が出ているのに、山田新吉少年などの被害者の恨みを無視して芹沢大助の分身か知りませんが悪のゴジラに同情するのは納得いきません。ガメラ3みたいな決着のつけ方は無理でしょうが。オキシジェン・デストロイヤーの悪用どうこう言った所で「VSデストロイア」まで出てきませんしね。
人間側がマゾ的で一方的にやられる感じも嫌なものです。次回作「ゴジラの逆襲」は、そうはなっていませんが。
シリーズ化で結局、特撮(SFX・VFX)の見せ場を見せるのではなく、キャラばかりの方に行ってしまいますから。
幼稚でも後の怪獣対決ものの方がまだ好きです。
それにゴジラ、描写がないだけで漁船を襲うから魚も食べてるし、伝説では人食いの設定がありましたよね。
日本にしか作れない大怪獣
まず、戦後10年足らずでこのクオリティーの映画を作ってしまうんだから驚き!外国から見ると日本の底力の方がゴジラよりよっぽど、それこそ怪獣の如く映ったんじゃないかな。
それはともかく、このゴジラ、内容もただの怪獣映画とは一味違う。勿論普通の怪獣映画として見ても申し分の無い面白さ。怪獣の恐怖、人々の葛藤、スケールのでかさ、物凄い威力を誇る秘密兵器…必要な要素はほぼ揃っている。というかこの映画が特撮怪獣映画のお手本と言っても過言じゃない。
そしてこの映画は大迫力怪獣映画と見せかけて、実はもうひとつ違う面を持っている。それは戦争映画というジャンルだ。
ゴジラは元々古代生物の生き残りだという。静かに海底に暮らしていたが、人類の度重なる水爆などの実験により怪獣と化し、さらには住みかも失い、人類が住んでる陸にやってきたということだ。
結局最後は科学者が発明した超強力秘密兵器によって死んでしまうのだが…
アメリカやヨーロッパが聞いたら目を反らしそうな内容だ。しかもまだ日も浅い1954年に…でかした東宝!
何故戦争映画なのって理由をまだしてないじゃないかって?やだなーもうしましたよー。上に書いたとおりですよー。
ゴジラが住みかを奪われた悲しさをヨーロッパの人はどう感じるのか。
ゴジラの最後の断末魔がアメリカの人にはどのように聞こえるのか。
この映画を見て日本人なら何を思うだろうか…
この映画を見れて良かった。やっぱりゴジラは日本にしか作れない。これを外国が作るということは、砂漠で南極物語を撮影するようなもんだ。
間違いなく日本の映画の最高峰の一つ。
古いのだから、多少は
目をつぶる。
戦後にあの内容である。
少々の練れてないキャラクターが居るのは仕方ない。
ゴジラが街を壊し、被災者が泣き崩れる
だけでも、雰囲気が出てる。
ラストはやはり悲しい気分になるが、インパクトは大きい。
後から作った作品がこれを越えられないのが一番残念な所。
映像的に越えるのは当たり前で、誉め言葉が「凄い」「綺麗」「リアル」とかしか取り柄のない作品ではいつまでもこの『ゴジラ』が名作と言われ続けるのだろう。
怪獣映画の金字塔「ゴジラ」第一作目
やはり今観ると全体的に古臭く、特撮のチープ感は否めないです。それでも白黒の画面と相まって、全体的に不気味な雰囲気が良く出ています。きっと当時の人が見たら衝撃だった事でしょう。
三葉虫は古生代に絶滅したのに中生代ジュラ紀の生き残りのゴジラに何故くっ付いてたの?とか、ゴジラさんどう見ても肺呼吸のはずなのに海に潜ってる時間長すぎじゃない?とか、ツッコみたくなる箇所は多々あるものの、そういった粗を補うような不気味な雰囲気。戦後9年目というまだ人々の記憶に戦争が残っている時代に作られたからこそ、妙なリアルさが出ているのではないでしょうか?
例えばタワーから死を賭して実況を続けるリポーターには何となく特攻隊に通じる精神を感じました。当時は今よりそういった精神が美化されていたのでしょう。ま、正直逃げろよとは思いますが。
作品としての面白さ云々より時代考証の資料として価値のある作品ではないでしょうか?
そういえば志村喬さんって同じ年に公開された「七人の侍」にも出てらっしゃるんですね。その後何十年も語り継がれる映画のどっちにも出演しているってスゴイ!!
怪獣パニックではなく深い悲劇
パニック映画ではあるのですが、生まれたくて生まれたわけではない、勝手な理由で殺されるゴジラと、人類のために自分の命をかけて汚れ役を買った男の話とも観れました。
もしかしたら家族を作ってのんびり暮らした一匹の爬虫類だったのかもしれない。もしかしたら失意を受けるも、研究で世間から評される1人の科学者に成れたのかもしれない。
一匹と一人の死後、人類の脅威が倒され喜ぶ人々は何を知っているのだろうか。個人的には悲しい話だなあと感じました。
初代
映画ファン必見の初代ゴジラ。
水爆反対のテーマもきっちりできていて当時としては迫力があったと思います!
ゴジラも恐怖の象徴として描かれるとおり歩いた跡には火の海になっていて、多くの住民が死んでしまいました。
特に私が気に入ったのは芹沢博士です。
彼の気持ちはよく理解できます。
彼の最期はとても悲しかったです。
白黒は大丈夫かと心配してましたが気にせず観れました。
是非ともオススメします!
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