劇場公開日 1983年3月12日

「「AKIRA」の革新は、いきなり突然変異的に起こったものではないのです 本作は、プレアキラと言うべき作品だったのです」幻魔大戦 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「AKIRA」の革新は、いきなり突然変異的に起こったものではないのです 本作は、プレアキラと言うべき作品だったのです

2021年2月12日
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鑑賞方法:DVD/BD

ハッキリ言ってつまりません
まともに内容を理解するのは生産的ではありません
新興宗教とか胡散臭い自己啓発セミナーに参加させられているように思えてくるでしょう
だって原作自体がそうなのですから仕方ありません

原作者は平井和正
SF作家の戦後の第一世代の古株です
黎明期のテレビSFアニメ「エイトマン」の原作や脚本は彼の仕事です
1960年代から1970年代の前半までは素晴らしい傑作SF小説を幾つも発表しておりファンも多かったものでした
しかし1970年代半ばから、神ががった宗教的な内容に傾斜しはじめてしまったのです
まともなSF読者は離れていったのですが、この路線は不思議なことに人気を集め、幻魔大戦の原作小説は1979年から本作前年の1983年までの間に角川だけで20巻も文庫本が発行されています
他にも徳間から似たような作品も何巻も発行されたのです
新宗教とかそんなものに火を点けた作品であったのかも知れません

ハルマドゲンという言葉はオウム真理教事件以前に本作で一般的になったのです

ならば観る価値は無い?
そんなことは有りません
アニメファンであるならば観ておくべき作品です

本作がなければ、アキラも攻殻機動隊もエヴァンゲリオンも誕生しなかったかも知れないのですから
重要な歴史的価値があると思います

白蛇伝、西遊記、アラビアンナイト・シンドバッドの冒険といった日本アニメの黎明期から、銀河鉄道999などを撮ってきた日本アニメ界の伝説の人、
つまり日本アニメの背骨の中心的人物と言うべき人物
そのりんたろうが監督を務めたのです

そして、その彼の指名で原画を大友克洋が担当したのです
当時、大友克洋は一部で注目を集めていただけの存在から、1981年の「気分はもう戦争」、1983年の「AKIRA 」で遂にブレイクしたばかり
彼の絵をアニメに引きずり出した
それだけでも日本アニメ界に及ぼした影響は計り知れない巨大なものです

ストーリーはともかく、作画と演出に集中してご覧頂きたいと思います
いかに後の日本アニメ界にどれほど巨大なインパクトを与えていたのか、その証拠を山のように発見できると思います
そこに本作を観る価値と意義があります

角川のアニメ進出の第一号であることも、アニメビジネスにとりエポックメーキングなことです

音楽もプログレッシブロックのシンセサイザー奏者として伝説の巨匠であったキース・エマーソンを起用したことも、考えてみれば現代のロックバンドのアニソンの源流であったのです

「AKIRA」の革新は、いきなり突然変異的に起こったものではないのです
本作は、プレアキラと言うべき作品だったのです
そこは正しく評価されなければなりません

あき240