「肉体的な愛/精神的な愛」月曜日のユカ imymayさんの映画レビュー(感想・評価)
肉体的な愛/精神的な愛
ユカは男を悦ばせることが自分の喜びで、誰にでも身体を許すけど、キスだけは許さない。それは、小さい頃、娼婦的な母が米兵(?)とキスしてるのを見てしまった時に、牧師がキスはだめだ!ってユカに教えるからなのだけれど、そもそも姦淫もだめだよ、と思ってしまう、ユカは教会に祈りにも行くし、家にもマリア様を置いてるのだけれど、キリスト教の教えとはちがう生き方をしている。ユカの認識では男と寝ることは罪じゃないのかもしれない。教育の大事さと危うさを感じた。
ユカはなにか困ることが起こると、娼婦上がりの母に相談するのだけれど、やっぱりその母のアドバイスは、とにかく相手に尽くすのよ、とか一見の人でも心をこめて愛するの、とか、やっぱり娼婦的で、ズレている。(娘のユカもやっぱりズレてて、パパさんとのデートのときに、自分のお母さんも連れて行っちゃったりする。しかも喜んでくれると思ってる。)肉体的な愛のことばかりで、精神的な愛のことは母は教えてはくれない。だからこそ、ユカの身体も心も愛してくれる修と、うまく通じ合えなくて、修はそのまま死んでしまう。ユカには修の、他の人と寝てほしくないという気持ちがあまりわからない。
・パトロンのパパ=肉体的な愛
(ユカのことを心配してくれてる場面もあるけど)
・元恋人の手品師=精神的な愛
(ほんとうに好きな人には、わたしと寝て、
なんて言っちゃだめってユカに言う)
・恋人の修=肉体的な愛+精神的な愛
パトロンのパパはお金、ビジネスの側面も。
ユカに生活費やお小遣いを渡す。
取引先との交渉により、その相手と寝てくれとユカに頼む。ユカも承諾するが、10万円を条件にする。
開始から1時間くらいのところでホテルニューグランドのロビーと玄関が映る。今はないしましまのテントがかわいくて感動し、ロビーの内装がほとんど変わらないことにも感動した。1964年の横浜の街の風景が見れるのも物語と同じくらい魅力的。
最後のダンスシーン、とってもヌーヴェルヴァーグを感じると思ったら、ゴダールがこの映画に影響を受けているそう、びっくり。すごく実験的な映像ですきだなあと思った。そしてなにより、加賀まりこがとてもかわいい、少女感と、コケティッシュと。