軍旗はためく下にのレビュー・感想・評価
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日本人として観ておきたい。
自分の旦那がどうやって死んだのか。
戦死した夫の死の真相を知るべく、一人の女性が当時のことを知る生き残りの男たちを訪ねる。
男達は、終戦間近の頃どうやって生き延びていたかを語る。その内容は生々しく、観ていて怖くなった。
怖いから観たくない、けれど、観ないといけないことだと思った。これが現実にあったことなのだから。
武器がなく竹槍で戦っていたことや、食料がなく餓死していたこと、何のために戦っているのか分からないような状況下でただただ生き延びるために耐える。
辛いなんてもんじゃない、残酷な日々。
ゴミダメで暮らす人は、夫はいいひとだったという。
ふたりめは目が見えなく覚えていないと言う。ただ、人の焼かれる臭いが空腹でよだれがでるのを覚えている、と。
3人目は芸人。
洞窟から肉を持ってくる人。
野豚といい、本当は人の尻の肉だったという。
4人目は先生
飛行機の音が私たちには何のこともないただのうるさい音に聞こえるけど、戦争を経験した人たちにとっては恐ろしいものなのだろう。
最後はおじいさん。
遠巻きに摂るカットが良い。
最近のドラマだと被写体の近くでカメラを構えて撮るけど、こうやって遠くから撮るほうが自然で良い。
花だったり、子供だったり、平和なものを手前に引っ掛けながら戦争の話をする。
そういう話を聞いていて、戦うシーンではないのだけど
すごく残酷に感じたし、戦うために向かった兵士たちが飢餓と戦っていたこと。そういう誰も語りたくない、汚い、みっともない真実をこの映画から学んだ。そうやって死んでいた人たちがいたことを知るべきだと思った。
最後に白ごはんを食べるシーンは涙が出た。
そして日本はどっちですか?とその方向を見て死ぬ。
はじめの天皇陛下の献花にもすごく意味を感じた。
その献花されない人の中に、こうやって日本に頭を向け死んでいった人がいると思うと、やるせない。
とても観るのがしんどいけど、これが戦争なのだと思う。だから、日本人として観ておきたい作品だと思った。
「天皇陛下万歳」ではなく、抗議するような叫び方でした……。 生き残...
「天皇陛下万歳」ではなく、抗議するような叫び方でした……。
生き残りの復員兵の言葉が妙に余韻が残った。彼らに、菊を手向けることはできないのかな。
ゆきゆきて神軍と並んで紹介されることは多いが、また違う強烈な面白さがありました。
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