劇場公開日 1968年2月17日

「遂に「黒部の太陽」を見た!」黒部の太陽 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0遂に「黒部の太陽」を見た!

2012年8月3日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

“裕次郎の夢〜全国縦断チャリティー”と題して、あの「黒部の太陽」が上映。
ご存知の通り「黒部の太陽」は、DVDどころかビデオ化もされておらず、石原裕次郎生誕○周年とか没後○周年でしか上映されない幻の作品。
映画ファンとしては見たくてもなかなか見れず、しかもノーカットで上映されるのだから、これは絶対見るしかない!と思い、電車に乗って隣町の映画館まで観に行って来た。

3時間強、ズッシリとした重量感と見応えの力作。
落盤シーンなどほとんどが生身で、撮影中死傷者も出たという。
この映画を作ろうとする姿勢が劇中の工事と被り、その記録映像のような本気度は凄まじく、「劇場の大画面で見て欲しい」という石原裕次郎の意志も納得。

冒頭、“戦争の焼け跡から復興した人々の記録”とのスーパーが出るが、それは東日本大震災から復興する現代人へ掛ける言葉に他ならない。

工事責任者として一人の父親として苦悩する姿を、三船敏郎が力演。
トンネル屋の父と確執・対立する図面屋の息子を石原裕次郎が熱演。
工事中基盤が軋み、まるで不気味な怪物の鳴き声のよう。それでも、難航する一大工事にたくましく挑む、多くの人々の群像劇でもある。

昔はこういう力作があった…とは言わない。
全国縦断上映なので、もし、住んでる町や近くの町で上映されるのなら、是非見て欲しい。
こんな機会は滅多に無いのだから!

(印象の“幸せ”は、見れて良かった!という意味で)

近大
ryuu topiannさんのコメント
2012年10月22日

近大さん

本日、私もやっと、あなたの薦められていた幻の映画『黒部の太陽』2時間半かけて
他県の上映館まで行って観て来ましたが、その甲斐は充分に有りました!
熊井啓監督作品がすきなので、、今では観る機会の無い作品のレビューを寄せられた
あなたに、本当にありがとうございました!と感謝を伝えたい気持ちで一杯です。
あなたのレビューを読んでいなかったら、この上映ツアーが行われている事に
気が付きませんでしたから、本当にありがとうございました!
CGなど無いあの時代にこれだけ迫力のある撮影をされている作品の素晴らしさに
感動し、ついつい観ていて力が入り過ぎてしまいました!

ryuu topiann