「奇怪で妖艶なムードに酔う」黒蜥蜴(1968) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
奇怪で妖艶なムードに酔う
監督・深作欣二×戯曲・三島由紀夫×主演・美輪明宏という、何だかスゴい面子。
江戸川乱歩原作の明智小五郎ミステリー。1968年の作品。
美輪明宏が名探偵を演じるのではなく…
美輪明宏演じる美しいものを狙う怪盗“黒蜥蜴”と明智小五郎の攻防。
ハッキリ言ってミステリーとしての見応えは弱いが、それでも本作がそれなりに楽しめる理由がある。
妖しさとほんのりエロティズムの奇怪なムード。
明智先生にはご免なさいだが、僕の好きな金田一耕助作品にもこういう退廃的な都会ミステリーがあり、何か惹かれるものを感じてしまうのだ。
三島由紀夫が美輪明宏の為に書き改めただけあって、全編美輪の土壇場!
妖艶な美貌、華麗なる女装、自分を追う明智への恋愛感情をも楽しみ、インパクト抜群。
尚、“黒蜥蜴”は女性という設定。念のため。
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