劇場公開日 1968年8月14日

「一流のスタッフが揃ったはずだったのに…」黒蜥蜴(1968) KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0 一流のスタッフが揃ったはずだったのに…

2025年11月28日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

江戸川乱歩原作、三島由紀夫戯曲、
深作欣二監督・脚本、という面白くなって
当たり前のスタッフながら、何故か
キネマ旬報ベストテンでは
全く評価されていない作品だったので、
恐る恐る初鑑賞した。
しかし、この雑誌の評価通りの鑑賞に。

木村功の明智小五郎役も含め、
ミスキャストだらけの印象ではあるが、
そんな事を差し引いても、
そもそもが、演じる俳優陣も辛いものが
あったのではないかと想像するくらい、
全くの素人劇だった。

江戸川乱歩といえば、
幻想的な怪奇世界が魅力的なのだが、
そんな要素の一掴みさえも感じさせない
この作品はどうしたことだろうか。
一流のスタッフが揃ったはずだったのに、
と言うよりも、いい大人が揃って、
何をどうしたら、
こんな三流映画を作れるのか、
大いなる疑問が残る鑑賞となってしまった。

いずれにしても、江戸川乱歩物は、
彼のオドロオドロしたデフォルメ性
からしても、かつて妻が鑑賞した、
やはり美輪明宏主演の、せめて舞台で
観るべき作品ではなかったろうか。

KENZO一級建築士事務所