劇場公開日 1960年3月13日

「報連相していれば。」黒い画集 あるサラリーマンの証言 やべっちさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5報連相していれば。

2020年5月30日
iPhoneアプリから投稿

「白と黒」では、渋い名検事役だったが、小林さん、今回はなんとも情けない小市民的サラリーマンの役。

構成自体は割と単純で、あるサラリーマンの証言が事件に大きく関わるのだが、その証言をするかしないかでひっちゃかめっちゃかになっていくみたいな話。

ただ、いかにも松本清張らしいというか、結末は単純に終わらず、気分が悪い。(褒めている。

サラリーマンともなれば、問題があればすぐ報連相すべきで、時間がたつほど問題は大きくなることは自明の真理であり、これが起こす問題性という意味では、働く社会人には響く内容でもあろう。

時代背景も面白く、1960年代の東京が見られるのだが、主役であるサラリーマン課長の1日が興味深い。
終業後に、居酒屋行ってパチンコ行ってその後映画みても、まだ18時くらいだったり、終業後に行くパチンコ屋が14時半頃だったり(更にその前に居酒屋行ってる)、一体当時は毎日何時から何時まで働いているのが普通だったのだろうか。羨ましい。

まあ、ここまで簡単な構成で、最後の最後まで魅せてくるのは見事、時間も短いし面白いのでオススメです。

やべっち
あっちさんさんのコメント
2023年1月7日

土曜日の終業後だからですよ。いまは土日が休みですが、当時は土曜は正午まで仕事が当たり前でした。学校もそうでした。いまよりも就業時間は長かったのです。
あっ、わたしはこの映画制作時はまだ生まれていませんでしたが…。

あっちさん