「上等じゃねぇよ!やってやろうじゃねぇよ!」狂い咲きサンダーロード しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
上等じゃねぇよ!やってやろうじゃねぇよ!
Blu-ray(オリジナルネガ・リマスター版)で鑑賞。
バイク、ロック、バイオレンス、ベンジェンスに彩られた、日本映画界に狂い咲く一輪の徒花。石井岳龍(聰亙)監督の鮮烈なデビュー作であり、キネマ旬報ベスト・テンにランクインする快挙を成し遂げたインディペンデント邦画の名作。
学生の卒業制作とは思えない完成度に目を見張りました。と云うか、学生映画に対して粗探ししても無意味である気がしました。予算が無いなりの工夫を凝らして映画をつくっていることへ、その涙ぐましい努力に心からの拍手を送るのみ。
観る前の「マッドマックス」的世界観なイメージは当たらずとも遠からず。迎合への抵抗、枠に収まり切らない衝動は若者の反抗精神の昇華のようで気づけば心が熱くなっている。
右手・右足を切り落とされても漆黒のバトルスーツに身を包み、サンダーロードへ殴り込みを掛ける仁の姿は、反逆と復讐に燃えたぎる鬼神の如く画面から迫って来ました。
デスマッチ工場跡。バトルロイヤル広場。スーパー右翼本部など、登場する名称の数々のネーミング・センスが絶妙でクスリとさせられ、力が抜けそうになりました。
時折挟まれるユーモア(さりげなく入れ込む手腕も巧妙)と云うか、過剰な暴力の中にふとした滑稽さを織り交ぜたことで余計に凄惨な面が際立って来るようでした。
常識を「上等じゃねぇよ!やってやろうじゃねぇよ!」とぶっ壊しながら恐るべきテンションを保ち、ブレーキどうすんだよ状態で激走する爆走少年のような映画に魅せられた!
[余談1]
泉谷しげるが監修した楽曲たちが見事にハマって、世界観を補強しているように感じました。場面場面に相応し過ぎる曲が流れ、画面を巧みに盛り上げてくれているなぁ、と…
程良く力の抜けた歌声が荒んでいる彼らの生き様を物語っていました。なんだか上手く表現できない。自分の語彙力不足が腹立たしい限り。とにかく素晴らしい歌ばかりでした。
[余談2]
ヤク中喫煙少年を出す辺り只者じゃないと思いました。ヤクをキメるシーンはさすがにモザイク掛かってましたが(笑)。
地蔵菩薩🙏さんへ。
コメントありがとうございます。
返信遅くなりました。すみません(>_<) レビュー楽しみにしております!
TSUTAYAに無いとは…。さすがと言うか何と言うか(笑) 探してみます(笑)
syu-32🙇お疲れっす。
…このコメント書きたくて早く帰って来ました😁
…早々に、またまたパンフ引っ張りだし…公開時に梅田東映で、元.ヤンの悪友達(そん中の女は今もツルんでます😅)とワイワイ言いながら観たの懐かしんでます(併映「聖獣学園」by. 多岐川裕美)
…パンフに、石井監督2作目の「爆裂都市」に出演する戸井十月のレビュー『親を殺す鉄の馬』…バイクも乗る人によっては、暴走の手段に過ぎなくなる…はシビレる文面だ。
*本作は、いづれ(多分長ったらしい(笑))レビュー書きます。
…本作の、音楽にシビレたなら、泉谷しげる/ゴールデンベスト、80のバラッド。パンタ&HAL/マラッカ、1980Xの4枚をオススメしますが、多分TSUTAYAには、無いと思います😅