劇場公開日 1960年10月8日

「目を覚ませ!、人であれ!」アパートの鍵貸します 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0目を覚ませ!、人であれ!

2024年4月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

 君が荒んだ瞳で強がるのが とても痛い
 憎むことでいつまでも あいつに縛られないで
 ここにいるよ 愛はまだ
 ここにいるよ うつむかないで
 空と君との間には 今日も 冷たい雨が降る
 君が笑ってくれるなら 僕は悪にでもなる
        中島みゆき 「空と君とのあいだに」

 やっぱり思うんです。古い映画の、違うなーと思う場面と、変わんないなーと思う場面。実は、違うなーの場面は、今の時代が、それだけ改善したってことだと思います。で、変わんないなーの場面は、先代からの宿題が、未だに解決していない。むしろ、悪化していたり。
 離婚を撒き餌にする、恋する殿方が不変なのは、自分のDNAをバラ撒きたがる本能。今後も変わらんでしょう。一方で、簡単に手に入るもの欲しくない、興味ない。その代わり、マスカラが使えない恋に恋い焦がれ、身を焦がす。男と女の間には、今日も冷たい雨が降る。誰もが、みゆき姐さんや、瀬戸内寂聴さん並みの生き仏になれるわけじゃないからね。悟りを拓く前に、目を覚まし、人でありましょう。間違えていいんです。迷い続けていいんです。口先だけの愛は不要。目の前の人を、ちゃんと大切にできるなら。
 それにさ、格好いいじゃないですか。好きな人のために泥被るって。好きなヒトの前では、格好つけなくちゃ。報われぬ恋だとしても、見栄を切る切なさ。それが自分を救うことだってある…かも。
 観たことないですけど、確か「イエスマン」って映画。人生の選択で、ひたすらイエスと答え続けたら、こうなりました、みたいなお話。どんな結末か知りませんが、アパートの鍵貸したら、何か変わるかもね。ヒトはあまねく、結末の知れぬストーリーの真っ只中にいます。ひとりひとりが、主人公です。脇役には、なれません。次のアクション、始まってますよ。
 この前のクリスマスは、如何お過ごしでしたか?。次のクリスマスまで、まだ時間があります。この映画観てから、次のクリスマスを迎えてみては如何?。きっと、何かが…。
 私のアパートの鍵、貸しませんけど。

機動戦士・チャングム