「京都、奈良の寺社仏閣巡りがお好きな方なら、観て良かったと実感なされることと思います」空海 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
京都、奈良の寺社仏閣巡りがお好きな方なら、観て良かったと実感なされることと思います
空海 1984
真言宗の十八本山の若手僧侶で組織される全真言宗青年連盟による企画製作であり、しかも積極的に内容にまで関与されたようなので、映画としておもしろ可笑しくするために映画人の勝手な解釈による(舐めた)トンデモ要素は皆無ですから安心して鑑賞して頂けます
かといって無味乾燥で、面白くもなんともないかというと全然そうではありません
退屈で睡魔に襲われるなんてこともなく、どんどん引き込まれて、3時間もの長さの大作を見ることができます
京都、奈良の寺社仏閣巡りがお好きな方なら、観て良かったと実感なされることと思います
自分も生半可な知識を整理することができ理解を深めてくれました
見所は二つ
実物大の遣唐使船を使った撮影、中国大陸にロケしての撮影、
今ならVFX で済ませてしまうでしょうが、本作には実写ならではのVFX には無い説得力がありま
す
美術セット、衣装も良く考証がなされていると感じます
特に国際都市長安でのペルシャ人と思しき女性ダンサーの一団のシーンは必見です
綺麗に整備された奈良平城宮跡に行くと、そこにも実物大の遣唐使船が屋外展示してあります
キチンとした研究成果による再現だそうで、本作の撮影のものがどれだけ良くできたものかわかります
冒頭は平安京への遷都のシーンから始まります
天台宗と密教、空海と最澄の関係など仏教の理解だけでなく、何故平城京から平城宮へ遷都が行われたのかなども要領よく説明もなされ、古代史好きの方にも楽しく観て頂ける内容となっています
兎に角、奈良、京都を歩くと、ここも、あそこもいう具合に
どれだけスーパーマンなんだと思えるほど空海の足跡があります
本作を観ることでそれらの整理も自分の中でつけることができました
高野山や延暦寺にお参り、平城宮跡観光のご予定がお有りなら是非ともご覧下さい
考えてみれば、映画は曼荼羅とも言えるのかも知れません