悪魔の手毬唄(1977)のレビュー・感想・評価
全5件を表示
昭和映画のインパクト!石坂金田一第二弾。
相変わらずインパクトのある死体遺棄をする石坂金田一シリーズ第二弾です。一人目はあまりのシチュエーションに正直ちょっと笑ってしまいましたが、二人目は本気で不気味でした。
最初に殺された娘さん、正面から首を絞められた!?いやいや、普通抵抗するでしょ?って思ったのですが、犯人がわかると納得。あれは近所の友達のお母さんがいきなり殺しにきたって話だったんですね。普通友達のお母さんが殺しにくるとか想像もしないです。そりゃ、油断もするわな。
途中で犯人が「よし、わかった!」ので、里子さんが殺された時には「うっわー」となりました。これってもしかして・・・と思ってたら案の定。もう本当にドロドロしたストーリー展開です。よくこんな話考えつくなぁ、横溝正史。稀代の探偵を作り上げた作家だけあって、発想が常人離れしてますね!
インパクトのある画面作りと突飛まなストーリーで総じて楽しめたのですが、あのカナオくんの演技だけはかなり微妙でした。もうちょいどうにかならなかったのかなぁ。
.
自宅(CS放送)にて何度目かの再鑑賞。細部に至る迄、丁寧に撮った感が有り、シリーズ二作目にして、恐らく市川・金田一モノでの最高傑作だと思う。原作の雰囲気に合った遠景を多用した牧歌的な風景と対照的に凄惨な描写は実験的な作風と相俟って持ち味を十二分に発揮しており、監督の力量を再認識した。何と云っても黒バックで子供が毬を撞くシーンは鬼気迫る不気味さが滲み出ており、夢に出そう。描かれているトリックを含め、ほぼ忠実に映像化されているが、原作の持つフーダニットの要素も再現して欲しかった。75/100点。
・“青池歌名雄”の北公次は一人浮いていて難有りだが、名優揃いのキャストは見応え充分。中でも“磯川”警部の若山富三郎は自然で違和感無く、忘れ難い存在。
・鑑賞日:2012年3月19日(月)
よかった
話がこんがらがっていて、よく分からなかったけど、とんでもないヤリチン男のせいで若者が姉妹だらけの恐ろしい村だった。だからと言って猟奇殺人する必要があるようには思えなかった。
登場人物がみんな元気でエネルギッシュで、陰惨な事件が起きてもどこか明るくて楽しい感じがした。
悲恋
モテる男の周りは不穏になってしまうんですねぇ…。歌名雄もモテ要素をしっかり引き継いでいたということですな。
モテ男と対比して一途な磯川警部の片想いぶりが微笑ましいです(^^)。リカの呼びかけに即座に反応する仕草がめちゃくちゃ上手い。
動機は理解できるようなできないような…。ふざけた夫を殺すのはともかく、娘の同級生達ですよ?娘が痣で不憫だからといっても仲良くしてくれていたようですし。イジメにあっていたという設定なら立派な動機になりますね。それと彼女らと結婚できない理由は歌名雄にまずは告白してみる方が簡単かと…。
放庵は手紙が書けないほど手が弱っているのだから、単独での犯行は不可能だということを、疑われた時点で金田一が指摘しても良さそうなものです。
「そうじゃ」!って最後はオマージュではなく、余韻を搔き消すダジャレ?(^◇^;)
深い愛が生み出した惨劇
金田一耕助シリーズ(石坂浩二版)第2作。
DVDで3回目の鑑賞。
原作は既読です。
シリーズでいちばん好きな作品です。前作のような絢爛さは無いものの、事件の発端となる相関図や愛憎の交錯する濃密な人間関係が、寒々とした山村の風景と重なり合うことで、虚無感や悲しみが増幅されていく演出が堪らなく良い。
それもこれも、演技陣の熱演があるからこそ成り立つものだと思いました。中でも岸惠子と若山富三郎が出色。ベテランの技と言いましょうか、このふたりがいなければ成り立たなかったと言っても、決して過言では無いなと思いました。
殺人の美学の、前作を遥かに凌ぐ鮮烈なビジュアルに圧倒されました。鬼首村手毬唄に見立てられた連続殺人、道具立てが毒々しいほど派手なので、事件の陰惨さに拍車を掛けているようでした。原作の描写を見事に再現していると感心させられ、さすが市川監督ならではの映像美だなと思いました。
過去の事件がもたらしたものが遠因となり、ある人物の深い愛情故に、今回のような悲劇が生まれてしまいました。大切なものを守りたいと云う一心が、善悪の一線を越えさせ、取り返しのつかない事態へと発展してしまったなんて…ツラい。
[以降の鑑賞記録]
2020/10/10:Amazon Prime Video
※修正(2023/06/01)
全5件を表示