劇場公開日 1977年4月2日

「【市川崑監督、石坂浩二金田一耕助シリーズ第二弾。「犬神家の一族」程のインパクトはないが、民俗学の色合い及び哀しき殺人者の動機など、惹かれる作品。】」悪魔の手毬唄(1977) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【市川崑監督、石坂浩二金田一耕助シリーズ第二弾。「犬神家の一族」程のインパクトはないが、民俗学の色合い及び哀しき殺人者の動機など、惹かれる作品。】

2021年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、TV地上波

怖い

知的

難しい

ー 世に名探偵と言われる探偵は、多々いる。
  ”ファイロ・ヴァンス””シャーロック・ホームズ””ポアロ”そして”金田一耕助”・・。
  皆、殺人を止める事は出来ていない。
  犯行後、”しまった!”と言って現場に駆け付け、犯人を推理するが、犯人の方が先手先手を取  り、犯行を重ね、最後は犯人自ら命を絶つ。
  若い頃は、”全然、名探偵ではないではないか!”と思いつつ、上記”名探偵”の作品は、ほぼ全て読み漁った。
  何が言いたいかと言うと、名探偵真犯人、後追いの”推理小説”は万民に受け入れられるという事である。
  であるので、今作を含めた金田一シリーズは、私は好きである。ー

■感想
 ・キャスティングで、誰が犯人かが分かってしまう、”安心感”。
 ー 金田一映画シリーズの特長である。ー

 ・土俗性、(今作では、老婆が歌う手毬唄)の巧みな使い方。

 ・キャラクターの多さ及び、複雑に入り組んだ人間関係。隠された血縁関係。

 ・お決まりの石坂”金田一”の頭を掻きむしったあとのフケを含めたお決まりの仕草。

 ・大仰な音楽。

<年齢的に、リアルタイムで映画館で観た事はないが、”お決まり感”と、残虐描写。
 そして、後手後手の金田一耕助名監督の推理。
 凄く、貶しているようであるが、これらを丁寧に描く市川崑監督の映画作りが良いのである。
 そして、現在では物故者が多くなってしまったが、”昭和”の名役者さんたちの姿。
 今作で言えば、リカを演じた岸恵子さんは別格として、若山富三郎さん、仁科明子さん、草笛光子さん、大滝秀治さん、シリーズ常連だった”そうか、分かった!”加藤武さん、常田富士男さん・・。
 豪華なキャスティングである。
 当然、物語も、オモシロイのである。>

NOBU