「【市川崑監督、石坂浩二金田一耕助シリーズ第二弾。「犬神家の一族」程のインパクトはないが、民俗学の色合い及び哀しき殺人者の動機など、惹かれる作品。】」悪魔の手毬唄(1977) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【市川崑監督、石坂浩二金田一耕助シリーズ第二弾。「犬神家の一族」程のインパクトはないが、民俗学の色合い及び哀しき殺人者の動機など、惹かれる作品。】
ー 世に名探偵と言われる探偵は、多々いる。
”ファイロ・ヴァンス””シャーロック・ホームズ””ポアロ”そして”金田一耕助”・・。
皆、殺人を止める事は出来ていない。
犯行後、”しまった!”と言って現場に駆け付け、犯人を推理するが、犯人の方が先手先手を取 り、犯行を重ね、最後は犯人自ら命を絶つ。
若い頃は、”全然、名探偵ではないではないか!”と思いつつ、上記”名探偵”の作品は、ほぼ全て読み漁った。
何が言いたいかと言うと、名探偵真犯人、後追いの”推理小説”は万民に受け入れられるという事である。
であるので、今作を含めた金田一シリーズは、私は好きである。ー
■感想
・キャスティングで、誰が犯人かが分かってしまう、”安心感”。
ー 金田一映画シリーズの特長である。ー
・土俗性、(今作では、老婆が歌う手毬唄)の巧みな使い方。
・キャラクターの多さ及び、複雑に入り組んだ人間関係。隠された血縁関係。
・お決まりの石坂”金田一”の頭を掻きむしったあとのフケを含めたお決まりの仕草。
・大仰な音楽。
<年齢的に、リアルタイムで映画館で観た事はないが、”お決まり感”と、残虐描写。
そして、後手後手の金田一耕助名監督の推理。
凄く、貶しているようであるが、これらを丁寧に描く市川崑監督の映画作りが良いのである。
そして、現在では物故者が多くなってしまったが、”昭和”の名役者さんたちの姿。
今作で言えば、リカを演じた岸恵子さんは別格として、若山富三郎さん、仁科明子さん、草笛光子さん、大滝秀治さん、シリーズ常連だった”そうか、分かった!”加藤武さん、常田富士男さん・・。
豪華なキャスティングである。
当然、物語も、オモシロイのである。>