「☆☆☆★★ 明朗快活昭和歌謡ミュージカル。 監督は児童映画の名匠島...」銀座カンカン娘 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
☆☆☆★★ 明朗快活昭和歌謡ミュージカル。 監督は児童映画の名匠島...
☆☆☆★★
明朗快活昭和歌謡ミュージカル。
監督は児童映画の名匠島耕ニ。
脚本には黒澤明の師匠山本嘉次郎。
撮影には名カメラマン三村明。
ファーストシーンは、画面奥から犬が手前に走って来る場面。以下、この犬がちょこちょこと活躍する。
すると来た〜稀代の愚痴愚痴女優浦辺粂子!
いきなり5代目志ん生師匠を相手にしての愚痴の数々で本領発揮(笑)
高峰秀子と笠置シズ子の楽しいデュオに。灰田勝彦が♫オーソーレミー♫を、♫何た〜ることだ〜♫と替え歌で歌う楽しさ。
この後、映画の撮影現場で出会った岸井明が加わり。彼が家に上がる度に物が落ちるギャグの数々…等、戦後直ぐで有るのにこの明るさは、現在考えると驚く。
それ程までに、♫銀座カンカン娘♫とゆう歌には。戦後復興の為に多くの日本人に、明るさと活力を与えた一因を担っていたのでしょうね。
初めは3人で歌っていた♫銀座カンカン娘♫も4人になり。2組に別れる事で、ブギウギ調とハワイアン調へと音楽的に変化。
当時はまだ東京タワーも無い時代。
まだまだ少ないビル。東京のどの辺りで撮影していたのか?は不明ですが。緑も田んぼも多く、住宅も疎ら。
戦後歌謡曲の資料同様に、戦後直ぐの東京を活写した風俗描写等の資料価値も高いと感じる。
惜しかったのは、高峰秀子と灰田勝彦がチンピラに絡まれる場面。
この時にもしも高峰秀子がギターを使い、チンピラ達を撃破していたら…。
あの『ローマの休日』が製作されるのは、この作品の4年後だけに…。
う〜ん!先取りした作品として世界中に宣伝出来たのかもなあ〜(u_u)
映画の最後は志ん生師匠が締める。
おそらく日本人の多くが、娯楽は先ずラジオからだったのでは?
戦後数年が経ち、やっと映画を観る余裕が出来た頃と思われる。
それまでラジオを通して楽しんでいたと思われる志ん生師匠の落語。
だからこそ志ん生師匠が映画の最後には相応しい…との脚本になったのではないだろうか。
「良し、貰った! はっきり貰った!」(^^)