「銀河鉄道に乗って…」銀河鉄道の夜 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
銀河鉄道に乗って…
言わずと知れた宮沢賢治の代表作。
子供の頃、読んだ事があるようなないような、授業で習った事があるようなないような、今となってはうろ覚え。ただ、ちょっと難しかったという印象だけは記憶していた。
1985年にアニメ映画化されたのが本作。一流のスタッフが揃う。
この作品の存在は前々から勿論知っていたが、変な先入観から敬遠していた。今回機会があり、見てみた。
父は長らく不在、母は病弱、孤独な少年ジョバンニ。星祭りのある夜、丘の上に突如現れた汽車に乗り込む。車内には親友のカンパネルラがいて、2人は不思議な銀河の旅を体験するが…。
登場人物は猫に置き換えられ、ファミリー向けの装い。
が、神秘的、幻想的、哲学的。
加えて、孤独やいじめ、友情や別れ、生と死、自己犠牲などのテーマ。
それらをストーリーや台詞で語るのではなく、映像の中から滲ませ、感じる。
子供には難しく、大人でも解釈に悩む。
しかし、静かな語り口とイマジネーション豊かな美しい映像と独特の音楽が、見る者を陶酔させ、作品世界へ誘う。
一度見ただけじゃ駄目、何度でも繰り返して見るべき。それほどの味わいがこの作品にはある。
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