疑惑のレビュー・感想・評価
全5件を表示
岩下志麻さんの迫力
1992年にドラマでいしだあゆみさん小林稔侍さん主演の「疑惑」を見たことがあり印象強かったのですが、このほど映画版も初めて見ることができました。
映画だけあり予算もかけられ出演者が豪華で銀幕スター感ある人たちがギリギリまだいた時代なのかなと思わせられ。特に岩下志麻さんは華やかで凛として圧倒されこちらが主役なのかな?と。桃井かおりさんも迫力ありますが、球磨子には名門家の社長が周囲の反対を押し切ってでも妻にしたくなる魅力があるのか疑問。
球磨子のヒモが佐原弁護士に会うのに弁護士事務所じゃなく自宅を訪ね家で一緒に酒飲んでたり、佐原弁護士も中学生を車に乗せて人気のない場所に連れていき証言をするよう圧かけるとか、フィクションだからか当時だからかわからないもののヒヤヒヤ。
佐原が夫の再婚相手からされる仕打ちもよくわからない。「あなたを恨んでない」というからには不倫離婚だったのではと思わされ離婚調停での取り決めもしながら後妻にそんなこと言う権利ある?
いしだあゆみさん版ドラマは確か「わざと自殺するよう追い詰めた完全犯罪」扱いだったけど映画は「計画性はなく結局は財産も保険金もとり損ねた素行が悪いだけの女」で終わりちょっと拍子抜け。女同士のバトルも「クリーニング代請求した方が?」と思えたし、「エリートだけど夫に去られた女と、男をたぶらかし逞しく生きる女」と対比させたかったのかもしれないけど、今の価値観では社会的地位も信用も安定も歴然と差が。
女性は弁護士のようのエリートでもなければ男を利用しないと食べていけない背景に問題あるんじゃ?と悲哀感じる結末にもなっていました。
モデルとなった別府三億円保険金殺人事件は犯人は男で妻と連れ子に保険金をかけ殺した事件らしく現実はずっと胸糞悪いなと。状況証拠のみでもちゃんと?有罪となり死刑判決が。
(余談ながら事件の概要を読み、後に連れ子に高額な生命保険かけ性的虐待し焼き殺した罪で逮捕された男が再審で無罪になって冤罪被害者扱いされてるけど…この別府事件と同じ扱いでよかったんでは?と思い起こしてしまいました。冤罪を扱う作品は多いけどそれは冤罪じゃないだろ事件もあり)
最高だ
大昔テレビで放送されていたのを見て興奮して、それ以来でアマプラで見る。大傑作であることはテレビ放送で分かっていていつか見返そうと思っていて、このような心構えでは期待が大きすぎてむしろがっかりすることが多いのだけど、期待を超える素晴らしさだ。桃井かおりの蓮っ葉ぶりがかっこいい。法廷で鹿賀丈史に食って掛かる切れっぷりも最高だ。岩下志麻のキシリアみたいな感じもかっこよくて、鹿賀丈史のチンピラぶりも素晴らしい。ミステリーの謎解きは知っていても最初から最後までしびれっぱなしだ。またそのうち見よう。
主役の桃井かおりと、助演の岩下志麻の演技が上手で面白かった
1.車が海に転落し、3.1億円の保険金が発生
2.転落事故とするには、数々の疑問が残り、殺人事件として裁判開始
3.警察署や裁判所で、
①刑事、②容疑者、③証人、④弁護士、⑤検察官、等の会話や証言が面白い
4.桃井かおりと、岩下志麻の演技も上手で良い
5.佐原弁護士(岩下志麻)の離婚絡みで、①元夫:片岡哲郎(伊藤孝雄)や、
②佐原との子供、③片岡と交際中の女が出て来るが、メインの事件に関係なし
→ 邪魔だな
6.なお、この映画は、1974.11.17に発生した荒木虎美事件がモデルだな
7.その裁判は、1審、2審とも死刑の判決、上告中に被疑者死亡で公訴棄却となった
8.実在の事件と同じ内容なのは
①車が海に転落し、死者がいたため3.1億円の保険金が発生
月額保険料は、約13万円で、当時の初任給の2ケ月分で、かなり無理な額
②荒木は、九州1のワルと呼ばれて、前科もあった
③弁護士が、弁護を引き受けなかった事もあった
④転落実験の再現、
⑤その他にも、同じ発言内容等が、数件あり
9.発生場所や、被告人や、弁護士の性別が違うが、
あまり実在の事件と同じくしたら、判決が確定していないので、
宜しくない気がするもんなあ
10.面白い映画だった
桃井かおりのふてぶてしさ炸裂‼️
富山県の田舎に嫁に行った水商売の女。
後妻ではあるが、旦那は経営者の一族の長。
当然問題は起きる。
そして、事件。
球磨子という、女。演技ということは分かっているけれども、ふてぶてしい。
この映画は、必見だ。
松本清張が、自身で脚色したという。
裁判シーンは、よくできている。裁判とはこういうものだというお手本。裁判映画である。
さらに、水商売の女と、高学歴の弁護士の女の対比。
どのシーンも火花が飛んでいる。
全体的に芸術的な映画ではないが、見れて良かった。
岩下志麻さんは、美しい。鹿賀丈史は若い。森田健作も若い。
タイトルなし(ネタバレ)
どうしようもないワルの援護をしなきゃならないってのは藁の楯とかでもあったけど、球磨子は六法全書を読み込んだり法廷で核心を突いたり意外と弱い部分を見せたりとなかなか多面的で面白い。感情的な球磨子と冷静な佐原弁護士の対比がずっと展開されるのが見所であるが最後にそれが崩れそうになる。法廷では敏腕で容赦ないがプライベートでは我が子との面会拒否を要求され法の限界に打ちのめされる佐原に対し、感情的で衝動的だが無罪を勝ち取った球磨子が挑発するシーンだ。「あんた自分のこと好きじゃないんでしょかわいそうな人ね」とワインをぶっかけられる。球磨子弁護への抗議電話にも涼しい顔で意に介さなかった佐原だがこれはこたえただろう。だが佐原はプライドを保ち冷静さを欠かなかった。何事もほどほどにしておけば好かれるのに不器用に「自分」を貫きすぎると周囲に嫌われてしまうんだよね。あそこでブチ切れて球磨子につかみかかったりワンワン泣いたりしたら二人は絶交してただろうけど、何か深い部分でこの二人は似た者同士なのかもしれないなあと思った。
全5件を表示