「泥臭い人間らしさ」魚影の群れ Noriさんの映画レビュー(感想・評価)
泥臭い人間らしさ
数年ぶり二度目。流しながら観てたので所々内容飛んでいるが、津軽海峡を舞台にした、骨太な作品であることは疑いない。
昭和の後半、まだDVがDVとして認知されておらず、男は男らしくあれとされた息吹が残っている。一般論としてよくないのは重々承知しているが、この人間臭さが物語に深みを与えているし、惹き込まれる要素にもなっている。
2024年の今、大間に夏目雅子的な人がキャスティングされても浮世離れし過ぎて共鳴できないが、この時代なら、と思わせてくれる。
下北の言葉、全然わからないけれど、それでも伝わるものがあるのが、映像の強さ。その映像の強さを形作っているのは、役者の顔であり、所作であり、カメラのアングルであり。漁師は一か八かのギャンブル、人生もまた同じ。人間の暴力性というか、肉体性というか。泥臭い人間の織りなすドラマ、とても良かった。
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