「父の失業により働かなければならない現状・・・」キューポラのある街 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
父の失業により働かなければならない現状・・・
高度成長期の日本。誰もが物質的に豊かになったわけではなく、中小企業に働く者の悲哀や在日朝鮮人の寂しさをモノクロ映像に集約させている。中学3年生であるジュンが父の失業により進学を諦めなければならなくなった心情を上手く表現しています。
この映画のすごいところは、貧乏という言葉を直接的に台詞にしていること。職業に貴賎がないこともハッキリとジュンが言っていて、在日に対する差別も全くないことだ。ただ、大人びた考えの持ち主であるため違和感はあるし、全体的なバランスが悪くなると感じられるところもある。
それにしても、当時の北朝鮮帰還事業への考え方も楽園のような宣伝のされ方だったのだろうから、感想も変化しているんだろうなぁと・・・あのサンちゃんが逆に可哀想でならないよ。
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