CUREのレビュー・感想・評価
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『セブン』や『羊たちの沈黙』を彷彿
猟奇的な殺人事件、狡猾な知能犯に翻弄される刑事…
観てて『セブン』や『羊たちの沈黙』を思いだした。
時代的にも、たぶん影響を受けてるんだと思います。
邦画って、いい映画が少ないけど、これは名作では?
評価は、厳しめで75点ぐらい。
演技的に気になる方が数人いたのと、エンドロールがダメだった…(笑)
でも、観る価値ある作品だと思います。
『パーフェクト・デイズ』の記憶も新しい役所広司さん、難しい役どころの萩原聖人さん、おふたりの演技も見どころです。
ちょっと難しいけどハマるサスペンス
2024/06/21と6/22で半分ずつ観ました。
プロローグから中盤頃までは少し退屈さを感じるかもしれませんが、心理的に訴えるものがあり、目が離せなくなります。
中盤過ぎからクライマックスまで何が起こるかわからず、精神的にかなり疲れます(笑)黒澤清監督の“叫び声に頼らない作風”に今回も感銘を受けました。
役所広司、萩原聖人の両名の演技力あっての精神的に怖い映画です。勿論彼らの両脇を固める他の役者の皆さんの功績も大きいです。
少し長く感じる映画ですが、価値は十二分にあります。機会があれば是非どうぞ✋
黒沢清映画の最高傑作は疑いないし、これを超えるサスペンスホラー的な...
黒沢清映画の最高傑作は疑いないし、これを超えるサスペンスホラー的な映画もなかなかない。
演出演技、映像、音楽どれも素晴らしい。
萩原聖人が素晴らしいだけに、もっと黒沢映画で観たかった。若い時に。
タネ明かし
目黒シネマにて、初見。
黒沢清なので、各々の犯行のディテールや思わせぶりな演出はさすがだが、そればっかりで動機や何故Xだったのか、といったあたりのタネ明かしが殆どされないのでカタルシスが減じる。
そこを観客で想像しろ、ってのも、ねぇ…
途中で出てくる猿もあんまり活かされてないし…まぁ、面白くはあるんだけど。
なんといっても役所広司だナ
連続殺人事件の参考人に翻弄される刑事の姿を描いたサイコ・サスペンス。
今回、黒沢清監督の映画をはじめてじっくりと鑑賞しました。26年前の映画なのに、もっと昔に作られたような感じがしたのは何故だろう。それはともかく、どこか映画研究部の学生が作ったような垢抜けないところがあるかと思えば、「水」の演出など、非凡な才能をうかがわせる場面があったりと、ちょっと不思議な感じのする作品でした。また、ストーリーの細部に少々わかりにくいところがいくつかありましたが、これは僕が集中していなかったせいでしょうか。
誰もが心の奥底にとどめているであろう、自分でも認めたくないネガティブな思いや感情。それらを表に引っ張り出されるのは恐ろしいことです。ある出来事を契機として、そんな思いや感情が一気に噴出してしまうかもしれないという、人間の本質的な危うさを表現したところが怖い。
萩原聖人も魅力的だったし、うじきつよしもよかった。でんでんや洞口依子や大杉漣など、名脇役がそろっているのも魅力です。しかし、なんといっても本作の最大の見どころは、役所広司の演技でしょう。高部と間宮が対するシーンは、とても見応えがあった。役所さんは、この頃からいまと変わらない圧倒的な存在感を示していたんだなぁ、と思わせられました。
ところで、“CURE”って「魂の救済」という意味もあるんですね。
追記
中川安奈さんの姿を久しぶりに拝見しましたが、2014年に亡くなったとのこと。知りませんでした。
むかし活躍していた俳優さんがいなくなるというのは寂しいものです。
三度目の殺人とリンクする
三度目の殺人が好きで、その関係で観たいと思ってたがようやく劇場で鑑賞できた。
もう、大映のタイトルのあと、始まった瞬間からカメラワーク、音楽で面白い雰囲気がプンプンしている。
猟奇殺人なのにポップ。
三度目の殺人と同じ、空っぽ、というワード。
役所広司は逆の立場。
わかるようでわからないようで感覚。
細かい小道具からも目が離せない。
2023年劇場鑑賞77本目
余韻に浸れる
知人のオススメで観ました。観て良かったです。
ホラーサスペンスということでしたが、私としては役所広司演じる主人公のドラマと感じました。
映像にこだわりを感じました。センスが凄く良いです。映画を芸術作品として扱っていられるのがとても伝わりました。荒廃した建物、緑生い茂る交番、無機質な大空間にぽつんとあるベッド、景色の中の2人、などなど。
代償として現実味は欠けるので、リアリティの追求を求めている人は合わないかもしれません。
演技については、役所広司さんが凄過ぎて見入りました。2時間半あっという間です。
ストーリーは、後半の核心に迫るにつれ難解になっていきます。
主人公と精神病の奥さん、
主人公と精神病の犯罪者(殺人幇助)、
という対比がこの話のメインと捉えました。その対比をしながら、主人公の葛藤、抑圧したものの爆発が上手く展開されてて、非常に見応えがありました。
カルト的な部分ではメスマーの復活という感じかなと思いました。最後はどんどん主人公に乗り移っていった様に見えました。
クリーニングを出したつもりが出していないなど、伝道師側になることを自覚していったんじゃないかなと。そしてあのラストです。
CUREの意味は、癒し!
1997年。黒沢清:監督・脚本
マインドコントロールによる猟奇殺人事件を描く《サイコサスペンス》
西洋の猟奇殺人を描いた最高傑作が、デヴィッド・フィンチャー監督作品「セブン」とすると、日本の最古サスペンスの傑作はこの映画、黒沢清監督作品「CURE」かも知れない。
不気味さ犯人の不条理な行為。
犯罪心理学を深く学んだ大学の精神学科研究員の間宮(萩原聖人)は、
記憶をなくして警察に保護される。
猟奇殺人事件を追う刑事・高部(役所広司)は、頻発する猟奇殺人事件の実行犯に殺人の動機が全くなくて、犯行の直前に間宮と接触しているのを突き止める。
間宮は19世紀の心理学者・メイヤーの催眠療法に深く心酔していて、猟奇殺人事件の実行犯をマインドコントロールしているのだ。
にわかに信じ難いかも知れないが、似たような洗脳による殺人事件は数多く現実に起こっている。
人の心を支配して、自由に操る人間は存在している。
催眠(悪魔)は、あなたの隣にいる。
後半は高部が間宮にマインドコントロールされたように思えてくる。
ここがサスペンスの見せ所で、役所広司の間宮に取り憑かれた演技が冴える。
間宮役の萩原聖人も、記憶喪失を騙ってるのか、本当に狂っているのか、
無意識か?無意識を演じているのか?
間宮の気持ち悪さを好青年風の容姿で不気味に演じている。
高部のラストのレストランでの落ち着きはらった食事シーン。
彼は「CURE・・癒し」を、自分と間宮に行ったのだろうか?
もしかして間宮イコール高部?
そんな不安と余韻の残るラストである。
怖い!
役所広司は勿論、萩原聖人の演技も秀逸でした。
催眠術を使い連続殺人を繰り返す犯人を追う刑事を描く物語。
役所広司と萩原聖人が共演するサイコスリラーですね。
催眠術は、その人が「悪」と感じていることをさせることが出来ない。そんな常識を逆手にとり、その人の元々持っている「悪意」に焦点を充てる設定は興味深く、また不気味に感じますね。
名優役所広司は勿論素晴らしかった。配偶者の精神疾患に苦しみ、犯人に苛立ち・・・怒りを抑えられなく刑事を名演しています。
そして、萩原聖人の不気味な演技も素晴らしく、映画を盛り上げます。
正直、ラストの展開は好きではありません。寧ろ、映画としてはダメな部類ではないでしょうか。精神病患者への差別的な部分も蛇足のように描かれていたのも残念なところ。
私的評価は標準点にしました。
ゾクゾクさせられる傑作
素晴らしいジャパニーズホラー。ビジュアルではなく、心理的にゾクゾクさせられる。最初はただのサスペンスかと拍子抜けだったけど、役所広司と萩原聖人の共演に没入させられていく
題名「CURE」…
催眠術とは呪いなのか解放なのか…
私にとってはただただただただ怖い映画。
劇場公開時鑑賞。怖くてそれ以来観ていない。今観たらそんなでもないのかもしれないが、それはそれで嫌だ。
黒沢清監督作は『回路』以降は今ひとつピンとこないという印象だが、もうこれさえあればいいや。必ずしも理に落ちなくていいと思っている。
自分が自分以外のものによってコントロールされることが、とても怖いんだなということを認識した一作。あとミイラ取りがミイラになりそうになってグッとこらえて葛藤している話に惹かれるとか。
役所さんだから、ということが大きいのだろうが、後年『渇き』を観た時『Cure』の残り香がしたような気がして。
会話等のチープさが日常感・現実感を奪っているため、まったく怖くないホラー映画
1)映画の構成
本作は、①社会には周囲に殺意を喚起させ、残忍な方法で人を殺させてしまう「伝道者」なる存在がいるというホラー的側面、②人は誰も奥底に殺意を秘めているという心理的側面を、二重写しに描いた作品である。
世評的には「怖い」映画らしいのだが、小生にはどこが怖いのか、皆目わからなかった。恐らくそれは、全編に漂う安っぽい作り物感、非日常感のためだと思う。
2)何故、この映画は「怖くない」のか
冒頭、精神病院の診察室らしき部屋で診察らしきことが行われるのだが、診察室にしてはだだっ広すぎて、精神病院の雰囲気とか精神病患者の異常性とかがまるで伝わってこない。
殺人と捜索シーンを挟み、「伝道者」の登場となるのだが、萩原と相手の「何処?」「白里海岸」「何処?」「千葉の白里海岸」「白里海岸、それ何処?」「きょう何日?」「2月26日」「ここ何処?」てなバカバカしい会話にウンザリさせられ、日常感覚から遠ざけられる。
こんなバカ、普通の社会は相手にしないさ。同じようなバカげた会話は作中で何度も何度も繰り返され、そのたびに日常感覚、現実感覚からズレていく。
そうした安っぽい作り物感は、白里云々の殺人者が運び込まれる病室には到底見えない「病室」らしき部屋とか、同じく診察室か処置室かわからない部屋で、診察もろくにせずカルテらしきものばかり書いている洞口演じる女医、刑事とコンビで犯人を取り調べる警察の嘱託医等々、全編に満ち溢れている。
そのズレまくった世界で人が殺されるから、それは日常社会、現実の殺人ではなく、ただの作り物の中の「殺人」に転化してしまい、結局、怖くもなんともないのである。
それが意図的だとしたら何のためにという疑念が湧くが、その効果らしきものは見当たらない。そもそも役所と中川の夫婦生活そのものにしたって形だけで、濃密な愛情や倦怠は伝わってこないのだから、あるいは意図的というより日常を描くのが下手なだけかもしれない。
3)人は誰でも殺意を秘めているのか
人間は状況的存在だから、一定の状況におかれれば誰だって人を殺しうると小生は認識している。
戦争や正当防衛などは、ごく分かりやすい一例にすぎない。親殺しはギリシャ神話に出てくるし、夫婦間だって友人間だって、さらには中学生間の殺し合いだってあるではないか。
それが恐らく社会的な常識なのだが、そんなこと語る必要もないから語らないだけで、別にこと新しい認識でもないだろう。
殺意とまではいかなくても、内部に秘めた鬱屈、怒り、憎悪等を開放したいというのは、まさに日常の感覚そのもので、それを社会は「ストレス解消」と呼んでいる。この映画の表題CUREは、それをことさら殺意にまで拡大しているだけの話だ。
つまり、この映画に見える人間の殺意にも、何一つ新しさがない。
4)評価
大きな倉庫のような伝道者の隠れ家シーンなど、いくつか印象的な映像はあるものの、いかんせん伝道者の会話のチープさ、全編の作り物感が災いして、とても高く評価できる作品ではない。
海外の友人から勧められて鑑賞。 黒沢監督の映画は面白い!と絶賛して...
海外の友人から勧められて鑑賞。
黒沢監督の映画は面白い!と絶賛していました。
難しく感じる部分もありますが、他の方のレビューや感想を読むと納得。
静かながらもどこか不気味だったり不安な雰囲気が漂っていて、何度も見返したくなる魅力があります。
萩原聖人の狂った犯人役は恐ろしかった。 物静かで自分では手を下さな...
萩原聖人の狂った犯人役は恐ろしかった。
物静かで自分では手を下さないのが余計に。
役所広司は前半は穏やかな役柄だったのに、萩原と関わってからブチ切れキャラになったのも見どころ。
最後がよく分からなかった。
ウェイトレスが包丁を持ち出していたように見えたのだが。
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