劇場公開日 1997年12月27日

「余韻に浸れる」CURE とまちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5余韻に浸れる

2022年8月2日
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知人のオススメで観ました。観て良かったです。

ホラーサスペンスということでしたが、私としては役所広司演じる主人公のドラマと感じました。

映像にこだわりを感じました。センスが凄く良いです。映画を芸術作品として扱っていられるのがとても伝わりました。荒廃した建物、緑生い茂る交番、無機質な大空間にぽつんとあるベッド、景色の中の2人、などなど。
代償として現実味は欠けるので、リアリティの追求を求めている人は合わないかもしれません。

演技については、役所広司さんが凄過ぎて見入りました。2時間半あっという間です。

ストーリーは、後半の核心に迫るにつれ難解になっていきます。
主人公と精神病の奥さん、
主人公と精神病の犯罪者(殺人幇助)、
という対比がこの話のメインと捉えました。その対比をしながら、主人公の葛藤、抑圧したものの爆発が上手く展開されてて、非常に見応えがありました。

カルト的な部分ではメスマーの復活という感じかなと思いました。最後はどんどん主人公に乗り移っていった様に見えました。
クリーニングを出したつもりが出していないなど、伝道師側になることを自覚していったんじゃないかなと。そしてあのラストです。

とまちゃん