「CUREの意味は、癒し!」CURE 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
CUREの意味は、癒し!
1997年。黒沢清:監督・脚本
マインドコントロールによる猟奇殺人事件を描く《サイコサスペンス》
西洋の猟奇殺人を描いた最高傑作が、デヴィッド・フィンチャー監督作品「セブン」とすると、日本の最古サスペンスの傑作はこの映画、黒沢清監督作品「CURE」かも知れない。
不気味さ犯人の不条理な行為。
犯罪心理学を深く学んだ大学の精神学科研究員の間宮(萩原聖人)は、
記憶をなくして警察に保護される。
猟奇殺人事件を追う刑事・高部(役所広司)は、頻発する猟奇殺人事件の実行犯に殺人の動機が全くなくて、犯行の直前に間宮と接触しているのを突き止める。
間宮は19世紀の心理学者・メイヤーの催眠療法に深く心酔していて、猟奇殺人事件の実行犯をマインドコントロールしているのだ。
にわかに信じ難いかも知れないが、似たような洗脳による殺人事件は数多く現実に起こっている。
人の心を支配して、自由に操る人間は存在している。
催眠(悪魔)は、あなたの隣にいる。
後半は高部が間宮にマインドコントロールされたように思えてくる。
ここがサスペンスの見せ所で、役所広司の間宮に取り憑かれた演技が冴える。
間宮役の萩原聖人も、記憶喪失を騙ってるのか、本当に狂っているのか、
無意識か?無意識を演じているのか?
間宮の気持ち悪さを好青年風の容姿で不気味に演じている。
高部のラストのレストランでの落ち着きはらった食事シーン。
彼は「CURE・・癒し」を、自分と間宮に行ったのだろうか?
もしかして間宮イコール高部?
そんな不安と余韻の残るラストである。
怖い!
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