「高倉健、逃走中♪」君よ憤怒の河を渉れ オスカーノユクエさんの映画レビュー(感想・評価)
高倉健、逃走中♪
青山八郎によるサントラ曲「白いサスペンス」の破壊力!
無実の罪を着せらた高倉健の悲壮な逃亡劇にかぶせるにはあまりにも牧歌的で、良テンポ。文字で表すなら、「高倉健、逃走中!」が、「高倉健、逃走中♪」になる感じ。映画音楽の影響力を逆の意味でここまで思い知ることになるとは。
ただ、最初は何じゃこりゃ!と腰が砕けたこの曲、二度三度と繰り返されるうちにどうにも愛らしくなってくる。作品自体が何でもアリの自由な雰囲気なので、このサントラもありだなと寛容の精神が湧いてきて、しまいにはその魅力に取り憑かれてしまった。
ミスマッチな音楽は良くも悪くも作品の味として刻まれ、この映画を唯一無二のものにしている。この先、人生の苦境に立たされたら「白いサスペンス」を脳内再生して乗り切ろうと思う。
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