劇場公開日 1976年2月11日

「君よ大ウケした中国へ渉れ」君よ憤怒の河を渉れ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5君よ大ウケした中国へ渉れ

2017年8月12日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

興奮

文化大革命後の中国で大ヒット、中国での高倉健の人気を不動のものに。
来年にはジョン・ウー監督によるリメイク版も公開されるアクション大作。

突然、無実の罪を着せられた検事の杜丘。
二人の証言者、家には証拠品が。
何者かにハメられた。
自ら無実を証明する為、逃亡。日本中の大捜査網をかいくぐる。
北海道では馬を駆る。馬で逃げるなんて日本じゃなかなか出来ないけど、北海道の広大な大地では出来る! 北海道だけと思ったら、東京大都会の街中も馬で駆る!
北海道から再び東京へ。捜査網を突破した奇策は、セスナで!
途中、惚れられた女と愛し合う。
アクション、サスペンス、ラブ・ロマンス、その他サービス精神満点!

娯楽作としては面白いんだけど、この映画、言われてる通りツッコミ所も満点。
まず、主人公の杜丘が超人。一介の検事に過ぎないのに、馬にも乗れるセスナも運転出来るアクション・ヒーロー。自分が担当した事件の中で、今回の陰謀と関わりある一件をすぐさま特定する。
刑事曰く、「検事には惜しい男」。
話はスケールの大きい逃亡アクションがメインで、犯人捜しや事件の真相に迫る捜査サスペンスの醍醐味はおざなり。黒幕も真相も主人公がハメられた理由の動機も弱い。
黒幕じゃないけど、「証拠を見せろ」。
主人公を執拗に追うキザな刑事役の原田芳雄はさすがのニヒルな存在感、図らずも逃亡を手助けする北海道の名士・大滝秀治、主人公の上司・池部良など名優揃う中、色んな意味で一際印象残るのがヒロインの中野良子。
大滝演じる北海道の名士の娘。お嬢様でありながら、ボリュームある髪が何処か色っぽく、ラブシーンやヌードも披露。惚れた男の為に文字通り“一肌脱ぐ”。
でも一番衝撃的なのは、怪獣みたいな鳴き声の着ぐるみクマに襲われている登場シーン。このお嬢様もあんな山の中で何してたんだろう…??
後、本作、音楽が…。OPテーマ曲など悪くない音楽もあるんだけど…、サスペンス・シーンなどに流れるあの脱力系の音楽は無いぜ。

日本版『逃亡者』と呼ぶには生温い。
改めて見ても、これが中国で大ヒットしたとは意外。当時、中国ではそれほど娯楽に餓えてたのかな…?
まあでも、高倉健は確かにカッコイイ。
そりゃあ、馬にも乗れてセスナも運転出来て女にも惚れられるわな。

近大
りかさんのコメント
2023年8月29日

私も、
着ぐるみクマ🐻🧸モロ、何の為に出て来たか❓
馬も北海道ならまだしも、東京に来たから本作の値打ちを下げたと思います。後は、近大さんが書いてられるよう、ヒットどころか、
としばばさん曰くと同意、ストーリーめちゃくちゃ、健さんかっこよさ❓より出演しない方が良かったと思っています。
   返信結構です。

りか
としぱぱさんのコメント
2017年8月13日

お久しぶりです。
相変わらずの素晴らしいレビュー、
いつも楽しませてもらっています。
しかし変わらずのハイペースの
鑑賞ですね。
私も昔に見た作品でしたので
感慨深いです。
リブートの噂は初めて知りましたが
健さんだから許せる作品ってあると
思うんですよね。
作品自体ははちゃめちゃなんですが
彼がしっかりと芯を通してると
いうか、存在が作品を昇華してる
と思うんですけどね。

さて、夏の大作ラッシュになかなか
ついていけず時間が欲しい今日この頃
です。スパイダーマン、トランスフォーマー
銀魂、ジョジョ(個人的には期待)
さらに続くマーベル、DCユニバース
多分観られますよね?
レビュー期待しております。

としぱぱ