「サブカルチャーに付加価値を」機動警察パトレイバー the Movie うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
サブカルチャーに付加価値を
おもちゃが売れるから始まった巨大ロボットアニメ。その系譜は『マジンガーZ』に始まり、『ガンダム』『マクロス』辺りでひとつの完成形に到達したと言えるだろう。その後、このジャンルは形を変え、成熟した文化を形成していくが、『エヴァ』に至るまでに、いちど『パトレイバー』で停滞を迎える。
ゆうきまさみの原作マンガは、もはや一人で立ち上げるコミックの範疇を飛び出し、アニメ、アニメ専門誌、映画、レコード産業のメディアミックスのひな型になった。そこに生まれたダイナミズムも、リアルさも、コミックというリズムには馴染まないように思えた。いずれにしろ、これらのメディアの最終到達点は映画であり、そこが成功すれば、すべてが報われる分かりやすいゴールに見えた。
しかし、この映画にしても、肥大化はおさまらず、押井守という作家性だけが独り歩きをして、『パトレイバー2』においてその果実を見た。
その通過点と言ってしまえばそれまでだが、そこに至るまでには、それなりの準備段階と、舞台設定が必要になった。そこに付き合うだけの覚悟があれば、サブカルチャーは明快な答えを出してくれる。
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