「アニメ史上屈指の名作を最新技術で楽しめる贅沢な時間が味わえます♪」機動警察パトレイバー the Movie 松王○さんの映画レビュー(感想・評価)
アニメ史上屈指の名作を最新技術で楽しめる贅沢な時間が味わえます♪
もう大好きな作品でVHSビデオやDVDで何度見たか分かんないくらい。
と言うか、定期的に見たくなる作品なんですが、実は劇場では観た事がないんですよね。
春に4DX版の上映のニュースを聞いた時にはもう狂喜乱舞したんですが、コロナの影響でやむなく延期。
で、今回満を持して公開された訳ですが、初日から予約が殺到してやっと公開3日目の日曜日に観賞出来ました。
で、感想はと言うと、もう満足満足♪
面白いのは折り紙付きですが、改めて、あ~楽しかった!最高!!です。
とにかく、大好きなこの作品が劇場で観れた事がとても嬉しく、それだけでお腹一杯。
また、初めての4DX体験は映画を観ると言うよりも映画を感じるアトラクションそのもの。
いや~凄いね。ビックリしましたわ。
価格は3,000円と少々お高いかと思いますが、作品によってはかなり楽しめるのでたまには良いかなぁ。
今から31年前に公開された作品とは思えないくらいのストーリー設定の巧みさは今観ても唸ります。
公開がもう10年遅ければ映像技術が追い付いていたかと思いますが、このアイデアの先取りが押井作品の真骨頂なんですよね。
「娯楽の王道をいくこと」「主役でありながらOVAでの活躍が少なかった遊馬と野明が大活躍すること」「レイバー対レイバーの戦いを描くこと」を念頭においた「劇場版 3つの誓い」がきちんと構成されていて、そのバランスが絶妙なんですよね。
リアルロボットアニメとしての面白さも兼ね備え、警察組織の構造もリアルに描かれている。
それでいて、主人公の活躍と他の登場人物(主に後藤さん)とゲストキャラ(帆場瑛一)の存在感が抜群。
まだパソコンが一部のマニアの物でコンピュータウイルスの存在自体が極一部の人しか知られていない時代にコンピュータウイルスをテーマにしているのも秀逸。
SFロボットアニメでありながら、劇場版のストーリーは極めてシリアスなサスペンスドラマで、何処かミステリーホラーな側面も兼ね備えている。
それでいて、川井憲次さんの音楽が最高。
オープニングからエンディングに至るまでの構成や虚空と現実、ミステリー感や虚無感、高揚感と疾走感、大団円をストレートに感じさせる見事な曲の数々。
笑える所は笑えて、引き締める所は引き締める。決める所はバッチリ決めると言う、もう非の打ち所の無い構成はアニメ作品でありながら、邦画作品としても群を抜く程の出来映えかと思いますし、アニメ作品では過去現在も含めてベスト3に入る作品かと思います。
そんなパーフェクトで好き過ぎて、胃が痛くなるぐらい好きな作品ですがw、今回の上映で難点を言うのは野暮かと思うんですが…正直な所、無い訳では無いんですよね。
1つは今回の4DXは1998年にリメイクされた「サウンドリニューアル版」が上映されたんですが、声の演技の部分でどうも軽く薄く感じるんですよね。
これは元の1989年版を聞き慣れたから聞き比べてしまったからなんですが、どうも元の方が確りと落ち着いて良い様に感じてしまう。
一番気になるのは野明が遊馬にバイクを取られて放ったらかしにされる所の"バカー!遊馬なんてどゎいっ嫌いだぁ~っ!!"と言う台詞。
これが軽いんですよね。
音源は5.1chサラウンド化されているので遥かに良いんですが、今となっては 5.1chサラウンドすら古いもある訳で、出来れば元の89年版の方が演技の部分も含めて、そちらの方が良かったのではないかな?思ったりしました。
2つ目は4DXの過剰な仕掛けが結構気になる。
4DX体験はかなり楽しめたのですが、所々"ここで、この演出効果いるか?"と思える所に風とか水とか揺れたりとかしててちょっと過剰かな?と。
BGMとか効果音も無いシーンで水とか風とか吹かれると「プシュー」と言う動作音だけが聞こえて気になったりしました。
それでも、クライマックスの方舟に乗り込むシーンからの迫力は満点。
ホントちょっとした所なんですが書いちゃいましたw
3つ目はこれは気になると言うか、どうしょうも無い事なんですか、やっぱり画像が荒いしなんか古い感じ。
"そんなん31年前の作品なんやからしゃあないやんけ~!"と言われたら、まさしくその通りなんですが、家でDVDで見ている時にはそんなに気にならなかったのに、映画館のデカいスクリーンで観ると、結構気になった。
これは「AKIRA」をリバイバル上映で映画館で観た時も気になったんですが、4DXと言う最新設備のスクリーンで観ると映像だけ取り残されてる様な感覚になるんですよね。
まぁしょうがない事なんですが、気になった訳です。
本当だったら、星7つくらい付けたいんですがw、上記の点を差し引いても星5つは十二分にあります。
アニメーション作品でありながら、アニメーションと言う表現方法が巧みに活かされていて、アニメーションでなければ成立しない作品。
…まぁそれを言ってしまうと後に実写化される「THE NEXT GENERATION パトレイバー」の立つ瀬が無くなるんですがw、それでもこれ程アニメーションの表現方法を活かしきって、邦画作品としても1級の作品は無いんではなかろうか?と思うんですよね。
劇場は何処も満員御礼みたいで、観客もオッチャンが多かったんですがw、それでも十分に商売になると思えるくらい。
是非、これに味を占めてw、「機動警察パトレイバー2 the movie」も是非再上映して頂きたい!と切に願います。
ベタ褒めしてますが、掛け値なしに超1級のアニメ作品です。
未観の方はこの機会に是非是非!