鬼畜のレビュー・感想・評価
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映画が鬼畜
鬼畜なのは主人公とこの映画。まず子どもらが裸で出てきて1歳半の子の口に米を詰め込む実際の虐待をしていてびっくりします。昔の映画は役者にかなりムリさせたり本当に動物殺したり自然破壊したりあったそうですが赤ちゃん虐待までとは。誰より監督が鬼畜では?
後に子役が岩下志麻さんと再会した時に3人はトラウマになっておらず末っ子役は覚えてもなく安心したそうですが、幼くて覚えてなきゃいいという訳がない。仕事になるなら何でもいいと貸し出す親も鬼畜かと。
まさか「手当がなくなり子どもを育てられす置いていった妾」「夫の愛人の子を可愛がって育てなかった妻」が鬼畜とでもいいたいのでしょうか?
お金がないと子育てできないし配偶者の愛人の子を育てられる人も滅多にいませんが。
最近の映画評にも「夫婦には子どもいないのだから跡継ぎになるかもしれないのに育てればよかった」との捉え方がありびっくりしました。
愛人と子を作り手当払えなくなったら代わりに妻が育ててくれるなんて虫のいい話はないです。
緒形拳さんの演技力が素晴らしいから酷いやつに見えづらいけど、鬼畜なのは気の強い妻と愛人で夫は被害者のような扱いは違うだろうと。女性は子供なら何でも可愛がって育てるはずだと?
納得して結婚した連れ子でも可愛がれない実の子でも育児が大変で虐待、というのがあるのに愛人の子を引き取るとか無理がありすぎる。
子をそのような歪んだ環境に置くのが虐待、全責任取れないし余裕もないのに妻を裏切り愛人など囲って子作りするのが虐待。
砂の器で父親が息子をかばうために発した台詞には泣けましたが、大事な同じ台詞をこのストーリーで子どもに使わせて残念でしらけます。
「虐待されても子は親を庇う」に則ってるだけ。子は圧倒的に弱い立場だし親子愛などじゃないでしょう。
原作は1954年のものでモデルとなった事件は作者が検事からきいたものらしく詳細不明。戦後の混沌中に起きた事件なら1978年舞台にするのもおかしい。
ただ1978年でも女性の収入が今以上に少なく離婚が厳しかったのは変わりないからこそのストーリーですね。今なら「何で離婚しないの?」と思われるだけ。夫は子どもを施設に預けるか、または自分が育てる覚悟で妻を捨てるかの選択が必要でした。どれもできず子どもらが犠牲になり「親子愛」「本当に鬼畜なのは母と妻」じゃないでしょう。
その後も現在も男が妻や内縁の連れ子を殺す、性的虐待する事件起き続けてます。性的虐待目的での再婚もあるらしく鬼畜中の鬼畜。
何で現在ですら女性は愛人の子でも可愛がって育てたらいいのにと思える人がいるのかな。
映画「疑惑」もモデルとなった事件は男が妻と連れ子に生命保険をかけ殺すという鬼畜事件だったのにフィクションでは性別が入れ替わり悪女の話に。後妻業事件はあるから違和感なかったけれどモデルとなった男性犯人の事件の方がずっと酷いのでひきました。
歪
緒形拳演じる竹中宗吉の揺らぎが切ない。自分のしたこと、させられたこと、その清算を思わぬ形で突きつけられる。苦労して苦労して、やっとこやってきたのだ。/最後の長男の「父ちゃんじゃない」というのも、三重くらいに読み取れた。宗吉をかばう・こんなやつ父ちゃんじゃない・そもそも父ちゃんは別にいる、と。/鬼畜なのは誰か。松本清張生涯のテーマである。
自虐的亡国論!こんな奴は世界中探してもいない。
初見当時は貧困による家族の崩壊として考え、日本映画の傑作ぐらいに考えていたが、こういった映画が日本映画を非ぬ方向へ向かわせたと言えるかもしれない。
こんなバカ親父は世界中探してもいない。しかし、所謂、浪花節や浪曲の世界。いわば、配給会社の歌舞伎とも通じる日本文化の負の遺産なのかもしれない。こう言った文化を負の遺産として、徹底的にブザマに描くなら、認めたいが、涙を誘おうと姑息な手段を優先する。はてして、妹や産んだ母親はどうなったか?また、従業員の無責任な態度と、旦那が留守中に何もなかってのか?何故、こんな倒産間近の中小企業に丁稚でいるのか?また、この事件は1957年の事。故にこの鬼畜親父の経歴が実におかしい。幼少の頃は戦争に行っていたはずだ。つまり、原作には無い人格で、この映画は作られていると思わざるを得ない。つまり、出鱈目。涙を誘う出鱈目なのだ。
子供の健気な姿を売り物にした商業的浪花節映画だと判断する。そして、その流れは所謂リベラリストの後ろ盾で、日本映画の主流になったと考えられる。『PLAN75』や『万引き家族』もその流れを継いでいる。
『へそでお茶を沸かす』そんな話である。コメディーと言える。
残念ながら、中産階級出身の大学出た演出家に、赤貧を経験した事のある程過酷な人生が理解できるとは思えない。目の付け所は良くても、リサーチが足らなくて、配給会社の思惑を大いに忖度してしまっていると思われる。
我が弟の大好きな映画で、初見は上野の松竹で見た記憶があるが、なんで東尋坊まで行くのだと思った。だから、東尋坊へ行ってみたが、勇壮な崖だと思ったが、行ったのは夏だったので、東尋坊本来の過酷さは無かったと思われる。残念ながら、ここから、人を突き落とす気には絶対になれないと感じた。日本海の西の果てに沈む優しい夕日が、僕自身を包んでくれていたと感じた。
子どもは見ちゃだめ
とんでもなく恐くて凄い映画だった。人間の業そのものを描いてるというか、重くのし掛かるような。
不協和音の音楽が耳に残り、緒形拳の殺意と戸惑いに満ち満ちた表情は一度見たら忘れられない。撮影当初は渥美清が役を張る予定だったというが、緒形拳の眼光は気弱な男が鬼畜に変貌していく様を完璧に表現していた。
本作は小道具と情景が印象深い。蓋の壊れたオルゴールや畳部屋に通じる階段。東京タワー、展望台、新幹線、断崖の原っぱ、禍々しい夕日など。どれも変鉄のない日常的なものだからこそより恐ろしく記憶に残る。これは川又昂の功績とも言える。小さいときに見たらきっとトラウマになって悪夢に魘されたろうな。もっと早く見たかったけど。
子どもには絶対に見せたくない映画だが、子を持ち育てる親ならば、一度は見てほしい映画。
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