汚い奴
劇場公開日:1995年8月12日
解説
「汚い奴」と呼ばれる恐喝のプロフェッショナルの男を主人公に、大都会の中で心に痛みを抱えながら生きていく人々の人間模様を描いたピカレスク・ロマン。『花のあすか組!』で知られる高口里純の人気コミックを原作に、「新・悲しきヒットマン」の望月六郎監督が映画化した。主演は「河童」の原田龍二。
1995年製作/95分/日本
配給:ヒーロー
劇場公開日:1995年8月12日
ストーリー
かつては東洋ウエルター級新人王として活躍し、世界を狙えるプロボクサーとして将来を嘱望されていた高須五郎は、八百長事件に巻き込まれ、ボクシング界を永久追放となった。今では新宿を根城に、表向きは興信所となっているが、裏では訳ありの人間たちを巧妙にゆする、恐喝のプロフェッショナルとして生きている。五郎は、相棒である森山が集めてくる情報を元にゆすりをかけ、狙った相手をとことん追い詰めるその手口から、憎悪と軽蔑を込めて“汚い奴”と人々から呼ばれていた。五郎が狙うのは、轢き逃げ事故を起こした暴力団幹部とその情婦、小遣い稼ぎで売春している女子大生、同級生からカツアゲしている中学生など様々だった。五郎には知的障害を持つ妹の慶子がおり、慶子との水辺でのバードウオッチングだけが、五郎の唯一の安らぎだった。そんなある日、慶子はいつもの水辺でひとりの男・王双五と出会う。不思議な魅力を持った男に慶子は心を許し、妹を他人とかかわらせたくなかった五郎も、そんな慶子の楽しそうな表情を見て、男のことを認めるのだった。そのころ、五郎がゆすりをかけた轢き逃げの暴力団幹部が、香港ルートの情報を横流ししていたのがばれて組織に消された。五郎は、今度はそれをネタに組織のボスにゆすりをかけ、一億円を要求する。しかし、反対に慶子をヤクザにさらわれてしまうのだった。水辺で知り合った謎の男・王が、実はボスの命を狙っているヒットマンであることを知った五郎は、妹を助けにいくのを手伝ってくれれば、その場でボスを撃つチャンスをやると取り引きを持ちかける。慶子を助け出すために組織に乗り込んでいった五郎を、危機一髪のところで救ったのは、王の放った銃弾だった。慶子は無事に助かり、王も自らの目的を果たした。五郎を追っていた警察の目も組織に向き、すべては落ち着きを取り戻すのだった。