「詰めが甘い刑事」飢餓海峡 Mail Tさんの映画レビュー(感想・評価)
詰めが甘い刑事
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強盗殺人をし、火を放って逃亡した3人組。
火は大火となり町の8割を焼失させる大参事となった。
この時点で極悪人、死刑確定者ですが、
生き残った逃亡犯は大した罪は犯していないという
態度をとっていた。
時代設定が終戦2年後なので、
戦場で敵兵を殺害していたとすれば
殺人に対する罪悪感を喪失していたのかも知れない。
恐山近くで娼婦に出会い、
性サービスを受けた代金は50円というところ
「いくらあるか分からないが」と逃亡犯は3万4千円を渡しました。
当時、東京-大阪の運賃が15円50銭
現在は8,910円なので約575倍です。
なので、性サービス料が2万8千円のところ
1,955万円渡した計算になります。
どう考えたって「犯罪絡みの金の匂い」がプンプンしますし、
後に刑事の尋問を受けた翌日に東京に転居するあたり
女も相当の悪です。
大金をくれた男が好きになったかも知れないが
「お礼を言いたい」と口では言うが、不純です。
複数の人を殺害しておきながら
「自分が犯した罪は横領と窃盗」的なスタンスの逃亡犯。
汚い金と感づきながらもシレッと生きる女。
初動捜査を担当した刑事も★を追えなかったからと
辞職に追い込まれるという、ブラック企業並みの警察組織。
何かパンドラの箱を開けた後のような救い(希望という文字)が無い
混沌とした展開と結末を迎える映画です。
まぁ、復員兵の何%くらいが敵兵を殺害したのか分かりませんが
殺害経験者が国内に数十万~数百万人は居たでしょうし
空襲などで街中で遺体を見た人は数千万人に達していたと思われる時代。
今とは全然違います。
映画そのものより、時代背景をどれくらいオーバーラップ出来るか
によって印象は変わると思います。
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