劇場公開日 1989年7月23日

「ガンヘッド大地に立てず!!」ガンヘッド 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ガンヘッド大地に立てず!!

2022年2月3日
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鑑賞方法:VOD

単純

興奮

寝られる

特撮の東宝とロボットアニメのサンライズがタッグ!
“史上初の実写巨大ロボット・ムービー”!
1989年の作品。

川北紘一特技監督が平成ゴジラシリーズの直前に手掛け、『ゴジラvsメカゴジラ』の特報予告編でも映像が使われたりと、昔から知ってはいた。
けど、近場のレンタル店に置いてなかったりで、東宝特撮好きでもなかなか見る機会に恵まれず、個人的に“幻の作品”であった。
毎度ありがたやU-NEXTで見つけ、その内見ようとマイリストに入れていたら、配信終了日が近付き(まさしく今日2月3日!)、慌てて鑑賞。
さてさて、長年待望の(?)感想は…

本作後、名実と共に特撮監督の第一人者となった川北氏の特撮演出は見もの!
令和時代の目で見れば模型やリモコンで動くロボット玩具かもしれないが、寧ろそれが童心くすぐる。
実は怪獣よりメカニック好きで知られる川北監督。
登場するロボットの演出、アクション…。ディテールとこだわりが感じられる。
円谷英二に師事し、『帰ってきたウルトラマン』などTV特撮で力を付け、本作のメカニック特撮でその手腕を存分に発揮。なるほど、怪獣王を任されたのも頷ける。
メカニックデザインは、河森正治!
主役ロボットの“ガンヘッド”もミニチュアサイズ、着ぐるみ大サイズ、等身大サイズまで作られ、場面に応じて活躍。
東宝、サンライズ、川北氏、河森氏…今では信じられないくらいのドリームチーム!
メカニックや特撮は見応えある。
が…

公開時の批評や他のレビュー通り。
話はつまんねー。
大まかな設定は『ターミネーター』の劣化パクりのようなロボットvs人類。これでもそれなりに面白かったら良かったんだけど…
いまいち話の意味や展開も分かりづらいし、画面も暗くて何が起こっているのか把握しづらい。
絶体絶命や危機のシーンでも全くハラハラドキドキやスリルが起きない。
ステレオタイプな登場キャラたち。高嶋政宏もこの時と比べると演技上達したなぁ…と思っちゃうほど。だって、○○っぴ!
映像、編集にもセンスが感じられない。(本多俊之の音楽は聞いた事あり!)
仮にも特撮作品でありロボットアニメの流れを汲む作品でもありながら、面白味や興奮を感じられないのは致命的。
何処ぞのC級監督?…と思ったら、今や名匠の原田眞人! …いや、知ってたけどね。
何でも『スター・ウォーズ』の日本語版演出を担当し、SFに詳しいとの事で監督に抜擢されたらしいが…
その人選理由、何か違くない!?
そこはちゃんと、SFを撮った事ある人にしようよ。
SF初挑戦でも思わぬ才能を発揮する人も居るが、原田監督はそうではなかったようで…。

東宝としてはメカニック特撮演出をそれなりに魅せてくれたが…(星採点はほとんどこれ)
サンライズや原田監督にとっては黒歴史…。
今でも思い出すと、ガ~ンとヘッドが痛い…。
…なんてね。

近大