劇場公開日 1998年10月10日

「青春部活映画ブームの火付け役、エポックメイキングと呼べる名作」がんばっていきまっしょい(1998) 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0青春部活映画ブームの火付け役、エポックメイキングと呼べる名作

2024年11月23日
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鑑賞方法:映画館

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新文芸坐さんで「アルタミラピクチャーズ31周年記念上映第3弾」として『がんばっていきまっしょい』(1998)が1日限りの特別上映、26年ぶりに劇場鑑賞。

『がんばっていきまっしょい』(1998)
現在公開中の劇場アニメではなく田中麗奈氏主演の実写映画版。
今では珍しくないのですが、『サインはV』や『アタックNo.1』のような熱血スポ根作品ではなく、主人公たちの思春期の揺れる心と日常の延長線上にある部活動を通じた成長過程を丁寧に描いた同作品は当時としては大変珍しいジャンルでしたね。
スポーツ以外の部活動作品も大林宣彦監督『青春デンデケデケデケ』(1992年)、中原俊監督『櫻の園』(1990年)と実に少なかったはず。
本作をきっかけに『ウォーターボーイズ』(2001年)、『チルソクの夏』(2003年)、『スウィングガールズ』(2004年)、『リンダリンダリンダ』(2005年)、『シムソンズ』(2009年)と2000年代は青春部活動映画が百花繚乱、一気に開花。以降の青春部活映画もほぼ本作品のプロットに近く、ブームの火付け役、エポックメイキングと呼べる作品だと思いますね。

わたしは磯村一路監督、中嶋朋子氏主演の『あさってDANCE』(1991)のファンで劇場に足を運びましたね。当時の中嶋朋子氏は『北の国から』の蛍役のイメージを覆そうと役柄の幅を広げているなか、本作品での訳あり元日本代表コーチを好演、主演の悦ネエ役田中麗奈氏も同作が初主演作品でしたが、目力があるノーブルな容貌が当時も強く印象に残っていますね。
またロケ地の松山の風光明媚な自然、特に穏やかな瀬戸内海のキラキラ輝く水面の美しさは、青春の輝きと重なり、より洗練、昇華させていますね。まさに時代を切り開いた青春映画の金字塔ですね。

上映後には磯村一路監督ほか、女子ボート部のメンバー田中麗奈氏、清水真実氏、葵若菜氏、久積絵夢氏と豪華なトークショーも開催。映画のなかの登場人物そのままにいまでも仲が良く成長したようで、観ているこちらもほっこりしましたね。

矢萩久登
Mさんのコメント
2024年11月30日

劇場で見ることができて幸せですね。
私も大好きな作品です。
私も劇場でもう一度見てみたいと思いますが、なかなかチャンスはないでしょうね。

M