劇場公開日 1998年10月10日

「ブルマの青春」がんばっていきまっしょい(1998) ねりまっくまさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ブルマの青春

2024年9月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

がんばってーいきまっしょいっ!という掛け声に呼応して、周りにいる者たちが、しょいっ、と応える。愛媛の慣習だろうか、なかなか癖になる掛け声だ。
ブルマ姿がなんとも時代を感じさせる、昭和の田舎のボート部が話の舞台。十分な部員数もいない環境下で、女子ボート部を立ち上げて練習に励み、上位大会を目指していく、まあまあありふれた話である。ありていに表現すれば、ボートに青春をかけた女子高生の姿を瑞々しく描いた作品である。
多くの高評価者と異なり、私にとっては高評価するものではなかった。若いころに夢中になれる何かに巡り合い、それを支えてくれる大人が近くにいてくれて、熱中するという才能を磨き上げる過程は私も共感できた。だが、全体的にありふれた感が満載だった気がする。ひょっとしたらそれは、瑞々しい青春時代が遠いものになりつつあること感じさせているかもしれない。
音楽に対して好印象のコメントも拝見した。私は全く逆の感想だった。この作品には外国語の歌詞よりも、日本語の歌詞の方がフィットするのでは、と思ったのだ。それも主人公の母役で出演している森山良子が歌ったら、もっといい感じになったのではないだろうか、と思ったのだ。

主人公と同じように熱い少年少女時代を送った人は、鑑賞してみると共感できるシーンも多くて感情移入が容易にできるだろう。それでもあまり高評価を付けれなかった人は、私と同じく、青春から遠ざかっていることを自覚するのがよいだろう。

ねりまっくま