劇場公開日 1958年11月12日

「まだキザじゃない小林旭」完全な遊戯 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0まだキザじゃない小林旭

2013年6月14日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

「太陽の季節」で若者の無軌道な青春を鮮烈に描き、“太陽族ブーム”を起こした石原慎太郎が、その終わりを描いた小説の映画化。

暇を持て余す大学生たちが、競輪の八百長で大金を稼ごうとする。
今後の事は特に考えず、社会に背を向け、仲間たちとつるんでいる内は、それはそれで楽しい。
しかし、それもほんの一時。
仲間たちとの間に亀裂が生じる。
好意を寄せていたデパートガールとは悲劇的な結末を迎える。
やがて背を向けていた社会の荒波に呑まれ、若者たちの遊びは終わりを告げる…。

石原裕次郎と並ぶ日活のスター、小林旭の1958年の作品。
“渡り鳥 シリーズ、“流れ者”シリーズ、“銀座旋風児”シリーズなどに出演し、“マイトガイ”の愛称で呼ばれ、キザなイメージの小林旭だが、まだデビュー間もない頃、キザなイメージが定着する前。
何処か翳りのある若者像はなかなか新鮮だった。

近大