「あー、カルメン♪」カルメン故郷に帰る もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
あー、カルメン♪
いま観ても結構ぶっ飛んだ喜劇である(コメディというよりは日本語の“喜劇”という方がふさわしい)。先ず登場人物がみんなどことなく可笑しい。笠智衆の校長先生ですらどこか可笑しい。これは高峰秀子演じるリリー・カルメンがあまりにぶっ飛んだ人物造形なので、周りの登場人物がまともかシリアスであれば余りにも浮いてしまうからだろう。そして、カルメンと村の人たちとが完全にすれ違っているのが可笑しい。子供の時に牛に頭を蹴られて泡を吹いてたおれた“きん”は完全にマイウェイだ。ストリップは芸術だと信じ切り、自分は芸術家で村の人たちを教化しないといけないとさえ思っている。周りがどう思っているかを気にしないと言うより、はなから疑っていないのだ。故郷の人たちは彼女の帰郷によくも悪くも振り回されるのだが、それすら彼女は気づくことなく高原で後輩と歌い踊る。
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