ガメラ 大怪獣空中決戦のレビュー・感想・評価
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平成三部作を見直して① ギャオスの群れが襲い来る!
久しぶりに見直したんですが、やっぱり面白い!
ニ十年近く前の作品なんで、特撮等の面でややガッカリというところも多少ありますが、当時はこれでも大満足だったんですよ。あの頃の衝撃が蘇える気がします。(それにしても登場人物、みんな若!自分も年とるわけだよな~)
今回見直したときに、気付いたんですが、この作品空の映像(見上げる映像)が多い気がします。人間目線と言う感じで、巨大怪獣を見上げてるんでしょうか。空中決戦という舞台にもちょうどいい撮影法なのかもしれません。そして、そこに映っている空が実にいいんです。
監督の話ではオープンセット(屋外)での撮影だそうです。つまり、ミニチュアセットの空は通常、絵が多いみたいですが、この作品は本物の空なんです。やっぱりリアルなんですね。
そして、やはりスゴいのが防衛庁の全面協力です。自衛隊、大活躍!
政治のしがらみがあって、ギャオスじゃなくて、ガメラを攻撃するという、すっとこどっこいがありましたが、ストーリーを盛り上げて良かったんじゃないでしょうか。
肝心な事を忘れてました。平成のガメラ映画復活にギャオスを登場させたのは、最高の選択だと思いました。ゴジラシリーズが往年の人気怪獣を復活させたように、やっぱりガメラの敵役もこの怪獣でないと!
そこに加えて、ガメラもギャオスも古代文明の人工生命体と設定したのは説得力があります。自然界の生き物にジェット噴射が着いているのは、昔から不自然だと思ってました。
すっかり忘れてたんですけど、エンディングが爆風スランプの歌でした。ここにも時代が感じられます。
災いと希望
夢中になって観ていた子供の時分でも、東宝のゴジラに比べて大映のガメラはかなり子供向けで、怪獣のフォルムもネーミングも稚拙な印象が強かった。
尤も火を吹き、回転しながら飛び立つガメラだけはとても格好良くもあり、愛らしくもあった。
そして平成の時代に甦ったこのシリーズ一作目。
改めてこの映画が東宝の制作であることが感慨深い。
劇場公開された時はまだ小学生だったが、昭和シリーズよりも遥かに洗練された作品であることは当時も感じていた。
プルトニウムを積んだ輸送船が謎の漂流する岩礁と接触する。
さらに長崎の小島では島民と新種の鳥の調査に向かった研究チームが消息を絶つ。
この二つの謎をそれぞれに海上保安庁の航海士光森と鳥類学者の長峰が追う。
特にギャオスが姿を現すまでの流れが恐怖心を煽り、まるで『ジュラシックパーク』のようだと初めて観た時に感じたことを覚えている。
体長は15メートルほどだが、島民を襲うギャオスのフォルムが歪で不気味だ。
反対する長峰の声を無視して政府は三体のギャオスを捕獲し、保護する方針を示す。
ギャオスは捕獲のために福岡ドームに誘導されるが、時を同じくして海上からガメラが出現する。
ガメラがギャオスを追って現れたことは明らかだ。
三体のうち一体はガメラに叩き潰されるが、残りの二体は夜空へと飛び去っていく。
そしてガメラもまた円盤状のフォルムになり、ギャオスを追跡するために飛び立つ。
ガメラの出現により福岡の街は破壊されてしまった。
政府はギャオスを保護するという方針を変えずに、ガメラこそ人類の脅威であると捉え、その駆除に乗り出す。
しかしその後、ガメラはギャオスから逃れる光森と長峰を身を呈して庇おうとした。
そして岩礁から発見された石板には「最後の希望・ガメラ、時の揺りかごに託す。災いの影・ギャオスと共に目覚めん」と記されていた。
光森はガメラは人類の味方であると確信するが、政府は碑文の内容を真に受けず、自衛隊に攻撃を受けたガメラは海底で傷を癒すために眠りにつく。
そして信じられない速度で成長するギャオスは人を襲い続け、都心に姿を現す。
エンターテイメントとして楽しめる作品だが、政治に対する風刺や環境破壊に対する強いメッセージを持った作品でもある。
古代人は行き過ぎたテクノロジーによりギャオスを生み出し、滅亡することになった。
そしてこのままでは人類は同じ過ちを繰り返すことになる。
政府がギャオスに対して完全に打つ手が失くなった時に、満を持してガメラが現れる。
最後の決闘場面は目まぐるしい展開で、今観ても十分に見応えがある。
怪獣映画はCGだけでは出せない味もあるのだと改めて感じた。
細かい部分までリアリティーが追求されており、また怪獣が人を襲うという恐怖が生々しく感じられる作品だ。
福岡にガメラとギャオスが出現したというニュースを見て、東京にも来ないかなと浮かれていたカップルが後に東京に飛来したギャオスの犠牲になってしまうのはとても辛辣だ。
ところどころミスキャストはあるものの、シナリオの面白さは怪獣映画の中でもピカイチで、やはりガメラのフォルムは愛嬌があって好ましい
「すごい」映画ではあるけど・・・
「シン・ウルトラマン」の公開が近いため、監督の樋口真司さんが参加した作品の中でも評価が高い本作を視聴。
結論から言えば、確かに「すごい」映画であったことは事実だ。30年も前に撮られたとは思えないような大迫力の特撮カットは、特撮オタクはもちろんそうでない人も必見のクオリティである。着ぐるみ特撮によって、リアルに、生物的に撮影された怪獣の姿にはかっこよさ、恐ろしさを強く感じた。
その一方で、やはり30年前だなあと思わせられるような、あからさまに合成の跡が見えたカット、ミニチュア感が拭いきれないカットも多く、正直2022年に見てしまっては見劣りするところがある。
しかし最大の問題点はストーリーの、特にガメラと交信する少女にある。そもそもこの役者さんの演技からして棒読み感が否めないという問題があるのだが、そもそもこのキャラクターが作品に必要だったかといわれると非常に疑問である。ガメラ映画シリーズを通して、子供たちとガメラの絆という要素があることは把握しているし、それゆえに必要なキャラクターであることはわかるのだが、それにしても本当に必要だったのか?という疑問は拭いきれない。その少女との交信でガメラが強くなったというわけでもない。ガメラの出現を預言したりしていたが、なにぶん登場寸前に「ガメラが来る」というだけで、正直別にあってもなくても変わらない程度だ。
とはいえ、それ以外の点においてはストーリーもいい出来ではあると思う。序盤の、海を漂流する謎の岩を調査するシーンにはSF的ワクワク感があって楽しかったし、ギャオスをドームに閉じ込めてしまおうというのはなかなか面白い話で、特撮も相まっていいシーンとなっていた。特撮オタク以外に積極的に進められるほどではないが、それでも一見の価値はあると思う
AIWAの看板とか新幹線の0系先頭車両の姿に感激!
女の子に傷が入る演出に金子監督のフェチズムを感じました。どこかで観たな...と思ったら、ああこれって綾波じゃん!と発見がありました。これが、ガメラ三部作の先頭として、後々の神がかりとか狐付きとか朱雀がどうとかいうのに繋がるんだなあと。
それで面白かったのが政府は前半までガメラを敵扱いして攻撃対象として排除しようとするんですよね。後半にようやくその間違いを認めてガメラを応援しようとする。
もしかしたらCovid19も...と邪推してしまいました。
いや人間の側ではないですね。自然の代表かもしれない。ゆくゆくは自然vs人類になるのでしょう。スーパーXの開発が必要かもしれない。
意外と面白かった人生初ガメラ!
生まれてこのかたゴジラは観る事があっても、何故か全く観る機会のなかったガメラ。AmazonプライムのKADOKAWAシネマコレクションで初観賞してみました。CGがない時代の作品で微妙なのではないかと思っていたのですが、意外と面白かったです。
ガメラを下から見上げるようなアングルで撮っているのがカッコいいですね。そしてあのガメラの飛び方がスゴい!なんとなく知ってたのですが、実際観てみるとインパクトあります。で、足だけ甲羅の中に入れて飛ぶ事も可能なんですね。ガメラさん芸達者やなぁ。
自衛隊が民事に介入していいんですか?とか言うセリフだったり、ギャオスの染色体が一対しかないとかいう設定だったり、子供が観ると難しいんじゃないかと思われる所もあるのですが、その分大人が観た時に面白いので良く作ってあるなっと感心しました。こういうリアルっぽさって大事ですよね。ここからきっと「シン・ゴジラ」のような突き詰めた映画に発展していったのだと思います。
後、富士山の裾野の自衛隊演習場で撮影した戦車のシーンが良かったです。74式戦車が揃い踏みで進んで行く姿はカッコいいですね。ストーリー的には勘違いしてガメラを攻撃してたので残念な扱いでしたが。東京タワー目指してミサイルが飛んでいく描写もカッコ良かったです。東京タワー破壊しちゃいましたけど、その分ギャオスの夕日のシーンに繋がったのでヨシとしましょう。
なんとなくゴジラよりマイナーなイメージのあったガメラですが、ゴジラに負けまいという作り手の知恵と努力が伝わってきて、なかなか面白かったです。平成三部作の残りも楽しみです!
すばらしかった
公開当時は映画館で見なくてレンタルビデオで見てあまりに面白くて魂消た。それ以来で見たら合成がちょっとしょぼかった。当時できたばかりの福岡ドームに閉じ込める作戦とかワクワクする。作戦は完璧なのに遂行で失敗するところが、あり得そう。自衛隊の兵器がガメラにダメージを与えているほど強いのもいい。ギャオスが人喰いなのもすごくいい。藤谷文子のカタコトっぽい日本語が変。
金子監督の怪獣映画は最高なのだが、庵野監督に全部持って行かれてしまった感じがあるのが悲しい。
(追記)
4Kリマスターの上映で初めてスクリーンで見ることができた。おそらく3回目だ。当時の技術でやれることをすべて全力でやりつくそうとしている感じがみなぎっている。SFの枠組みで語ろうとしているところがいいのだけど、それにしてはガメラの目がかわいい。
ギャオスが東京タワーを破壊して折れた部分に巣を作ってるのが夕陽に映える。経済に与える影響が大で、日本経済に大きなダメージを与えているが、今現在日本は怪獣が暴れていないのにコロナとウクライナ戦争で経済が深刻だ。30年間ずっと悪化し続けていてここにきての物価高で最悪だ。怪獣の方がまだ退治すれば回復の目途が立つのでマシな気がする。
藤谷文子のエキゾチックな感じがガメラとの交信には必要だ。交信自体が必要かどうか不明でもある。
最後の希望
ガメラ生誕30周年記念作品。
ガメラ・シリーズ第9作(平成ガメラ三部作第1部)。
塚口サンサン劇場で開催された「平成ガメラ三部作 重低音ウーハー上映」で初スクリーン鑑賞(通算25回目くらい)。
監督・金子修介。特撮監督・樋口真嗣。脚本・伊藤和典。
伝説のトリオが生み出した特撮怪獣映画の画期的名作です。
日本VFX界に革命をもたらしたと称賛され、今なお色褪せぬクォリティーを誇っている紛れも無いマスターピース!
録画したビデオを観倒しました。それでも飽き足らず、大人になってからDVD(デジタル・リマスター版)を購入し、何度も鑑賞しました。そして今回、初めてスクリーンで鑑賞。迫力倍増且つ感動は一入。しかもほぼ満席とは。上映後には全員で拍手しました。オタクの一体感の素晴らしさ!
怪獣が出現したら自衛隊はどう行動し一般市民はどう反応するのか、リアルにシミュレーションされていると思いました。
日本テレビの本物の報道番組が登場するのがリアリティーを醸し出していました(アナウンサーの顔触れが懐かしい)。
特撮も素晴らしい。野外にセットを組んで自然光の下で撮影されており、ミニチュアの街並みがリアルに見える。つくり込みも細かく、本物感が一層強調されていました。
画角も人が怪獣を見ている目線が意識されていて、怪獣の巨大感を醸し出すと共に日常に現れた非日常を感じさせる。ゴジラ・シリーズにはあまり無い画角な気がします。
ギャオスが折れた東京タワーに巣をつくり、夕日をバックに鳴くシーンは屈指の名場面。これまた怪獣の存在する非日常を印象づけると共に不気味さを醸し出す演出が秀逸でした。
東京全域で展開するガメラとギャオスの激闘が圧巻。合成に難有りですがそれを差し引いてもスピード感があるし、ここまで大規模な空中決戦は斬新で手に汗握りました。
「シン・ゴジラ」は本作の系譜を引き継いでいると言っても過言では無い。現実に即したリアリティーも去ることながら、樋口真嗣特技監督をはじめとしたスタッフも殆ど共通しているので、両作の繋がりは深いと改めて思いました。
[余談1]
初鑑賞は3歳。第2作公開を記念した「金曜ロードショー」での地上波初放送を両親が録画してくれていました。当時「ゴジラVSスペースゴジラ」を観て特撮にハマったばかり。絶好のタイミングで観せてくれた親に心から感謝を。
[余談2]
キネマ旬報ベストテンにランクインした初めての怪獣映画である本作(1995年度第6位)。2016年に「シン・ゴジラ」がランクインするまで唯一無二の存在でした。
2009年に行われた同誌の企画「日本映画オールタイム・ベスト100」にも見事ランクイン。星雲賞や日本アカデミー賞、ブルーリボン賞などの映画賞も多数受賞…すごい!
[追記](2019/05/02)
令和最初の怪獣映画鑑賞となりました。サンテレビの「シネマスタジアム」で放送されていましたがそんな時に限って仕事が片づかず、帰宅したのは放送終了後。本作を観たいモードになっていたのでDVDで鑑賞することに。
今更ながら感じたことを。ギャオス捕獲作戦が福岡ドームで行われましたが、よくよく考えると人を食べる鳥を市街地に連れて来るのをなんの躊躇いも無く許容出来たな、と…。あくまでも保護対象の希少な野鳥と云う解釈だからか?
[追記](2020/11/29)
ドルビーシネマと云う最高のシアター空間で本作を鑑賞出来たことの喜びを噛み締めております。高精細映像で浮かび上がる細かなディテール。立体音響で迫力が増した空中決戦。全てに大興奮でした。映像と音のクォリティーが高くなった分、当時の技術的な粗が目立つようになった瞬間(特に合成画面)もありましたが、それを含めて愛すべき作品であり、終生残していきたい特撮遺産だと心の底から思いました。
[以降の鑑賞記録]
2019/05/02:DVD(デジタル・リマスター版)
2019/10/06:Blu-ray(4Kデジタル復元版)
2020/02/12:Blu-ray(4Kデジタル復元版)
2020/07/03:アマプラ(シネマコレクション by KADOKAWA)
2020/11/29:梅田ブルク7(Dolby-CINEMA)
2021/01/16:Blu-ray(4Kデジタル復元版)
2021/01/28:Ultra HD Blu-ray
2021/02/06:Ultra HD Blu-ray
2021/05/21:Ultra HD Blu-ray
2021/11/19:梅田ブルク7(4Kデジタル復元版)
2022/10/30:Blu-ray(4Kデジタル復元版)
2023/12/10:YouTube(2週間限定配信)
※修正(2023/12/10)
伝説の始まり。準佳作。
小学生の頃の嫌な想い出が甦る。
一つ歳下の友人達と母とで一緒に見に行ったが開幕すると
歳下の子達は椅子の上でぽんぽん跳び跳ねて遊び始めた。
注意しても「ガメラ出ないからつまんない、説明ばっかで早く出ない」と・・・
当時は早熟だったせいか「コイツ等がガキなだけ」と思っていた。
だが、「子供向け作品における緻密な脚本」の限界という
のもあるのかも知れない。
個人的には当時は大変満足したが子供のツボというのは
本当に難しい。
かのラピュタでさえ映画興業成績は低かった事を思い出す。
あれを今大絶賛しているのは大人達である。
私が小学生の頃は既に評価が定着していたもののなぜ面白いのか?
を的確に説明出来る子は余り居なかったと思う。
多分、雰囲気を楽しんでいただけなのだろう。
平成ガメラ第1作
「シン・ゴジラ」が余りに
面白かったので特撮について調べていると、
「特撮の傑作はむしろ『平成ガメラ』だ!」という
声を聞いて気になったので鑑賞。
ガメラは今まで見たことがなく、
人類の敵だとばかり思っていたら
まさかの味方で驚いた。
現代の環境汚染が
ギャオスを覚醒させたという設定が素晴らしい。
単なるエンターテイメントに留まらず
色々考えさせてくれるあたり、
やはり特撮には初代「ゴジラ」の
血が流れているのだろうか。
破壊された東京タワーに
居座るギャオスがめちゃくちゃカッコよかった。
夕日も相まってホントにカッコいい画になっている。
あの荘厳で不気味な佇まいがたまらない。
しかし昔の特撮には必ずと言っていいほど
大根役者が紛れ込んでいる。
逃げまどう民衆はいいとしても、
メインのキャストが大根だと
シリアスなシーンで冷めてしまう。
お約束な気もするが、なんとかならんのか…
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