「いいね、怪獣映画!」ガメラ 大怪獣空中決戦 CBさんの映画レビュー(感想・評価)
いいね、怪獣映画!
観た。二つの世代が入り混じる観客の一人として。
自分のように、1967年の「ガメラ対ギャオス」に子供時代に出会った世代(俺は当時7歳)。つまり、60代。そして、1995年の「ガメラ 大怪獣空中決戦」(本作ですね)に子供時代に出会った世代。つまり、30代。
怪獣好きなはずの俺は、平成ガメラには出遅れていて、実はイリスを観たのみ。
だけどそこで、隊員が「下がれ、退却!」と叫ぶシーンを初めて観て、「なんか、この映画、一味も二味も違って本格的!」と身震いしたのは、つい昨日のことのように思い出せる。「うわ、自衛隊がちゃんと後援してる」ってのは、俺にはインパクト大きかったな。子供の頃からの怪獣映画で、後退せず、ただ怪獣の強さを示すためだけに玉砕する防衛軍ばかり観てきたから「やっぱ、本物は違うなあ」と感心しきりだった。あれから、樋口監督、好きなんだよな。
三島駅で富士の裾野なのも、自衛隊の演習を活かしたいからなんだろうな、きっと。
樋口監督の特撮。やはり気持ちがいいです。あとから知ったけど、怪獣を見る視点が、人から見る視点に統一されていたんですね。それで、気持ちがいいのか。
そして、自分は、「シンゴジラ」のレビューで書いた通り、ゴジラの背ビレから放射される無数の光線がこの上なく美しいと思うのですが、既に本作でも、その片鱗が描かれてました。ちょっと発見で、嬉しい。
その樋口監督をもってしても、合成シーンは、いくつか悲しくなる出来の部分がある。漂流するガメラの背中で調査するシーン、空中戦の一部シーン、…
1997年だから、もうオプティカルプリンターではなく、CG合成だよなぁ。 しかし、Wikipediaで知りました。本作の制作費、たったの5億円なんですね。じゃあ、よくやったってことなんだろうな。
キネマ旬報のベストテンに入るなど、これだけ評価が高い本作も、稼いだ金は7億円。やっぱり、特撮映画って、大変なんだなあ。
そして、興行で80億稼いだ "シンゴジラ" の偉大さにあらためて気づかされました。
ヒロインは中山さんの妹の方。顔が派手ではない方で、自分はだいぶ好き。
ただし、棒読みっぷりは、呆れを通り越して感心してしまうレベル! 藤谷さんと二人揃ったその破壊力は、おそらくギャオスの超音波を凌ぐのではないだろうか、というレベル!!
でも、それでいいんじゃないかなあ。怪獣映画なんだから。
ついでに言えば、小野寺さんは、やはり "殿下" ってことになっちゃう。「太陽に吠えろ」世代なもんで。
あと、冒頭は、ホントに懐かしい。そうそう、そんな字体で名前出して、音楽はまさにそんな音楽で… それがいいわけじゃないけど、見事な再現に、感心!
おまけ
1995年頃を懐かしく思ったシーン。
福岡ドーム、出来たばかりなんだな。(93年)
Jは、ヴェルディなんだ。(93年優勝)
東海道新幹線、まだ、丸いんだなあ。
平成ガメラ三部作それぞれへのコメントどうもありがとうございます。楽しく読ませていただきました。
第一作目は、初々しい中山忍さんとリアリティのある自衛隊の活躍が魅力的で、今見ると景色やファッションなど懐かしさ満載で愛せる作品ですね。
「レギオン襲来」、Dolby cinema 始まりました! TVでしか観ていない俺には、ありがたい限りです。また特別料金1600円と安いといいな...とにかく楽しみ!