ガメラ 大怪獣空中決戦のレビュー・感想・評価
全66件中、1~20件目を表示
何度観ても飽きない、色褪せない。
祝・生誕60周年ドルビー再上映。
5年前も同劇場で鑑賞したが、また観れるとは実に喜ばしい。平成ガメラシリーズは私にとって何物にも代え難い作品たちなので嬉しさも爆上がりだ。
最初に観たのが30年前の公開当時な訳で、そこから好きだと流石に客観的な視点で観ることは難しく、好き前提による主観が感想の大半を占める。とは言え、今観ても映像的に物凄く古臭く感じるとか不自然な箇所が多いとかが無いのが凄い。
私は世代的に平成ゴジラもよく観ていて今も好きだが、面白さの差ではなく、リアリティや没入感といった作品により深く入り込めるかどうかの点でガメラのほうが上回っていると感じている。それは作りこみの差ではないかと思っている。単にリアルなセットや着ぐるみを作ればよいということではなく、例えばカメラワーク等の工夫でどうやって観客に見せるのか、実際の映像と合成する際やCGを使う際にそこだけ浮かないようにするにはどうするのか、そういう所が本当に上手く出来ている。そりゃここはミニチュアだろうとか合成やらCGやらだろうとかは観れば分かるが、その瞬間に明らかに浮いているのは駄目だ。一瞬で没入感が削がれるからだ。つまり、平成ガメラシリーズは作品に集中できるという点で群を抜いているのだ。
今回のガメラは顔が大きくややずんぐりしている体型で見方によればかわいいかもしれない。だがその分、ギャオスが怖い。捕食、とにかく捕食。最初から最後までずっと人を襲う。冷静に考えて怖すぎるでしょ。このバランスが良い。古代文明とかのファンタジー要素も取り込んでいるものの、設定はしっかりと作りこんでおり、ニュース映像等の日常風景を上手く入れ込むことで現実感も醸し出している。まぁニュース場面が多いのは製作が日テレだからだろうが。
特撮なんて時代遅れ、なんてお考えの皆さまには是非一度、この作品を観てほしい。リアリティとはCGが凄いことを言うのではないという事が分かって頂けるはずだ。ストーリーや設定、俳優の演技から監督の演出、特撮技術など全てがマッチするからこそなのだ。当然30年前の映画だから今より劣っている部分はあるだろう。だが本当に魅力がない作品なら、単に映像綺麗にしましたよ、というだけでは観れたものではないだろう。もともと優れた作品であり、見所が満載だからこそ4Kドルビーに見合うものになるのだ。あとサントラ、これを忘れてはいけない。大谷幸氏による素晴らしい曲たちがまた合うんだこれが。
少しでもこの「1」が面白いと感じたならば是非「2」も観てほしい。何故?私が「2」が一番好きだからだ!その際は2分ぐらいあるロングバージョンの予告編は観ないでほしい。あれは、オチ以外のストーリーほぼネタバレだから(笑)。
『怪獣見るんだったら映画館で見な―』
……そら私だって映画館で怪獣が見たいさ!でも映画館にはいま怪獣がいないんですよ!!と本作で飛び出す名言に対してそんな思いがこみ上げてしまった訳ですが、それはともかく、なんでも今年はガメラ生誕60周年という事でのリバイバル上映だそうです。ガメラってまだ60歳なんですね。意外と若いし、それじゃこの映画の時って30歳だったんですか!?正に働き盛りだったんですね!!
この作品を監督した金子修介氏も特技監督を務めた樋口真嗣氏も未だに映画界で活躍されているは喜ばしいのですが、日本映画界において“特撮”はもはや風前の灯火であります。「ゴジラ-1.0」(23年)のヒットはまだ記憶に新しいのですが、かの作品はVFX作品であり特撮ではなかった訳で、それを維持するのに必要な人材も予算も子供も需要ももう残り僅かという絶滅危惧種“特撮”。その一つの到達点ともいえる本作を今回は劇場で鑑賞です。
なのですがえらい盛況ぶりです。連休中の映画館、日に1回の上映という事もあるのでしょうが、いくら歴史的な作品とはいえ30年前の特撮怪獣映画にこんなに人が入るとは思いませんでした。入場する時も退場する時も「ギャオス、ギャオス」とはしゃぐ高校生くらいの男の子2人組に、「前に観たのはいつだっけ?」などとオタク談議に花を咲かせる成人男性たち。微笑ましい感じの若いカップルに、何をしでかしたのか「そんなんだったらもう二度と連れてこないからね!」とお母さんに怒られているキッズ……もうねコレですよ、コレ!この雑多な感じが特撮怪獣映画を映画館で見るという事なんですよ!本編開始直前の暗くなった場内に慌ただしく駆け込んできて席を探す人もいれば、上映中も至る所からガサゴソと袋の中のお菓子を手繰る音が絶え間なく聞こえてくるのです。普段ならそりゃ殺意の一つも湧くところですが、特撮怪獣映画を見ているこの時だけはそれら全てが肯定されるんですよ!人出の少ないレイトショーでほぼ貸し切り状態の上映に甘んじていた昨今の自分を恥じますよね!人に紛れて映画を見る醍醐味が甦るのです!……まぁ初めて観る作品ではない事もその余裕を後押ししているのですが、ザワザワした上映中の劇場だとしても、けたたましく響く怪獣たちの咆哮や爆発音がそれらを搔き消してくれる瞬間の爽快感!!
スティーブン・セガールの娘が何故ガメラと繋がっているのか?その理屈よりも物語的な必然性の方がよくわからないのですが、話の通じなさそうな目付きで人を捕食するギャオスの怖さに、人類の脅威であるギャオスを倒すために戦っているのに自衛隊に迎撃されるガメラの悲しきヒロイズム!30年前の日本を舞台に九州から東京へと転戦しながら激突する、そんな二大怪獣の迫力に加え、平成特撮怪獣映画を代表するヒロインの座は、やはりゴジラと戦った沢口靖子の貫禄に軍配が上がるものの、巨大ペリットに薄手のゴム手袋で躊躇うことなく手を突っ込む中山忍の姿にグッときつつ、北京原人の本田博太郎。あまり特撮のイメージのない風吹ジュンの謎のカメオ出演に、やたら若い佐藤二朗も確認でき、当時のニュース番組でお馴染みの顔だったキャスター達がそのままの役で登場し、怪獣の襲来によって混乱する各種交通網の模様や証券取引市場の様子を伝えてくれ、この壮大な虚構に現実性を加味してくれています。と、見どころ満載の映画なのです。
押井守監督の「機動警察パトレイバー 2 the Movie」(93年)の流れを感じさせる、日本でこういう事態が現実に起きたらどうなるのだろうか?というシミュレーションに基づいた物語展開。防衛出動の判断という部分はサラリとしか触れられてはいないのですが、そもそもそこは今までの怪獣映画がほとんど触れてこなかった部分であり、ここに簡単にでも言及しただけでもう革新的なリアリティを本作は演出していたのです。そして実在の地名が頻繁に登場するのも、観る者の頭の中に「あそこら辺かぁ…」と地図を思い浮かべさせ、現実性を加味してくれているのです。こういう特撮技術によらないリアリティの演出は当然、「シン・ゴジラ」(16年)にも繋がっていく訳で、これらの演出は荒唐無稽な仮定を現実と照らし合わせてあれこれ夢想することの楽しさを教えてくれるのです。
そしてもちろん映像的な演出も抜群です。そもそも特撮とは実際には存在しないものをさも存在しているかのように映像に記録する撮影技術ですが、確かにその点においてはCGを駆使するVFXに比べると不利かもしれません。しかしこの日本で積み上げられてきた“着ぐるみ”“模型(ミニチュア)”“爆発”の特撮三元素(と私が勝手に言っているもの)が最高水準で満たされ、それを用いて抜群のセンスで描かれる二大怪獣の決戦はとてつもない迫力と存在感を帯びているのです。
ガメラもギャオスも表情豊かに(顔は動いてなくても体の動きで表情が見えてくるのです)、ミニチュアで再現された最終決戦地である六本木~秋葉原間の少々古びた建物が高密度で乱立する街並みの中、高速道路の高架や張り巡らされた電線越しにその巨体を見え隠れさせています。本作の同年まで展開されていたVSシリーズのゴジラは身長100mに達していたのですが、ガメラは大雑把に見ても15~20m程度の大きさしかありません。ですが、その分カメラの目線も低くなり、人の手で精巧に作られた模型の中に埋もれるようにして戦う二大怪獣を追うクライマックスシーンはワクワクの連続なのです。そして最後のコンビナートの大爆発・大炎上の思わず笑ってしまう程の迫力。
そういった“動”の演出も見事ですが、やはり本作を象徴するシーンと言えば、ギャオスが東京タワーに巣を作り夕焼けを背景に佇むというシーン。このシーンではあの間延びした調子で流れる防災行政無線放送が都民に外出自粛を呼びかけているのです。私は本作のこの正に“静”のシーンにこそ、日常の中に非日常を現出して見せる特撮の妙を見る思いなのです。
もはや歴史的資料と言っても過言ではない本作。シリーズの他作品も順次上映してくれるのは嬉しいのですが、もっと規模も期間も拡大して欲しいと欲張りな願望を抱きつつ、もし機会があればぜひ劇場で!
タイトルなし(ネタバレ)
ガメラはギャオスを倒すため古代文明が生み出した怪獣で勾玉を貰った女の子が巫女?のようになるって設定が昔の作品と比べて独特だなと思った。
低予算らしいけれど大都市やガスタンクのセットは迫力があった。
特撮最高!Tokusatsu at Its Best!
色々用事を済ませて、
さて、と検索して、
知ってるけど観たことなかった
ガメラ、やってるやん、で観ることにした。
95年公開なので、
怪獣の造影は着ぐるみや人形なんだろうが
カメラアングル、カメラワークの巧みさで
没入感とリアルさが感じられる。
この特撮で培った技術は、
最新技術が使用できる今になっても
引き継がれているのは
樋口真嗣監督が関わっている
シン・ゴジラや
シン・ウルトラマンなどを観れば明らか。
30年前の作品を観て、
大事なのは見せ方だと再確認した。
CGなんかで凄い映像は作れても
嘘くさくなるのか、
本物の様に感じるのかは
見せ方だなと。
作り手が意識してそう観てくださいなら
バトルシーンがドラゴンボールっぽくても良いし
アニメや漫画風でもいい。
マトリックスはその最好例だと思う。
ただ作り手が意識せずにやってると
ちょっと寒くなる。
大画面で観ていて
この作品は、ガメラというものを
新しくスタートさせる作品なんだと
改めて感じた。
機会があるのならぜひ。
I had finished a bunch of errands, and when I searched for something to watch, I noticed that Gamera—a film I’d known about but had never actually seen—was playing in theaters. So I decided to go.
Since it was released in 1995, the kaiju are, of course, brought to life with suits and models.
But the clever camera angles and dynamic camera work make the film feel incredibly immersive and surprisingly real, even on the big screen.
And it’s obvious that the techniques honed through this era of practical effects still live on today—just look at Shin Godzilla or Shin Ultraman, both of which Shinji Higuchi was involved in.
Watching this 30-year-old film in a theater made me realize once again that what truly matters is how you show things.
CG can create spectacular visuals, sure, but whether a scene feels fake or genuinely real all comes down to presentation.
If the creators are intentionally shaping the style, then even battle scenes that feel like Dragon Ball, or that resemble anime or manga, totally work.
The Matrix is probably the best example of that.
But if those choices aren’t intentional, they can feel a bit awkward.
Seeing it on a huge screen, I really felt that this film was meant to redefine and reboot what “Gamera” could be.
If you get the chance, absolutely go see it.
祝公開30周年!当時ついに誕生した怪獣映画の決定版!「シン・ゴジラ」につながるリアルを目指した特撮映画
平成ガメラシリーズ第一弾!
ファンが本当に観たかった、リアルでシリアスで面白い怪獣映画を復活させた作品として、非常に重要な作品です。
当時、怪獣映画は、年一回の平成ゴジラのみで、そのゴジラも、都庁とか、やたら広大なミニチュアを作るだけで、昔の怪獣映画の興奮には遠く及ばず、私も毎回やきもきしながら見ていました。
内容も昔の延長線上で時代遅れの感は否めず、大味な特撮、リアリティを軽視した悪い意味での「昔ながらの特撮」のままで、一般の映画とは別の世界になっていました。
その思いは一般ファンだけでなく、同じ感想をもっていた金子監督、樋口監督、以下スタッフ・キャストが、見事に面白い大怪獣映画を復活させてくれました!
緻密なミニチュア、怪獣出現を伝えるTVニュース、自衛隊出動のシミュレーションなど、リアルで緻密な世界観を目指す姿勢は、この20年後の「シン・ゴジラ」につながります。
それだけではなく、怪獣激突の興奮も味わえます。
ガメラが最初に飛ぶシーンや、ギャオスの超音波、ガメラの火炎弾など見所満載!!
自分は特に、CGによる回転ジェットの再現はトリハダもの!!多少ぎこちない動きもまたイイ!!
しかも、シリアス、リアルな面だけではなく、ガメラが子供の味方だった点は、広く人類の味方として、少女との心のシンクロのカタルシスも表現した傑作です!!
神秘的で初々しい藤谷文子、凛とした中山忍、伊原剛志、小野寺昭のソフトな雰囲気と優しさ、頼りないけど人がいい螢雪次朗、極めつけは本田博太郎の怪演と、キャスト人も素晴らしい!
冒頭から、昭和ガメラの郷功次郎と昭和ゴジラの久保明が両船長役で出演というのもうれしかった!
怪獣ファンでなくても楽しめるので必見です!
子供の見方のガメラなんてお湯に浸けたケーキのようなもの
シン・ガメラ日本に現わる。 やはりガメラは人類の味方っ!…なの?
人類を守護する巨大生物「ガメラ」の戦いを描く怪獣映画『ガメラ』シリーズを、設定も新たに描き直した平成『ガメラ』3部作の第1作。
水深3,000mの太平洋上で、プルトニウムの輸送船が座礁するという事件が発生。幸いにもプルトニウムの流出は回避されたが、この不可解な出来事の原因を解明する為、当時輸送船の護衛を務めていた海上保安官の米森は、民間海上保険会社の草薙らと共に調査へと乗り出す。
同じ頃、五島列島にある「姫神島」で、野鳥の調査を行っていた九州大学の平田教授が失踪してしまう。平田の教え子だった長峰は、長崎県警の大迫に連れられて島へと赴くのだが、そこには通常では考えられない程巨大なペリットが吐き捨てられていた…。
ガメラ誕生30年記念作品。シリーズ8作目『宇宙怪獣ガメラ』(1980)から15年の時を経て制作された、今なお燦然と輝く日本特撮映画のマスターピースである。
脚本を『パトレイバー』シリーズ(1988-)の伊藤和典が手掛けているだけあり、「巨大怪獣が現実社会に出現したらどうなってしまうのか」という問いをリアルに追求したシミュレーションの様な作品になっている。
官僚や自衛隊、学術チーム、マスコミ、民間人、さらには日経平均株価まで、あらゆる側面からその動向を描く事により、観客を虚実の皮膜へと誘う。偶然にも本作公開の2ヶ月前に阪神淡路大震災が、10日後に地下鉄サリン事件が発生しており、この奇妙な歴史のシンクロニシティは突如として出現し全てを薙ぎ倒す「怪獣」は決して絵空事でなく、実は極身近に存在しているのだという事を我々に突きつけた。正に時代を象徴する一作であると言えるだろう。
怪獣映画には必須な社会問題への言及にも抜かりはない。地球温暖化により古代の怪獣が目覚めてしまうというところから始まり、未来人にとってはプルトニウムも古代人からの負の遺産であるという点ではギャオスと遜色はないという批判も強烈。「姫神島」の描写や“平田"という名の人物など、初代『ゴジラ』(1954)を思わせる点が多い本作だが、その風刺性もしっかりと受け継いでいる。
特筆すべきは特殊撮影のクオリティ。虚実皮膜の真髄とも言えるこの恐るべき特撮は、特技監督・樋口真嗣の名を世に知らしめた。
ハリウッドでは『ジュラシック・パーク』(1993)が既に存在していたとはいえ、日本映画界にはまだ怪獣映画をフルCGで制作出来る程の技術も予算もなかった為、本作ではミニチュアやセット、そして着ぐるみといった昔ながらのアナログな方法が特撮パートに採用されている。今時の映画と比べると流石にチープだが、例えばガメラの福岡上陸や、折れた東京タワーに巣を作るギャオスなど、実物を用いているからこその臨場感は何ものにも代え難い。
CG全盛となった今、この様な手段で大規模な怪獣映画が作られる事はもう無いだろうし、もしかしたら既に技術も失われてしまったのかも知れない。かつての怪獣特撮を今に残しているという点でも、本作はとても貴重な作品である様に思う。
樋口真嗣は後に『シン・ゴジラ』(2016)の監督を務めるのだが、本作のリアルな作風がそれに大きな影響を与えたことは間違いない。両作品ともクリーチャーデザインに前田真宏が関わっている為、怪獣の見た目も近い。『シン・ゴジラ』は記録的な大ヒットを記録したが、その基礎に本作があった事を忘れる訳にはいかない。
怪獣シミュレーションとしての面白さには諸手を挙げられるが、正直なところ『ガメラ』シリーズお馴染みの「子供との絆」の部分がリアルな作風と噛み合っておらず、後半に行くに従ってどんどんチグハグになってゆく。
しかも、当時14歳だったスティーヴン・セガールの娘、藤谷文子がガメラと心を通わせる少女を熱演しているが、これがまぁ下手💦ヒロインを演じた中山忍もなかなかのものだが、とにかく藤谷の演技が酷すぎる為、彼女の出演シーンは全く頭に入ってこない。いくら子役とはいえこれはちょっとあんまり過ぎるぞ😡コネ採用もいい加減にしろっ!!
元々「子供との絆」部分は邪魔なのに、藤谷の演技の酷さのせいでよりそこが悪目立ちしてしまっている。せっかくリブートしたのだから「つっよいぞガーメーラー」的な子供向けな作風から完全に離脱してしまえばよかったのに。
演技の酷さを別にしても、クライマックスの怪獣プロレスはちょっと頂けない。リアルな路線から一気に60〜70年代のガラクタ路線にチェンジしてしまった感じがして、その落差にガクッとしてしまう。
怪獣映画なのに怪獣同士のバトルが1番つまらないというのは本末転倒な気もするのだが、そこは前半の出来があまりに良すぎたから仕方ないか…。
また、シナリオ部分にも疑問が。ガメラは人類の味方だ!的な感じで終わりますが、ガメラのせいで福岡ではめっちゃ死者が出ていたはず。多分、本作ではギャオスに殺された人よりもガメラに殺された人の方が多い。そこを無視して「ガメラがんばえー!」とはならないですよねぇ…。
この点に関しては後のシリーズ作品で言及が為されますが、少なくともこの第1作だけで判断すると、脚本的に問題があるとしか思えない。「怪獣が上陸したら、それだけでこのくらい人は死にます」というリアルさを追求したのだろうが、それなら後半の「人類の味方」的な描き方は不要だし…。このリアルなシミュレーションと子供向けなファンタジーが同居しているところに、リブート第1作目ならではの躊躇と混乱が見て取れる。
怪獣=子供向けという考えがまだ根強かった90年代に、この映画は早すぎたのかも知れない。しかし、本作が種を蒔いたからこそ『シン・ゴジラ』や『ゴジラ-1.0』(2023)の成功があったのだ!
…って『ゴジラ』ばっかりやないかい。『ガメラ』は今年60周年なのに…。新作にはまだ時間かかりそうですかねぇ…?
0319 これぞ待っていた怪獣映画
1995年公開
東宝マークの後に大映マーク
本郷功次郎と久保明のエール交換
やりますなあ
樋口真嗣の特撮は冴えに冴える。
川北特撮中野特撮はこういう構図が伝統だ!とばかり
いつものゴジラで相手が違うだけ、と見えることがあるが
本作の目線は千変万化
動く自動車の向きと反対に動くガメラ
福岡ドームを破壊するガメラ
超音波を放つギャオス
オープンセットは普通空気感がおかしくなるのだが
本作は本当に怪獣が街の中に現れた感。
東京蹂躙の部屋の中からの視点
東京タワーから落ちる卵
どれも鳥肌が立つ。
特にガメラの回転ジェットのフレアと
夕暮れのギャオスのシルエットに感激した !
ギャオスとガメラの存在意義も無理なく進める
金子俊介の演出も素晴らしい。
特撮を熟知した監督が特撮監督と組む。
これが昭和以来の成功の秘訣か。
中山忍ちゃん綺麗!
藤谷文子 超棒!
ガメラの造形も凄いの一言
角度によって愛くるしいおめめもいい!
ギャオスも怖さが充実
やっぱり薄いCGより重い特撮がいい!
90点
鑑賞 1995年3月23日 渋谷東宝
パンフ購入¥500
配給 東宝
お子さま向けを越えた仕上がり
ガメラとは
正直ガメラは知っていたけど、ガメラとはなんたるかを
知らなかった。
ビジュアルも好きなのだけど、
何も知らなかったんだなと改めて思いました。
やはりゴジラとの比較をしてしまうのだけど、
ゴジラは怪獣として
人間にはどうしようも出来ない存在であるのだけど、
ガメラがこんなにヒーローの立ち位置として存在している
とは思わず、少し戸惑いました。
ヒーローなのだけど、街は破壊してたりして
ゴジラに対して存在が曖昧な気がしてしまいました。
だけど、正直言ってこの時代のゴジラ映画より
怪獣の見せ方は迫力があってカッコよかった。
街並みとの融合も見事だったと思う。
ガメラに対してあらかじめ
ヒーローとしての立ち位置とどう言う存在なのかを
理解した上で観るとまた印象が違ったかもしれない。
公開からもう30年経ちますが、全く色褪せない特撮映画を超えた日本映画の傑作ですね。
新文芸坐さんにて「新春平成ガメラ4Kまつり三部作一挙上映!」『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』(1999)を3作品連続鑑賞。
『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)
幼少期に鑑賞した『宇宙怪獣ガメラ』(1980)が過去のアーカイブを使用したかなりお子様向け作品だったため、本作の製作が決定した際も過度な期待は無かったのですが、予告編を観てあまりの出来の良さに度肝を抜かれ劇場に駆け込んだ記憶がありますね。
平成ゴジラシリーズも『vsビオランテ』(1989)のリアリティ路線から軌道修正、大仰なSF要素がより濃くなった時期で、ギャオスとガメラが文明の発達したアトランティス大陸の古代人が生み出した人工生命体という設定が、高速回転で空を飛んでも説得力十分で大人の鑑賞に堪える怪獣映画に昇華、『うる星やつら』『機動警察パトレイバー』でも才能を発揮した伊藤和典氏の脚本が秀逸でしたね。
本編パートの演出も特に日本テレビの現役キャスター、アナウンサーが実在のニュース同様に原稿を読み上げる様が真実味をおびて良く、特撮パートも屋外のオープンセットで撮影しているのでアオリでの巨大感や、自然光を取り入れて抜けのいい空気感が『ゴジラ』シリーズと比べて新鮮な驚きでしたね。
公開からもう30年経ちますが、全く色褪せない特撮映画を超えた日本映画の傑作ですね。
愛せる怪獣映画
わあ、ありがとー。
平成三部作を見直して① ギャオスの群れが襲い来る!
久しぶりに見直したんですが、やっぱり面白い!
ニ十年近く前の作品なんで、特撮等の面でややガッカリというところも多少ありますが、当時はこれでも大満足だったんですよ。あの頃の衝撃が蘇える気がします。(それにしても登場人物、みんな若!自分も年とるわけだよな~)
今回見直したときに、気付いたんですが、この作品空の映像(見上げる映像)が多い気がします。人間目線と言う感じで、巨大怪獣を見上げてるんでしょうか。空中決戦という舞台にもちょうどいい撮影法なのかもしれません。そして、そこに映っている空が実にいいんです。
監督の話ではオープンセット(屋外)での撮影だそうです。つまり、ミニチュアセットの空は通常、絵が多いみたいですが、この作品は本物の空なんです。やっぱりリアルなんですね。
そして、やはりスゴいのが防衛庁の全面協力です。自衛隊、大活躍!
政治のしがらみがあって、ギャオスじゃなくて、ガメラを攻撃するという、すっとこどっこいがありましたが、ストーリーを盛り上げて良かったんじゃないでしょうか。
肝心な事を忘れてました。平成のガメラ映画復活にギャオスを登場させたのは、最高の選択だと思いました。ゴジラシリーズが往年の人気怪獣を復活させたように、やっぱりガメラの敵役もこの怪獣でないと!
そこに加えて、ガメラもギャオスも古代文明の人工生命体と設定したのは説得力があります。自然界の生き物にジェット噴射が着いているのは、昔から不自然だと思ってました。
すっかり忘れてたんですけど、エンディングが爆風スランプの歌でした。ここにも時代が感じられます。
タイトルなし
怪獣 VS 怪獣作品では群を抜く出来♪ 俳優陣のキャスティングも◎
対怪獣同士の作品では出色の出来です。
ガメラの出現、ギャオスの捕獲など理にかなった演出が、無理なく物語を進め、あっという間に見終わります。
俳優陣も小野寺昭さんのよいパパ風自然な演技、中山忍・伊原剛志のひたむきさ、螢 雪次朗のコミカル感、役人=本田博太郎・軍人=長谷川初範の存在感 等々キャスティングも適材適所で申し分ありません。
唯一、スティーヴン・セガールの娘である藤谷文子が、ガメラと意思疎通出来る共鳴体になってしまうところが、当初違和感がありますが、そういう設定と受容下さい。
そして当時の本物のニュースキャスターがニュース映像で出演しているシーンもリアルです。
戦車・トラック・ヘリ・艦船など、自衛隊が本物で撮影協力しているシーンも搭乗してる方も本物の自衛隊員?など、考えながら見入ってしまう♪
ガメラの着ぐるみ感がやや気になりますが、暗いシーンでごまかしたCGハリウッド作とは異なり、ハッキリ見せてくれている事をむしろ英断に感じる。
「ゴジラ-0.1」の制作費1500万ドル(約20億円・ハリウッド作は10倍以上)が低すぎるのに、すごいクオリティと驚愕している海外ファンが多いですが、本作は恐らく5億未満の制作費です。
その点を甘受してご視聴を♪
今作は平成ガメラ3作のうち1作目(1995年)ですが、昭和ガメラシリーズの「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」(1967年)も傑作ですので、機会あれば♪
災いと希望
夢中になって観ていた子供の時分でも、東宝のゴジラに比べて大映のガメラはかなり子供向けで、怪獣のフォルムもネーミングも稚拙な印象が強かった。
尤も火を吹き、回転しながら飛び立つガメラだけはとても格好良くもあり、愛らしくもあった。
そして平成の時代に甦ったこのシリーズ一作目。
改めてこの映画が東宝の制作であることが感慨深い。
劇場公開された時はまだ小学生だったが、昭和シリーズよりも遥かに洗練された作品であることは当時も感じていた。
プルトニウムを積んだ輸送船が謎の漂流する岩礁と接触する。
さらに長崎の小島では島民と新種の鳥の調査に向かった研究チームが消息を絶つ。
この二つの謎をそれぞれに海上保安庁の航海士光森と鳥類学者の長峰が追う。
特にギャオスが姿を現すまでの流れが恐怖心を煽り、まるで『ジュラシックパーク』のようだと初めて観た時に感じたことを覚えている。
体長は15メートルほどだが、島民を襲うギャオスのフォルムが歪で不気味だ。
反対する長峰の声を無視して政府は三体のギャオスを捕獲し、保護する方針を示す。
ギャオスは捕獲のために福岡ドームに誘導されるが、時を同じくして海上からガメラが出現する。
ガメラがギャオスを追って現れたことは明らかだ。
三体のうち一体はガメラに叩き潰されるが、残りの二体は夜空へと飛び去っていく。
そしてガメラもまた円盤状のフォルムになり、ギャオスを追跡するために飛び立つ。
ガメラの出現により福岡の街は破壊されてしまった。
政府はギャオスを保護するという方針を変えずに、ガメラこそ人類の脅威であると捉え、その駆除に乗り出す。
しかしその後、ガメラはギャオスから逃れる光森と長峰を身を呈して庇おうとした。
そして岩礁から発見された石板には「最後の希望・ガメラ、時の揺りかごに託す。災いの影・ギャオスと共に目覚めん」と記されていた。
光森はガメラは人類の味方であると確信するが、政府は碑文の内容を真に受けず、自衛隊に攻撃を受けたガメラは海底で傷を癒すために眠りにつく。
そして信じられない速度で成長するギャオスは人を襲い続け、都心に姿を現す。
エンターテイメントとして楽しめる作品だが、政治に対する風刺や環境破壊に対する強いメッセージを持った作品でもある。
古代人は行き過ぎたテクノロジーによりギャオスを生み出し、滅亡することになった。
そしてこのままでは人類は同じ過ちを繰り返すことになる。
政府がギャオスに対して完全に打つ手が失くなった時に、満を持してガメラが現れる。
最後の決闘場面は目まぐるしい展開で、今観ても十分に見応えがある。
怪獣映画はCGだけでは出せない味もあるのだと改めて感じた。
細かい部分までリアリティーが追求されており、また怪獣が人を襲うという恐怖が生々しく感じられる作品だ。
福岡にガメラとギャオスが出現したというニュースを見て、東京にも来ないかなと浮かれていたカップルが後に東京に飛来したギャオスの犠牲になってしまうのはとても辛辣だ。
ところどころミスキャストはあるものの、シナリオの面白さは怪獣映画の中でもピカイチで、やはりガメラのフォルムは愛嬌があって好ましい
日本怪獣映画の最高傑作のひとつ
全66件中、1~20件目を表示

















